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家づくり

2022年最新版
住宅資金贈与の非課税措置

住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。

今回のテーマは
「住宅資金の贈与税」です。



家づくりに際してご両親から
資金援助を受ける方は
たくさんいらっしゃいます。

国もそういった人たちのために
住宅資金を対象とした
贈与税の非課税措置を用意しています。

2022年は従来の優遇制度が延長された一方、
非課税枠である金額は
従来より縮小されました。

具体的には
2022年1月1日~2023年12月31日まで
省エネ等一定の基準を満たす住宅で
1000万円まで非課税です。

この記事では2022~2023年の
住宅資金贈与の非課税制度の
対象者・対象住宅・その他条件を
くわしく解説します。

家づくりに際して
資金援助を予定されている方は
参考にしてください。




この記事でわかること
□ 2022年住宅資金贈与の非課税枠金額
□ 非課税の対象となる条件
□ 住宅資金贈与の非課税手続き
□ よくある質問と回答



 
目次


1.2022年住宅資金贈与の全体像
2.一定基準を満たす住宅とは
3.対象の住宅

4.対象者:直系尊属とは?

5.贈与を受けた翌年の3月15日までに
  住宅取得が必須

6.住宅資金贈与の非課税措置の手続き
7.夫婦それぞれが贈与を受けたら
  非課税対象にある?

8.父と祖父から贈与を受けたら
  非課税対象になる?

9.新築するための土地の贈与は
  非課税対象になる?

10.暦年贈与はなくなるの?
11.住宅資金に関する税金は
  毎年最新情報のチェックを


 


まずは2022年の住宅資金贈与の
非課税枠の全体像を
国税庁の情報に基づいて
まとめておきましょう。
それではくわしく見ていきましょう。



非課税枠が1000万円が500万円かは
重大な違いですが
この違いを決めるのが
「一定基準を満たす」かどうか。

具体的には次の項目を満たせばOKです。

①断熱性能等級4以上
または一次エネルギー消費量等級4以上
②耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上
または免震建築物
③高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上
※②と③はいずれかを満たせばOK

上記を満たせば非課税枠は1000万円です。

それほど高い基準ではありませんので
現在建てられている新築住宅なら
ほぼクリア
できるでしょう。

とはいえ、
絶対ではありませんので
建築予定の住宅会社に
必ず確認してください。



こちらはあまり難しい内容はありません。

40㎡以上240㎡以下なので
一部のお屋敷を除いて
大半の住宅が対象になるでしょう。

「2分の1以上を居住用に」ということは
店舗や事務所併用住宅、
賃貸併用住宅もOK
ということです。

自宅でお店を開く人、
会社の事務所にする人、
建物の一部を賃貸住宅として
貸し出す予定の人も、
自分で住む住宅部分が2分の1以上あり、
かつそのほかの条件を満たしていれば
対象になります。



対象者のところでわかりにくいのは
「直系尊属」という言葉ですね。

直系尊属とは直系=直接の血縁で
自分より前の世代のこと。

つまり、一般的には
父母と祖父母が直系尊属です。

両親または祖父母からの贈与だけが
住宅資金贈与の非課税対象になる
というわけです。

叔父・叔母や配偶者の父母・祖父母は
含まれませんが、
養子縁組をしていれば対象になります。

同様に養子縁組の手続きをした
養父母も対象です。



もうひとつよく確認しておきたい要件が
「贈与を受けた翌年3月15日までに
住宅を新築等しなければならない」
というもの。

家づくりを計画し始めたら
早めに資金の段取りをしたくなるものですが
早すぎると贈与税の手続き上は
問題になってしまうかもしれません。

新築住宅の場合は
工期の遅れに注意しましょう。

例えば2023年2月末までに
完成・お引渡し予定で
2022年12月に贈与を受けた場合、
工期が遅れて
3月15日までに完成しなかったら
贈与税非課税の対象に
ならない場合があります。

もちろん少しでも遅れたら
即アウト!!なんてことはなく、
贈与税の申告時に居住できない理由と
入居予定時期を記載した書類を添付すれば
税務署もOKしてくれます。

とはいえ、あまりギリギリの
スケジュールにならないよう、
あらかじめ住宅会社に
「贈与税非課税手続きをする予定」である
ことを伝えておくとよいでしょう。

 

では実際にいつ、どのように
手続きすればよいのかというと、

決められた期間に国税庁の
確定申告書等作成コーナーを利用して
贈与税の申告を行います。

《時期》
贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日まで
例:2022年中に贈与を受けた場合、
2023年2月1日から3月15日まで

