私たちは、ブドウやスイカそしてイチゴなどの果物を、実が熟れるのを待って収穫します。
中でもイチゴは、実が赤くなって糖度が高まるので収穫時期が明確です。
4月から6月にかけて収穫しますが、暑い時よりも気温が低い時の方が美味しくなると言われ、冬期でも栽培されるようになりました。
しかし、気温が寒い時は赤く熟すまでの日数が多くかかったりします。
中でもイチゴは、実が赤くなって糖度が高まるので収穫時期が明確です。
4月から6月にかけて収穫しますが、暑い時よりも気温が低い時の方が美味しくなると言われ、冬期でも栽培されるようになりました。
しかし、気温が寒い時は赤く熟すまでの日数が多くかかったりします。

また、スイカは、収穫時期が見た目だけでははっきりしないので困ります。
スイカの収穫は、受粉した日から35~40日だと知られていますが、受粉の日をハチ(蜂)などの昆虫類にお任せすると確認ができていないのでわかりません。
また、苗を植えてから85~ 90日ほどが収穫に適しているとも言われますが、生育の善し悪しで判断に困ります。
このブドウやイチゴなどの果物やキャベツや大根など農作物は、一般の農家では、その農作物の植え付けは、都会に住んでいる子供や孫たちが夏休みなど帰郷した時に収穫できるよう、生育日数を考えて植えつけしているのです。
スイカの収穫は、受粉した日から35~40日だと知られていますが、受粉の日をハチ(蜂)などの昆虫類にお任せすると確認ができていないのでわかりません。
また、苗を植えてから85~ 90日ほどが収穫に適しているとも言われますが、生育の善し悪しで判断に困ります。
このブドウやイチゴなどの果物やキャベツや大根など農作物は、一般の農家では、その農作物の植え付けは、都会に住んでいる子供や孫たちが夏休みなど帰郷した時に収穫できるよう、生育日数を考えて植えつけしているのです。

さて、それでは森が熟れるのは何時でしよう。
森林の収穫時期はいったい何時なのか。
日本では、戦中戦後の乱伐によって荒廃した森林を、国を挙げて緑化してきました。昭和30~ 50年代には、スギやヒノキを中心に1千万ヘクタールの森林を造ってきました。これらの人工林はいま、林齢(林の年齢)が50~ 6 O年になって、林業白書(森林及び林業の動向:林野庁)では、「本格的な利用が可能な段階に入った森林資源」と表現しています。
森林には、人間が苗を植えて造った人工林と人手が加えられていない天然生林があり、人工林の収穫期について考えることとしましょう。
森林所有者は、住宅等の建築用材や家具などにするため、スキやヒノキを中心に生産目標を立て、成長に合わせて間伐して密度を調整しながら収穫時期を50年あるいは6〇年として大切に育ててきました。日本の森林所有形態のほとんどが零細な所有面積となっており、森林所有者は、その多くがマイホームを建て替えるための用材として、或は、娘が嫁ぐときのお嫁入りの準備資金とするために植林をした例が多いのです。
そして時代は40年、50年と進み、その間に外材の輸入によって木材価格は、昭和55年をピークに低下傾向に推移し、平成13年のスギの立木価格はピーク時の3分の1にまで急激な下落となり、国民の皆さんの国産材離れなどもあって林業全体が哀退してしまいました。

私が林野庁に勤務していた時代は、日本が最も木材を必要とした時代と重なり、大量の木材が国内の森林から供給されました。
国内の木材の収穫量の決定は、林政を大きく左右する重要なことでした。
戦後の復興と高度に経済が発展する段階で、豊富であった天然林の蓄積量は見る見るうちに減少しました。日本の森林面積は、2,500万ヘクタールで(国土の67 %)、当時も今も変わりませんが、伐採が進んだ後の当時の森林資源は現在と異なり、若い森林が圧倒的に多く、収穫量を確保するのは簡単ではありませんでした。
農作物のように、ほぼ1年で収穫できるのに比べて、森林は生産期間が長いうえ多様な森林となっており、継続的・安定的に、しかも「未来永劫」絶えることなく収穫し続けられる伐採量を定めなければなりません。
水源涵養や土砂崩壊を防ぐなど公益的機能との調和を図り、科学的な知見と森づくり思想・理念に則った森林の取扱いを行うなど、森づくりの基本的な考え方に基づいて伐採量(収穫量)を求めるのです。
森林経営には「保続性の原則」はとても重要です。資源が常に蓄えられていて安定的に収穫が可能になることが必要です。この様な状態を「法正状態」といいます。その前提として自然に合った森林の取扱い(合自然性の原則)があることは言うまでもありません。
森林を食いつぶさないように伐採量を算出する方法は、成長する量だけ伐採する成長量法や面積平分法など、各種の方法や理論があります。林学ではこうした学問を「森林経理学」(forest management)といい、明治21年、志賀泰山(1854~1934 ::物理学者、科学者、林学者)が外国留学を終えて当時の東京帝国大学農科大学林学科で論議されたのが始まりと言われています。森林経理学では、林業経営における収益性の原則はじめ、経済性、生産性、福祉、合自然性の原則のほかに、水資源の涵養・国土保全及び自然環境保全等の原則など指導原則といわれるものがあって、特に、「保続性の原則」は重要とされてきました。
当時、名古屋営林局に所属していた私は、保続表法という国有林独特の保続計算方法を採用し、大きな計算用紙に向かって夜遅くまで反復して計算した懐かしい思い出があります。その後、コンピュータで計算するよう取り組みました。
森林の収穫時期はいったい何時なのか。
日本では、戦中戦後の乱伐によって荒廃した森林を、国を挙げて緑化してきました。昭和30~ 50年代には、スギやヒノキを中心に1千万ヘクタールの森林を造ってきました。これらの人工林はいま、林齢(林の年齢)が50~ 6 O年になって、林業白書(森林及び林業の動向:林野庁)では、「本格的な利用が可能な段階に入った森林資源」と表現しています。
森林には、人間が苗を植えて造った人工林と人手が加えられていない天然生林があり、人工林の収穫期について考えることとしましょう。
森林所有者は、住宅等の建築用材や家具などにするため、スキやヒノキを中心に生産目標を立て、成長に合わせて間伐して密度を調整しながら収穫時期を50年あるいは6〇年として大切に育ててきました。日本の森林所有形態のほとんどが零細な所有面積となっており、森林所有者は、その多くがマイホームを建て替えるための用材として、或は、娘が嫁ぐときのお嫁入りの準備資金とするために植林をした例が多いのです。
そして時代は40年、50年と進み、その間に外材の輸入によって木材価格は、昭和55年をピークに低下傾向に推移し、平成13年のスギの立木価格はピーク時の3分の1にまで急激な下落となり、国民の皆さんの国産材離れなどもあって林業全体が哀退してしまいました。

