現場リポート REPORT

造作材加工



こんにちは。
現場監督の丹羽政雄です。

待ち遠しかったはずのゴールデンウイークが終わり、すでに1週間が経ちました。

実は我が家ではゴールデンウイーク中に待望の家族が増えました。
ご紹介します。

セキセイインコの「そら」(♂)です。


2年半ぐらい前に家族に加わった同じくセキセイインコのベリー(♀)にそろそろ伴侶をと思い、以前から計画していました。

小さくて愛くるしい上、私たちの言葉をまねたりするのでもう家族中がメロメロです。

今は別々の鳥かごに入れてますが折を見て一つ屋根の下にと思っています。


さて、私が現場監督と務めています岐阜市の「ふかし軒理まる家」では先々週の構造材加工を追いかけるように先週造作材を加工しました。

担当する部署は(協)東濃ひのきの家の「造作工場」です。

今回は造作材加工についてお伝えしたいと思います。



「造作材」という言葉は正式にはとても広い意味があると思いますが、私たちの間では構造材以外の木質部材全般を指します。

床板・壁板・天井板等の板材はもちろん、巾木や廻り子、サッシ枠や建具枠等々、まだまだたくさんの部材があります。

フルオーダーメイドの「中島とつくる家」には特殊部材は付き物です。

階段材や手摺に至るまで専ら受注生産です。

その加工は0.5mm単位の繊細な作業です。
 


加工工程をご紹介しましょう。

まずは地域の仲間・マルワイ製材所さんより木材が搬入され、そこで納品検査をします。

加工に先立って木材の端を切落とします。

造作材は立てて保管されているため、木口(こぐち:木材の切り口)には小さな石が挟まっている場合があります。

そのまま削ると刃物が傷んでしまいますのでそれを取り除く大切な作業です。



続いて四角い断面の部材の2面を直角に削り縦×横の厚みを揃えます。



続いて溝加工。

建具の溝、プラスターボードの溝、他の部材を組み合わせるための溝、等々。

設計図と施工図を見ながら、一本一本丁寧に溝を加工します。

知識と根気と慎重さを要する作業です。

造作材加工の肝であり、「中島とつくる家」の肝でもあります。



造作材加工の最後は超仕上げ。
機械鉋(かんな)で表面を削ります。

桧や杉が一番香るのがこの作業です。

工場を訪れる外国人が一番感動するのもこの作業です。

それにしても“超”仕上げとは、近頃の若者が使う日本語のようなネーミングですね。


超仕上げが終わった部材を梱包します。

極力仕上げ面が内側になるように配置します。

梱包はラップで行います。

以前はビニールテープで縛っていましたが結び目のコブが部材に傷を付けるということで、最近ではラップで梱包しています。

こんな小さな改善の積み重ねの上に現在の品質があります。



こちらは各種の板材。
他の工場から購入するものもあります。

これらの造作材は、折を見てチャーター便で現場に直送します。


「中島とつくる家」で使用する樹種は主に岐阜県産の「東濃ひのき」と「長良すぎ」です。

他の産地の木材も利用しますが、ほとんどが国産材です。

最近の家づくりではMDF(木材を粉砕し圧縮成型した素材)の芯に塩ビのシートを貼り付け、木に似せてある内装建材が多く出回っています。

無垢材に比べ安価であるのも確かですし、既製品を採用すれば手配の手間もかかりません。

何より「それでいい」という建て主さんもたくさんいらっしゃると思います。

しかし何十年もかけて日本の山で育った木材がたくさんの人の手を経て住まいの一部になっているという物語や、木造建築のロマンはそこにはありません。

また国産材の利活用は日本の環境、経済、文化に関わる大切な行為であり、細やかではありますが日本の未来を創造する大切な術です。

日本の未来の礎を築いていく子供達には、是非とも無垢材に触れながら育って欲しいと願います。

さて、岐阜市の現場ではいよいよ16日から建て方が始まります。

約1週間の予定ですが、天候に大きく左右される屋外作業ですので、今から“日頃の行い”を正しています。
あとはテルテル坊主でしょうか。

ということで、次回の現場リポートは建て方工事の模様をお伝えします。


丹羽政雄