現場リポート REPORT

ふるさとと繋がる家、さらに深く

名古屋市守山区。

ふるさと加子母から
この地に嫁いだ奥様。

奥様のご実家は加子母の製材屋さん。

桧や杉、様々な木材が製材される。
そして木材たちもここへ嫁いでくる。

こうしてまたふるさとと繋がる。

そんな住まいづくりが始まります。


5年前の2010年春、
名古屋市守山区での土地探しから
それは動き出しました。

地元の不動産会社から
様々な土地を紹介されるも
なかなか理想の土地がなく、
ようやく巡り合えたのがこの土地。

閑静な住宅街です。


間口は少し狭めですが奥行は十分あります。

前面道路は一方通行ではあるものの
インターロッキング敷きで
車の通行量は少ない。

造成したてで東隣の土地は
既に家づくりが始まっていました。

このタイミングで
家づくりが始まるはずだったのですが
突然のご主人の海外赴任のお知らせ。

悩んだ末に家族全員で
3年間の海外生活を決断され、
それまでこの土地は静かに
お休みすることになってしまいました。

とは言うものの、
その期間を大いに利用して
設計メンバーの知恵を借りながら
プランを進めることができましたし、
お盆やお正月の休暇や
お子さまの長期休暇などで
一時帰国された際には
プランの確認や
モデルハウスの見学なども
重ねてこれました。





設計業務委託契約



お盆休みを利用して帰国された際に
設計契約を交わし、
いよいよ実施設計が
本格的にスタートしました。

細かな部分はどうしても
詳細図面を描いてお見せしないと
理解していただくのは難しいので
描き上げていく図面は
60枚ほどになります。

ここからの打合せも
メールや国際電話を駆使し、
更に一時帰国の際も
中身の濃い検討を重ねていきました。





敷地調査及び役所調査


この日は敷地調査を実施し、
敷地周辺の地盤の高低差や
建物の位置や高さなどを
光波測量機を使って測量。

更に市役所や建設事務所等での
法律規制に関する調査も
同時に実施しました。

ここは幸いにも名古屋市内でも珍しく
防火指定の規制はないのですが
第一種低層住居専用地域のため
高さ制限が厳しく、
特に北側斜線には
充分注意しなければいけません。








現地確認


土地を購入して3年半、
隣の家では日常生活が始まり
建築地はこのように
草ボーボーになってしまいましたが
実施設計が完了し、
御見積書の提出も終え、
ご契約の準備が整いつつありました。




工事請負契約及び地鎮祭


大安吉日のこの日は
雨上がりの素晴らしいお天気になりました。

午前中には弊社長久手Studioにて
工事請負契約を交わし、
草ボーボーだった敷地は
前日にしっかり草刈りをして
地鎮祭の準備もばっちりです。



神官さんは
加子母水無神社の田口勇三宮司。

ようやくこの地での
住まいづくりが始まります。

心が引き締まるこの瞬間は
いつも新鮮に感じますし、
決意を新たにする時でもあります。



地鎮祭終了後は
建物の配置確認を実施。

設計図通りに張られた地縄を元に
隣地からの距離を確認したり、
設計GL(建物の地盤高)の確認をします。

北側斜線の規制がかかるので
特に北側の距離には注意をはかり、
お施主様にも充分な説明を行いました。

その結果いずれも設計図通りで
確定しました。




地盤調査



この日は
ジャパンホームシールド(JHS)による
地盤調査を実施。

スェーデン式サウンディング試験で実施する
この調査は通常5ポイントですが、
今回の設計は建物が南北に長く
6ポイントの調査となりました。

調査を見守っている限りでは
比較的浅い位置に
支持層がありそうな感触であり、
1時間ほどで調査は完了しましたが、
後日報告された解析結果は
表層改良と判明。

建物にとって最も重要な地盤は
基礎工事に先立って表層改良の準備に
取り掛かることになりました。

次回はその表層改良をリポートいたします。


 
設計・監理 小林尚長