私が林野庁に勤務していた時代は、日本が最も木材を必要とした時代と重なり、大量の木材が国内の森林から供給されました。
国内の木材の収穫量の決定は、林政を大きく左右する重要なことでした。
戦後の復興と高度に経済が発展する段階で、豊富であった天然林の蓄積量は見る見るうちに減少しました。日本の森林面積は、2,500万ヘクタールで(国土の67 %)、当時も今も変わりませんが、伐採が進んだ後の当時の森林資源は現在と異なり、若い森林が圧倒的に多く、収穫量を確保するのは簡単ではありませんでした。
農作物のように、ほぼ1年で収穫できるのに比べて、森林は生産期間が長いうえ多様な森林となっており、継続的・安定的に、しかも「未来永劫」絶えることなく収穫し続けられる伐採量を定めなければなりません。
水源涵養や土砂崩壊を防ぐなど公益的機能との調和を図り、科学的な知見と森づくり思想・理念に則った森林の取扱いを行うなど、森づくりの基本的な考え方に基づいて伐採量(収穫量)を求めるのです。
森林経営には「保続性の原則」はとても重要です。資源が常に蓄えられていて安定的に収穫が可能になることが必要です。この様な状態を「法正状態」といいます。その前提として自然に合った森林の取扱い(合自然性の原則)があることは言うまでもありません。
森林を食いつぶさないように伐採量を算出する方法は、成長する量だけ伐採する成長量法や面積平分法など、各種の方法や理論があります。林学ではこうした学問を「森林経理学」(forest management)といい、明治21年、志賀泰山(1854~1934 ::物理学者、科学者、林学者)が外国留学を終えて当時の東京帝国大学農科大学林学科で論議されたのが始まりと言われています。森林経理学では、林業経営における収益性の原則はじめ、経済性、生産性、福祉、合自然性の原則のほかに、水資源の涵養・国土保全及び自然環境保全等の原則など指導原則といわれるものがあって、特に、「保続性の原則」は重要とされてきました。
当時、名古屋営林局に所属していた私は、保続表法という国有林独特の保続計算方法を採用し、大きな計算用紙に向かって夜遅くまで反復して計算した懐かしい思い出があります。その後、コンピュータで計算するよう取り組みました。
さて、森林が最も熟れるとき、それは、少し専門的になりますが、「伐期総平均成長量の年平均が最大の時」としていました。
例えは、伐採するときの総材積(間伐量を含む)を年数で除した量が最大となった時、つまり1年分の収量が最も多い時期としたのでした。
理論的にはこの様に規定されていますが、当然、現場においては利用価値を考慮して、柱材や板材などそれぞれ適した大きさになっているかどうかを判断して決定するのは当然です。
木材の良いところは、収穫の適期が過ぎたとしても木材は農作物のように腐ってしまうことはありません。むしろ木材は、年齢が古くなったときに生まれた細胞ほど、住宅用材や家具材として使われても曲がったり狂ったりしないのです。
いま、日本の森林は、1千万ヘクタールが「熟れた状態」となりました。国産材の利用は徐々に拡大していますが、おそらく、私たち人類は近い将来、豊かに実った森林の全てを使い尽くすのでしよう。人類は、これまで資源を使い尽くして来た歴史が示すように、木材も例外ではありません。
今、それより重要なこと(気になること)は、使い果たした後の森林を誰が担うのでしょう。
それを考えることが重要ではないでしようか。
中島工務店総合研究所 中川 護
例えは、伐採するときの総材積(間伐量を含む)を年数で除した量が最大となった時、つまり1年分の収量が最も多い時期としたのでした。
理論的にはこの様に規定されていますが、当然、現場においては利用価値を考慮して、柱材や板材などそれぞれ適した大きさになっているかどうかを判断して決定するのは当然です。
木材の良いところは、収穫の適期が過ぎたとしても木材は農作物のように腐ってしまうことはありません。むしろ木材は、年齢が古くなったときに生まれた細胞ほど、住宅用材や家具材として使われても曲がったり狂ったりしないのです。
いま、日本の森林は、1千万ヘクタールが「熟れた状態」となりました。国産材の利用は徐々に拡大していますが、おそらく、私たち人類は近い将来、豊かに実った森林の全てを使い尽くすのでしよう。人類は、これまで資源を使い尽くして来た歴史が示すように、木材も例外ではありません。
今、それより重要なこと(気になること)は、使い果たした後の森林を誰が担うのでしょう。
それを考えることが重要ではないでしようか。
中島工務店総合研究所 中川 護
