現場リポート REPORT

内装仕上げ



「城田寺のいえ」は外装工事を終え、
仮設足場が撤去されて
外観がお目見えしました。
 
建物周りもスッキリしましたので、
外部はいよいよ
外構工事に取り掛かっていきます。
 
一方、内部は建て方後は
棟梁がコツコツと造作を進めて来ていまして
夏の暑い日も換気をしながらも
マスクを着用して作業をしてくれました。
 
 
今回は内装の仕上げの様子を
ご覧いただきたいと思います。
 
内装工事は幅広い作業工程になりますが、
まずは各階の床仕上げです。
 


1階の床は
桧や杉のフローリングではなく、
ナラ三層フローリングt=15です。
 
傷が付きにくい素材とのご要望から
広葉樹のナラを採用しました。
 


張り上がると光沢のある
綺麗な仕上がりになります。
 
幅広の150mmなので高級感もありますし、
お値段も桧の上小節よりも高価になります。
 


張り上がりを確認したら
すぐに養生をして
次の作業に取り掛かります。



2階のフローリングは
カラーフロアt=12を採用しました。
 
「城田寺のいえ」は、
1階の仕様にコストを掛けた分、
2階の仕様はコストを抑えました。
 


1階の床に合わせて
2階もナラ柄にしましたが、
こちらも光沢があっていい仕上がりです。

こちらも1階と同様、
張り上がりを確認したら
すぐに養生をしていきます。



各階のフローリングを張り終えると、
次は階段掛けです。



階段材は2階の仕様に合わせて
建材を採用しました。
これもコストを抑えるためです。
 
全てスペックの高い仕様にしてしまうと
工事費全体が高価になってしまうため、
“中島とつくる家”では、
こういったメリハリを付けることは
よくあります。
 
階段も掛け終わったらすぐに養生です。
 
階段が出来るまでは
作業用の梯子で昇降していましたが、
階段が出来ると
階段を利用して昇降しますので
特に養生は入念にしなければなりません。
 


こちらは押入の壁を仕上げている様子です。
 
“中島とつくる家”では押入やクローゼット、
また納戸やウォークインクローゼットなど、
杉の赤特という無垢板を張って仕上げます。
 


板材が湿気を調節することによって、
収納する物をカビや虫などから
守ってくれるという効果があります。
 


こちらは脱衣室です。
脱衣室や洗面所は高野槇を張ります。
 
高野槇は脂身が多い樹種なので
他の板材より水に強い
という特徴があります。
 
また、とても香りが良く
入浴後はリラックスした気分に
させてくれます。
 


内装が板張りでないところは
プラスターボードを張って
仕上げの下地を造ります。
 
窓廻りは採寸してカットしたボードを
ピッタリ張っていきます。
 
建て方が終了してから4ヶ月、
断熱材入れ、建具枠、廻り縁、
巾木、造付家具や、和室造作といった、
幅広い作業をやってもらいましたが、
大工さんの造作工事はここまでです。
 
 
 
これは仕様決めの様子です。
 


水廻りの床、クロス、
左官床、左官壁などの仕様も
お施主様と一緒にひとつひとつ決めます。


パントリーと脱衣室の床は
水に強く掃除のし易い
フロアタイルを採用しました。
 
葦柄のフロアタイルは
見栄えも足触りも人気で
これまでも多く採用している柄です。
 
 

キッチンは石目調の
クッションフロアを貼りました。
 
当初コルクタイルをお勧めしましたが、
クッション性とコストを優先して
こちらを選択。
 
キッチンに合わせた色柄で
明るい雰囲気になりました。



2階の壁と天井の多くは
クロス仕上げです。
 
クロス貼りに先立ち
プラスターボードのジョイントと
ビス穴にはパテ処理をします。
 


そして各部屋で選んだ柄の
クロスを貼っていきます。



一方、左官屋さんも今か今かと
出番を待っていましたが、
ようやくその時が来ました。



玄関の床は“中島とつくる家”では
定番の豆砂利洗い出しです。
 
モルタルと豆砂利を
一緒に練り混ぜたものを鏝で押さえ、
適度に乾いてきたところで
スポンジで優しく表面を撫でるように
洗い出していきます。
 
決して洗い過ぎず、
かつ万遍なく表面を洗うことによって
美しい豆砂利が浮き出てきます。



1階の壁の多くは左官仕上げです。
ここでは中霧島壁ライトを採用しました。
 
火山灰(シラス)が原料のこの素材は
化学物質を含まないので
健康的な室内空間になります。
 
また、調湿機能や消臭効果などに
優れているので
常に快適な空気に包まれます。



仕上げのパターンはいくつかありますが、
コテの目仕上げを採用しました。
 
オーソドックスですが
明るいグレーでソフトな仕上がりの
一番飽きのこない仕上がりです。
 


こうして「城田寺のいえ」は
内外装ともに
完成に近づいてまいりました。
 
設備機器や照明器具の取り付けも
順次進められていきます。
 
 
 
次回は外構工事の様子を
リポートしたいと思います。
 
残りわずかとなってきました。
どうぞお見逃しなく!
 
 

 
設計・監理 小林尚長