現場リポート REPORT

社内完成検査



完成見学会の開催前に
建物が適正に施工されたか、
品質を確保できたか、
自信を持ってお見せするための
ヤマ場を越えなくてはなりません。

設備機器や、照明器具がついて
クリーニングが終わると
社内検査をします。

現場監督、設計担当、検査担当者が立会い、
微に入り細に入り仕上がりの確認から、
機器動作の不具合がないか、
また設計デザインの評価も交えて
ほぼ半日掛かりです。

担当の監督にとっては
終盤でバタバタとしながら
検査日を迎え緊張の一日となります。
 

「見せるは恥だが役に立つ」

某人気ドラマのタイトル風ですが、
注文住宅において
一邸一邸同じものがないので
つくり手として視点を多くして
ツブサに検証することで
得られるモノは大きいのです。
 


よくある手直しが必要な事例を
いくつか紹介します。

左官の引き傷。
ひとりでは気付かない細かなものも
複眼で見ると気づくものです。
 


床の杉板の凹み傷。
床養生を撤去した後によく見かけられます。

水を含ませた布に
アイロンの高温蒸気をあてると
かなりの確率で復活します。

お引き渡し後の処置としても
お手入れ方法としてお伝えしています。
 


キッチンカウンターと壁パネルの
取合い部分のちいさなスキマ。

ここはシール処理を施します。
 


浴室の出入り枠の取合い。

水の侵入を防ぐため
シール打ちを指示します。



階段は大工棟梁の仕事が
きっちりしていたので
スキのない仕上がりでした。

しかし昇降の際、
ミシミシときしみ音がするので
木と鉄部の競り合いを
サンドペーパーで調整します。
 


手直しの指摘だけではなく
設計的な評価もしていきます。

押入の布団専用収納部の床板を
すのこ状に仕上げています。

布団の通気を考慮すると
ベターな納まりとして評価されました。
 


キッチン収納側のカウンター。
 
アクセントとなる材は
丸太購入から製材、ハギ合せという
ストーリー性が含まれています。

そして仕上げ厚さは
全体のバランス、強度など
身体感覚での評価もしていきます。

小さなディテールの積み重ねが
全体の調子を整えていきますので、
線の太さで伝統的か現代的か
和が強いか洋が強いか、など
その家の持つ個性がにじみ出てくるのです。
 


玄関ドアの戸当たりの検討。

開き切りのハンドル当たりを
クローザー調整とするか
戸当たりを設けるかなど
使い勝手に関するところは
皆で意見交換をしていきます。
 


チェック項目と図面での照合、
手直し対策などを確認して
社内検査は終了しました。




東京支店