現場リポート REPORT

安江瓦店 安江丞司




01 中島工務店と安江瓦店



中島工務店には
40年近くお世話になっています。

日本全国、地球の裏まで
お仕事させて頂いております。

また中島社長をはじめ、社員の方々にも
加子母では仕事のみならず
あらゆる場面でご一緒させて頂き、
可愛がって頂いています。



02 強い瓦屋根



私の瓦職人としてのルーツは
阪神淡路大震災です。

当時、高校生だった私は休日に
親に連れられ修理の手伝いをしました。

屋根から落ちた多くの瓦を目の前にして
愕然としました。

どうしてこうなってしまったのか?
当時のその単純な疑問が
今日の強さを作り出してくれました。

震災後、
関西で中島工務店と共に安江瓦店も
数多くのお仕事をさせていただきました。

2018年の大阪北部地震・台風21号など
関西でも多くの自然災害と対峙しました。

しかし瓦の落下被害がほぼなかったのは
あの経験から今日に至るまでの
研鑽の日々があったからだと思います。

そして成長するための機会を作って頂いた
お客様と中島工務店には
感謝の気持ちでいっぱいです。



03 加子母の人々と森と家づくり


木のふるさとに長く暮らすと
少しずつわかってきます。

山に苗木を植え、育て、
切って麓まで出し、
切った後にまた苗木を植える。

簡単に思えるこのサイクルは
多くの人と多くの月日によって
紡がれています。

古くなったら壊して新しく。

経済は一時的に回るかもしれませんが
森のサイクルは追いつきません。

地球も追いつきません。

知らない場所で
無計画・無秩序に出された安いものは
知らない誰かを、
そしていつかは自分たちを
苦しめていくんだと思います。

国産材は高い、瓦は高い。
果たして本当の価値からすると
どうでしょうか?

自然と共に山を護る者。
技を継ぎ長く続く家を造る者。
大切に守り残していく者。

加子母にはそうやって何代にも引き継がれ
大切に住んでいる家が多く残っています。

今叫ばれる環境に対するあれこれは
少しの考え方で
変わるのではないかと思います。

天然素材は少し武骨で不完全かもしれません。
少し不便や我慢があるかもしれません。

でもその少しで
未来の澄んだ水や空気が手に入るなら
その価値はあると思います。

都会と田舎の屋根の瓦の上で四半世紀、
空気の変化を確かに感じてきました。

クリック一つ、タップ一つ、
簡単に短時間で安い物が
手に入ってしまう時代だからこそ
その時間を
その少しについて考える時間に変えてみたら
違う未来が見えてくるかもしれません。

これからも加子母から瓦工事を通して
家づくりの仲間たちと共に、
山から街へと本当の価値のあるものを
届けていきたいと思っています。

これからもよろしくお願いします!