現場リポート REPORT

通気胴縁・木ズリ・軒裏



今回の現場リポートは
通気胴縁・木ズリ・軒裏です。




通気胴縁



防水シートを貼り終わった外壁に
胴縁(どうぶち)と呼ばれる
幅40㎜・厚み15㎜の薄い木材を
縦方向に取り付けました。



この胴縁は通気胴縁と呼ばれ
壁の中に空気の通り道を作るために使用され
その空間を通気層と呼びます。
 
通気層は壁から屋根、
そして棟へと続いていき、
一番高い棟のところで
リッヂベンツと呼ばれる
棟換気口から外部に放出されます。

※棟換気については
現場リポート「上棟式・板金屋根工事」
ご覧ください。
 


棟部分の板金です。

リッチベンツは雨に濡れないように
板金で覆われているため見えませんが
通気ができるようになっています。

通気層があることで
壁・屋根の内部の湿気を通気して
乾燥状態を保ってくれ、
カビなどの発生を抑えます。

断熱材や気密シートは
通気層よりも内側に施工しているので、
通気層があっても
冷たい空気は室内には入ってきません。
 


 

木ズリ



通気胴縁を取り付けた上に
木ズリと呼ばれる
幅80㎜・厚み9㎜の薄い板を
横方向に取り付けました。



この木ズリは外壁の仕上げとなる
「そとん壁(左官)」を塗るための
下地になります。

木ズリは少しすき間を開けて
貼っていきます。

この隙間も通期のためのすき間で
通気層の空気の通り道となります。



 

壁仕様



壁の構成は外側から
①そとん壁(厚さ18㎜)
②透湿防水シート
③木ズリ(厚さ9㎜) 
④通気胴縁(厚さ15㎜)
⑤透湿防水シート 
⑥高性能グラスウール(厚さ42㎜)
⑦構造用合板 
⑧柱・高性能グラスウール14K
(厚さ85㎜・105㎜)
⑨防湿気密シート 
⑩石膏ボード
⑪内部壁仕上げ 
となっています。
 
⑧高性能グラスウール14Kは
柱と柱の間に断熱材を入れる
充填断熱と呼ばれる仕様です。

室内の壁の仕上げにより
85㎜と105㎜のどちらかを入れます。

※高性能グラスウールの「14K」については
現場リポート「内部断熱」をご覧ください。
 
⑥の付加断熱材を貼るときに
断熱を受ける木材を
横に取り付けていましたが、
その上に取り付ける通気胴縁は縦方向、
木ズリは横方向に取り付けています。
 


写真は付加断熱を取り付けた後の様子です。

それぞれの木材を横・縦・横と
交互に取り付けることで
よりしっかりと固定され、
ズレにくくなっています。

壁の厚みはすべて合わせると
外部側で96㎜・内部側14.5㎜となり
柱(120㎜)も合わせると
215.5㎜とかなり厚くなります。

この壁の厚みの中に
断熱・気密・防水・通気の
様々な工夫が詰まっています。



 

軒裏



屋根の軒裏に貼る杉板です。



現場に入ってから化粧となる表面に
塗装を行っています。

雨で濡れやすい木部には
水に強い塗料を塗る必要があります。

ドイツの塗料メーカー:
オスモのウッドステイン・プロテクター
という塗料を塗りました。
 


塗装を終えた材料を
軒裏に施工しました。

赤身・白太が分かれる材料ですが、
塗装したことで、
杉板の統一感が出てきました。

軒先に入っている隙間は、
屋根通気の取り入れ口です。

目の細かいステンレス網が貼ってあり、
虫・動物が入ることはありません。




東京支店 小此木恒