《申告先》
管轄の税務署
※住所地の管轄税務署は
国税庁ホームページで
郵便番号などから検索
できます

《申告方法》
国税庁のホームページにある
確定申告書等作成コーナーを利用すると
贈与額など必要事項を入力するだけで
自動計算されます。

入力項目が多いのでちょっと大変ですが
難しくはありませんので
やってみるのがおすすめです。

入力後はe-taxを利用できる方は
e-taxで提出することもできます
(ただしe-taxで
贈与税申告書の作成はできません。
作成は確定申告書等作成コーナーで
提出はe-taxですることになります)。

e-taxの利用には
電子証明書などが必要ですが
それらをお持ちでない場合は
確定申告書等作成コーナーで
つくった書類をプリントして
郵送することもできます。

確定申告書等作成コーナーで作成
→e-taxまたは郵送で提出


という流れになりますので
早めに準備しておきましょう。

《添付書類》
おもな添付書類は下記の通りです。
・贈与を受けた人の戸籍謄本、源泉徴収票
・工事請負契約書の写しなど
・登記事項証明書
・住宅性能証明など
 耐震性能等を証明する書類
※住宅会社にお願いすれば
 用意してくれます。

詳しくは
国税庁の住宅取得等資金の
非課税の添付書類一覧

を参照してください。

なお年度によっても
若干内容が変わる場合があります。
必ず最新情報を確認してください。

e-taxの場合は
PDF等での提出が認められています。

詳しくは国税庁ホームページにある
「添付書類のイメージデータを送信する」

を参考にしてください。

ネット上で申告できるようになり
ずいぶんラクにはなりましたが
それでも初めての深刻では
戸惑うことも多いものです。

不安なら早めに税務署に相談しましょう。
管轄の税務署に事前予約の上、
相談にいく
のがおすすめです!



ここからは住宅資金贈与の
非課税制度について
よくある質問にお答えします!

最初の質問はこちら

Q:夫婦がそれぞれ贈与を受けたら
二人とも住宅資金贈与の
非課税対象になるの?


A:なります。
ただし共有名義にしなければいけません。


ご主人がご主人の親御さんから、
奥様が奥様の親御さんからといった具合に
それぞれ直系尊属から贈与を受けた場合
ご主人と奥様がそれぞれ最大1000万円まで
非課税になります。

ただし、このときには
出資した(=支払った)金額に応じた割合で
共有名義にしなければいけません。

住宅資金贈与の非課税制度と
直接関係はありませんが
共有名義にした場合には
デメリットもあります。

くわしくはこちらの記事をご覧ください。
住宅取得資金の税金対策



Q:父と祖父から
住宅資金の贈与を受けた場合、
両方とも住宅資金贈与の
非課税対象になりますか?


A:贈与を受けた
合計金額1000万円までが
非課税対象になります。


住宅資金贈与の非課税枠は贈与を受けた
合計金額1000万円までが対象です。

お父様から800万円、
おじい様から500万円の
合計1300万円を贈与された場合、
1300万円のうち、
1000万円が非課税になり
残り300万円は課税されます。



Q:父が所有する土地を贈与するから
家を建てなさいと言ってくれましたが
贈与税非課税対象になりますか?


A:なりません。
住宅資金贈与の非課税対象は
現金のみです。


親御さんが
「所有している土地をあげるから
家を建てなさい」って
よくありますよね。

残念ながら土地や建物など不動産は
住宅資金贈与の非課税対象ではないので
「あげるから」と言われて
もらってしまったら贈与税がかかります。

土地や建物などを
親御さんから受け取るときには
①きちんと代金を払って購入する
②いったん親御さんとの共有名義にして
 相続時精算課税制度を利用する
③使用貸借として親の名義のまま
 無償で借りる
のいずれかの対応をしましょう。

共有名義、相続時精算課税制度については
先ほど紹介した記事をご覧ください。
住宅取得資金の税金対策

使用貸借については
下記の記事を参考にしてください。
親の土地に家を建てるとき注意したいこと


Q:暦年贈与はなくなると聞きましたが
本当ですか?


A:2022年にはなくなりませんが
いずれなくなりそうです(予想)。


「毎年110万円までの贈与なら
贈与税がかからない」というのが
暦年贈与です。

相続税対策として利用されることがあるほか
住宅資金贈与の代わりに
「まとめて渡すと贈与税がかかるから
110万円ずつ長期間にわたって渡す」
といった方法をとるご家庭もあります。

ですが、この制度には批判もあり
「令和4年度税制改正大綱」では
暦年贈与の廃止要望が提出されていました。

そのため「暦年贈与が廃止になる!?」と
話題になりましたが、
結果的に2022年は存続されています。

とはいえ、
高所得者や資産家に有利だとされる
暦年贈与制度には批判も多いため、
いずれは廃止される
という見方も多くあります。

住宅資金代わりに110万円ずつ
長期間渡すことにしていたご家庭では
「予定がくるった!」となる
可能性
もあります。

税制改正に注意しておきましょう。



住宅資金贈与の非課税制度について
解説してきました。

税金って難しいですよね。

でも、住宅資金贈与の非課税枠が
拡大されたり縮小されたりするほか
暦年贈与の話のように
税制は毎年変化します。

また住宅取得のような
まとまったお金が動くときには
税務署もしっかりチェックします。

毎年、最新の情報を集めて
適切に納税できるよう準備しましょう。

中島工務店では住宅資金やライフプラン、
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