家づくり
構造見学会の見るべきポイント
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
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今回のテーマは「構造見学会」です。
住宅の見学会はおもに2種類あります。
完成した建物を見ていただく「完成見学会」と
建築途中に建物が完成したら見えなくなる
構造を見ていただく「構造見学会」です。
建築途中に建物が完成したら見えなくなる
構造を見ていただく「構造見学会」です。
長く暮らす家を納得して建てるためには
どちらも大事って思いますよね?
でも、
構造見学会って人気がないんです・・・。
耐震性や断熱性を気にする人は多いのに、
なぜだかあまり足を運んでいただけません。
理由の検証はできていないんですが、
仮説としては
「理屈はもうわかってる。
実物を見たところで
それ以上のことはわからない」
と思われているからではないか
と考えています。
いまどき、構造や耐震、断熱について
説明しない会社なんてありませんから、
お客様も一通り説明は受けているはずです。
さらに興味のある方は、
ネットを駆使して
各社の説明内容を確認したり
比較したりもしているはず。
確かにそれで理屈は十分わかります。
図解で見た構造を現場で実際に見たところで、
より納得はするかもしれませんが
新たな発見はあまりないでしょう。
となると
「わざわざ行かなくてもいいんじゃない」
となっても不思議はありません。
「わざわざ行かなくてもいいんじゃない」
となっても不思議はありません。
でも、
構造見学会で本当に見るべきところは
そこじゃないんです。
私たちは構造見学会こそ
参加してほしいと思っています。
なぜって、構造を見れば
その住宅会社の家づくりに対する姿勢
そのものがわかるから。
今日は当社の構造見学会を例に、
その理由をお話しします。
その理由をお話しします。
目次
1.構造見学会ってこんな感じ
2.その会社の施工ルールって?
3.施工ルールの例①
仕口の納め方
4.施工ルールの例②
気密シートの施工方法
5.施工ルールの例③
完成したら見えなくなる部分の先行塗装
6.構造見学会に参加したら
来場されたお客様と
スタッフが立っている部分は
床の下地が見えている状態です。
開催時の現場の進捗状況によりますが
スタッフが立っている部分は
床の下地が見えている状態です。
開催時の現場の進捗状況によりますが
耐力面材や断熱材、床の下地、
それに壁部分の柱など
家が完成したら見えなくなる部分を
見ていただくことができます。
それに壁部分の柱など
家が完成したら見えなくなる部分を
見ていただくことができます。
会場内には耐震や断熱に関わる部材なども
あわせて展示しています。
また、写真を見て頂くとわかるように
お客様1組に対して
スタッフ1名がついて説明を行います。
当社のデータでは
構造見学会に来られたお客様の滞在時間は
90分以上が6割。
60分未満で帰られるお客様はおらず、
じっくりと説明を聞いておられることが
よくわかります。
では、90分もいったい
何を説明しているのか。
何を説明しているのか。
よくある
「構造見学会のチェックポイント」
等のようなサイトには
「基礎の工法は?」
「断熱材は何を使っているのか」
「柱や梁の樹種は?太さは?」
といったことが書かれていますが、
そういったことはもちろん説明します。
それら構造の基本に加えて
私たちがお話ししているのは、
現場で見なくちゃわからない
自社の施工ルールです。
これこそしっかりと聞いていただきたい
ポイントなんです!
一般的に住宅会社が
構造について説明するのは、
だいたいこの部分です。
でも実際に家を建てるためには、
そんな大枠の決まりごとを
カタチにするための
細かな施工ルールがあり、
今回注目したいのはそこなんです。
例えば断熱材。
断熱材は、壁の中に隅々まで
隙間なく施工されていて
初めて100%の性能を発揮します。
どれほど高性能な断熱材を採用していても、
施工時に隙間ができてしまったら
十分な性能を発揮できません。
だから、住宅会社はもちろん
隙間なく施工しようとするわけですが、
そのためにはただ
「隙間なく施工してください」と
指示するだけではいけません。
具体的に「このように施工する」
というルールを定めて
(断熱材メーカーの施工マニュアル
+自社の住宅に合わせたルール)、
検査基準なども設けて、
必要な性能を担保するしくみを
つくらなくてはいけないのです。
とはいえ、施工精度を上げるには
それなりの技術を持った職人が必要ですし、
当然コストもかかります。
それぞれの部位について
どの程度チカラを入れるかは、
その会社しだい。
これが、構造見学会に行けば
その会社の家づくりに対する姿勢がわかる
という理由です。
では、施工ルールって具体的に
どんなところを見ればいいのでしょうか?
