現場リポート REPORT

祝 上棟!



「ふるさとと繋がる家」は
一つの節目を迎えようとしています。

この地に嫁ぐ木材は
加工が完了し現場に搬入され、
基礎も養生期間を終え
次の工程を首を長くして待ち構えています。

そうです、いよいよ建て方が始まります。




土台伏せ



暫くは暑い日が続くとの
週間予報の中、
早朝から丸一日かけて
土台伏せを行いました。

午後からは全く日陰がなく
陽当たりが良すぎるのが
この時期はかなり辛いです。

土台は東濃ひのきの4寸角。

薄いピンク色をしていて
とてもいい匂いがします。

でもこの匂いが
害虫を寄せ付けないのですから
不思議ですよね。






建て方開始



現場監督の奥村晃弘くんが
我先にと一本目の柱を建てました。

午前中はこのように
東隣の住宅の陰があるのですが
今日も午後から暑くなりそうです。

でも熱中症対策は万全、
4日間の建て方がいよいよ始まりました。



先日木材検査を終えた木材は
加子母で加工され現場に搬入されました。

結婚式の当日に控室で待っている花嫁・・・
と言ったとこでしょうか。

そうです、嫁ぐ日は今日なんです。



建て方作業は4人の大工さんが、
柱一本一本、梁一本一本を
抜群の呼吸で組み上げていきます。

特に息が合っているのはこの二人、
何と言っても兄弟なのですから
それもそのはず。

中島工務店が住まいづくりを始めたころから
共に汗を流してきた竹本一派の二男と三男。
ちなみに長男も大工さん。
勿論、加子母の大工さんです。



「ふるさとと繋がる家」の棟梁は
二男の竹本正也さん。

東濃ひのきの柱に長良すぎが納まる瞬間、
この力強い眼差しが寸分の狂いのない
住まいづくりの原点です。



建て方が順調に進んでいく中、
二種類の大物が納まろうとしています。

まずは桧の丸太梁です。

これは設計した僕の拘りでもありますが、
奥様のお父さん(製材屋さんの社長)から
奮発していただいた
とっても重みのある丸太です。



そして東濃ひのきの大黒柱。
存在感のあるこの8寸角の大黒柱は、
リビングの吹抜けに建ち、
常にここに暮らすご家族を
見守ってくれるはずです。

木材検査でもひときわ目立っていた
これらの大物が納まり、
結婚披露宴はひとまず乾杯を迎えたと
言ったところでしょうか。



大物のあとは
細かなところを見てみましょう。

垂木(たるき)の成は4寸、
垂木を押さえるヒネリ金物は
全数に取り付けます。
 


屋根の妻(つま)は跳ね出し垂木。

妻側に母屋(もや)を見せない
構造にしたかったので、
工場で組んできたものを
現場で納めたのですが、
この部分は少し割高になってしまいました。

屋根断熱は
グラスロンウール(ボードタイプ)の
100mm厚。

通気層をとった上に
杉の野地板を張り込んでいきます。



屋根の仕上げ材がガルバリウム鋼板なので、
音や熱の緩衝材として
野地板の上にビルボードを敷き込みました。



そしてその上に
ゴム系アスファルトルーフィングの
シズレキ製アービアルーフを
水下(みずしも)から張り上げます。

このアービアルーフは主に
ガルバリウム鋼板が仕上げの
屋根の場合に使用します。



特に軒先やケラバの細部については
雨仕舞よくお納めなければなりません。

こうして4日間の建て方作業はひと段落、
ここまで来れば雨が降ろうが雪が降ろうが
上棟式は出来るでしょう。






上棟式



いよいよこの日、
無事に上棟式を迎えました。

まずはここまで
順調に作業を進めてくれた
棟梁をはじめ子方の大工さん、
そしてレッカーのオペレーターに
感謝いたします。

上棟式はご主人の父上、
そして奥様のご両親を迎え
厳かに執り行われました。

心に沁みる棟梁の祝詞は
深く耳に残るものでした。



上棟おめでとうございます!

こうして5年越しの住まいづくりは
一つの節目を迎えましたが、
笑顔あふれるこのご家族が一日も早く、
そして一日でも永くここに暮らすことを
切に願っています。

私たちは真心を込めて
そのお手伝いをしていきたいと思います。
 


上棟式が終わった現場は
静寂さを取り戻し、
粛々と進むであろう
次の工程を待っています。

このあとのリポートも
どうぞ楽しみにしていてくださいね。



来たる9月6日の日曜日、
ここ「ふるさとと繋がる家」では
お施主様のご厚意により
構造見学会を開催する運びとなりました。

予約制ではありますが
お近くの方も遠方の方も、
中島工務店が自慢とする
東濃ひのきや長良すぎを
ふんだんに使用した構造材を
是非ともご覧ください。

たくさんのご予約をお待ちしております。
 
 



設計・監理 小林尚長