現場リポート REPORT

防蟻処理



今回の現場リポートは防蟻処理です。

水と並ぶ木材の天敵がシロアリです。





シロアリ



日本で有名なシロアリは
在来種のヤマトシロアリ・イエシロアリと
外来種のアメリカカンザイシロアリの
3種類です。
 
ヤマトシロアリは寒さに強く
北海道の北部を除く日本全国の
ほとんどの地域に生息しています。
 
イエシロアリは寒さに弱く
関東よりも南西に生息していますが、
温暖化の影響で北上してきているとも
いわれています。
 
アメリカカンザイシロアリのカンザイとは
「乾材」つまり乾いた木材のことで
他の2種類が湿った木材を好むのに対して
アメリカカンザイシロアリは
乾材を好みます。
 
今回は3種類の中で
最も被害が多いヤマトシロアリを中心に
成増の家での3つの対策を紹介します。



 

防蟻処理



基本的にヤマトシロアリは
基礎を登って侵入するか、
基礎のわずかな隙間などから侵入します。
 
そこで、侵入経路の近くに使われる
地上から1m部分の構造材(土台・柱)と
全ての大引き・間柱に塗布しています。
 
構造材と合わせて、
1階の床で使用する
構造用合板にも行います。

成増のいえの防蟻処理は、
材料を現場に運搬する前に
加子母のプレカット工場で行いました。

エコボロンというホウ酸が原料の
薬品を使用しています。

写真は構造用合板に塗布した後の様子です。

塗布した後は
細い木を間に咬ませながら重ねていき、
しばらく放置して乾燥させます。



建て方・外周部の壁が貼り終わった後で
現場監督の桂川さんが
プレカット工場で防蟻処理を行っていない
壁の合板や間柱に噴霧器を使い
エコボロンを塗布しました。



ホウ酸は、水に溶け出す成分のため、
外部に関しては屋根仕舞いが終わり、
雨が降らないタイミングを見計らって
壁の合板と胴縁に塗布しました。

手に持っているのが噴霧器です。

白いタンクにエコボロンを入れて蓋をし、
自転車の空気入れのように
ポンプで圧力をかけて使います。

内部と外部の両方に塗布するため、
何度も注ぎ足す必要があり
手間のかかる作業でしたが
なんとか終わりました。
 





基礎一体打ち



シロアリ対策の二つ目は
現場リポート「基礎工事」で紹介した
「一体打ち」という基礎の打設方法です。

通常の基礎は
スラブ(地面と接する平らな部分)と
立上り(外周部・内部)を
分けて打設しますが、
一体打ちはスラブと外周部の立上りを
一回で打設します。

一体で打つことにより、
スラブと立上りの打ち継ぎ部分に
亀裂やすき間が生じにくく
シロアリの入る可能性が低くなります。

通常の打設よりも技術が要求されますが、
古くからお付き合いのある職人さんが
上手に施工してくれました。
 





定期点検



三つ目は対策というよりも
早期発見に繋がる定期点検です。
 
弊社の定期点検は
1・2・5・10・15・20・25・30年と行い、
項目に沿って屋内・屋外など
いろいろな所を点検します。
 
項目の一つに床下に潜っての点検があり、
シロアリの発生状況や
蟻道(ぎどう)の有無も含め
基礎・土台の状態を確認しています。



 
東京支店 小此木恒