現場リポート REPORT

内部断熱



今回は最近、多くの住宅で注目されている
断熱・気密について少しお話します。
 




断熱・気密



どちらも住宅の室温・快適性に
関わってくることですが
役割が違います。
 
断熱は「熱」自体を保つのに必要で、
気密は暖かい(または涼しい)
「空気」を保つのに必要です。
 
分かりにくいかもしれないので、
ダウンジャケットをイメージしてください。
 
断熱は中に入っている羽毛です。
暖かそうです。
 
気密はファスナーや裾・袖の隙間です。
ファスナーが全開だと寒いままです。
 
両方揃って、
やっと本来の力を発揮できるのです。



 

UA値(外皮平均熱還流率)



断熱性能を数値化した値となります。
 
この他にQ値という値もありますが、
現在一般的に使われているのは
UA値なのでこちらを説明していきます。
 
UA値は
「建物が損失する熱量の合計 / 外皮面積」
で求められます。
 
簡単に言うと
外気に接している熱の伝わりやすさを
表しています。
 
低いほど断熱性が高い(良い)です。




 

ヒートブリッジ



断熱層で住宅を丸ごと包んで、
気密部材でしっかりと密閉することが
理想です。

断熱層が途切れた部分は
「ヒートブリッジ」と言って
熱が伝わりやすい箇所になります。

そのため、断熱・気密が
途切れていないことがかなり重要です。

第4回現場レポート「壁・床貼り」の
浴室周り断熱などで書いていますが、
基礎のパッキンの取り合いまでやります。
 





内部断熱施工



和室の西側の壁面(柱と柱の間)に
断熱材を充填し、
室内側に気密シートを貼っています。

気密テープが隙間なく
しっかりと貼れていることが
気密性の向上につながります。

断熱材は室内側に
高性能グラスウール14Kの
厚み85・105mm
(真壁85mm・大壁105mm)、
室外側(付加断熱)で
高性能グラスウール32Kの
厚み42mmです。
 
室内側の断熱材の厚みが異なるのは
壁の見せ方が違うためです。

真壁とは柱が室内側に見えてくる仕様で
大壁は見えてこない仕様です。

柱が見えてくる分、
壁の厚みが少し薄くなり、
断熱材も少し薄くなります。
 


高性能グラスウールの数字の後のKは
密度を表しています。
 
Kの前の数字が大きい方が密度が高く、
より断熱性に優れています。
 
気密については次回お話します。



東京支店 小此木恒