参考までに、
当社が構造見学会で説明している内容を
少しだけ公開しちゃいます。
隙間なく施工されていて
初めて100%の性能を発揮します。
どれほど高性能な断熱材を採用していても、
施工時に隙間ができてしまったら
十分な性能を発揮できません。
だから、住宅会社はもちろん
隙間なく施工しようとするわけですが、
そのためにはただ
「隙間なく施工してください」と
指示するだけではいけません。
具体的に「このように施工する」
というルールを定めて
(断熱材メーカーの施工マニュアル
+自社の住宅に合わせたルール)、
検査基準なども設けて、
必要な性能を担保するしくみを
つくらなくてはいけないのです。
とはいえ、施工精度を上げるには
それなりの技術を持った職人が必要ですし、
当然コストもかかります。
それぞれの部位について
どの程度チカラを入れるかは、
その会社しだい。
これが、構造見学会に行けば
その会社の家づくりに対する姿勢がわかる
という理由です。
では、施工ルールって具体的に
どんなところを見ればいいのでしょうか?
参考までに、
当社が構造見学会で説明している内容を
少しだけ公開しちゃいます。
この横向きの部材を「窓台」といい、
赤い丸印のところを「仕口」といいます
(これに限らず、部材と部材の接合部分を
仕口といいます)。
赤い丸印のところを「仕口」といいます
(これに限らず、部材と部材の接合部分を
仕口といいます)。
見ていただくとわかる通り、
柱を少し削って(「しゃくり」といいます)
窓台が差し込まれるように
接合されています。
コレ、しゃくらずに
ビスで固定することもできるんですが、
ひと手間かけてこのように納めることで
耐久性の向上を図っています。
住宅の中には複数の部材を
接合しなくてはいけないところが
たくさんありますよね。
構造見学会では、
それぞれの仕口をどのように納めているのか
自分の目で見てみてください。
気密シートAと気密シートBを
テープCでつないで
断熱材を完全に覆ってしまう
という手順なんですが。
上の写真を見ると、
気密シートAが梁の上にありますよね。
こうするためには、
建前のときにあらかじめ
この部分に気密シートAを
張っておかなくてはいけません。
(建前というのは柱や梁などの
骨組みを組み上げる工程で、
気密シートの施工は建前の
ずっと後の工程です)
住宅会社の中にはこのひと手間を省いて
梁にテープで張ってしまう
というところもあるようですが、
ここでひと手間かけることによって
気密性を向上させているというわけです。
上の写真の板が
下の写真のように施工されるのですが。
下の写真のように施工されるのですが。
見てほしいのは、
上の写真の赤い点線で囲まれた部分です。
ココ、下の写真で
矢印が指している部分になるんですが、
ここを施工前に塗装しているのが
ポイントです。
矢印の部分は、
家が完成したときには
木と木が重なり合っていて見えません。
でも、時間が経つと木はどうしても
乾燥が進んで収縮してしまいます。
そうなったときに
この矢印の部分に隙間ができて、
上の写真の赤枠の部分が
見えてきてしまうんです。
もしここを塗装していなかったら、
黒い軒天の隙間に木の白っぽい色が見えて
不格好ですよね。
そうならないように、
当社では外部木部は
先行塗装しているわけです。
外部木部は張ってから
塗装する会社が多いようですが、
このひと手間が
数年後の見映えにつながっているのです。
実際の構造見学会では、
もっともっといろんなことを
お話しています。
もっともっといろんなことを
お話しています。
だから皆さん90分以上も滞在して、
納得して帰って行かれるんです。
どんな住宅会社でも、
施工の随所にひと手間かけている場合は、
おそらく尋ねなくても
その会社のスタッフさんが
説明してくれると思います。
「説明しない」というのも
その会社の姿勢のひとつですから、
積極的な説明があったかどうか、
さらにその内容をドリームノートに
書き留めておくとよいと思います。
ドリームノートに書き留めた
各社の内容を比較し、
自分にとって一番納得がいく会社に
高い点数をつけて住宅会社選びの
めやすのひとつとしてご活用ください。
ドリームノートについては
下記の記事をご覧ください。
下記の記事をご覧ください。