設計
間取りの希望の伝え方
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
今回のテーマは
「間取りの希望の伝え方」です。
家を建てようと考え始めてから
いろんなモデルハウスを見学したり、
雑誌やインターネットで
好みの住まいの画像を集めたり。
家族で語り合ってきた夢が初めて
「絵」になって見られるんです。
家は設計にもとづいてつくられるので、
ここでお客様の気持ちを
しっかりと汲み取ることができなければ、
どんなに一生懸命に建てたとしても
満足して住んでいただくことはできません。
ただ、なんといっても
初めての家づくりですから、
どういうふうに伝えたら
どんな結果になるのかなんて
やってみなきゃわかりません。
でも、一生に一度の家づくりです。
「やってみなきゃわからない」
なんて言ってないで、
しっかりと希望を伝えたいですよね。
最初に、プロがどのように
プランを考えるのかを確認しましょう。
そこに希望がうまく伝わらない理由が
隠れています。
それを踏まえた上で、
プロからの
「こんなふうに伝えてくれたら
わかりやすい」という
アドバイスをご紹介します。
家づくりのヒントをお話しするブログ。
今回のテーマは
「間取りの希望の伝え方」です。
家づくりの長いプロセスの中でも
「設計が一番楽しい」と言われるお客様は
たくさんいらっしゃいます。
「設計が一番楽しい」と言われるお客様は
たくさんいらっしゃいます。
家を建てようと考え始めてから
いろんなモデルハウスを見学したり、
雑誌やインターネットで
好みの住まいの画像を集めたり。
家族で語り合ってきた夢が初めて
「絵」になって見られるんです。
楽しいに決まってますよね!
私たち住宅会社にとって、
設計は家づくりの要です。
設計は家づくりの要です。
家は設計にもとづいてつくられるので、
ここでお客様の気持ちを
しっかりと汲み取ることができなければ、
どんなに一生懸命に建てたとしても
満足して住んでいただくことはできません。
逆にいうと、
お客様にとっては設計のときに
気持ちを十分に伝えていないと
納得できる家はできないということです。
お客様にとっては設計のときに
気持ちを十分に伝えていないと
納得できる家はできないということです。
ただ、なんといっても
初めての家づくりですから、
どういうふうに伝えたら
どんな結果になるのかなんて
やってみなきゃわかりません。
でも、一生に一度の家づくりです。
「やってみなきゃわからない」
なんて言ってないで、
しっかりと希望を伝えたいですよね。
というわけで、今回は
「どうすれば十分に希望を伝えられるのか」
がテーマです。
「どうすれば十分に希望を伝えられるのか」
がテーマです。
最初に、プロがどのように
プランを考えるのかを確認しましょう。
そこに希望がうまく伝わらない理由が
隠れています。
それを踏まえた上で、
プロからの
「こんなふうに伝えてくれたら
わかりやすい」という
アドバイスをご紹介します。
目次
1.プロのプランの考え方
2.家づくりの希望の伝え方
①設計士と直接話そう
3.家づくりの希望の伝え方
②家族一人ひとりが本音を話そう
家づくりの計画について、
お客様は「間取りを考える」
と言われることが多いのですが、
私たちプロは「プランを考える」
と言います。
お客様は「間取りを考える」
と言われることが多いのですが、
私たちプロは「プランを考える」
と言います。
この違いがお客様の希望が
伝わらないことがある理由の
ひとつではないかと思います。
お客様と私たちプロの違いは
考えるときの視点の数です。
考えるときの視点の数です。
お客様が家づくりの希望を考える場合、
それは新しい家で
どんな暮らしをしたいかを
考えることにほかなりません。
だから、どこにどのくらいの大きさの
どんな部屋がほしいのかを描いて
「仕事から帰ったらここで着替えて、
ここで食事をして・・・」と
考えるのがわかりやすいですよね。
お客様が間取りを考えるのは、
希望を整理する上で正解です。
一方、私たちプロが家を計画するときには
おもにこんなことを考えます。
おもにこんなことを考えます。
□構造
□外観、特にファザード
(道路からどのように見えるか)
(道路からどのように見えるか)
□間取り、空間の使い方
構造、これは大事です。
長く暮らす上で重要な耐震性や耐久性は
構造で決まる部分が大きいですから、
柱や梁、壁をどのように配置するかは
慎重に考えなくてはいけません。
構造で決まる部分が大きいですから、
柱や梁、壁をどのように配置するかは
慎重に考えなくてはいけません。
当社のように木の柱や梁を
室内に見せるデザインの場合は、
どこにどんな種類・太さの柱や梁を
配置するかによって
空間のイメージそのものが変わってきます。
外観を考えるときには、
特にファザード
=道路からどのように見えるか
に留意します。
特にファザード
=道路からどのように見えるか
に留意します。
外観は住む人の顔ですから、
お客様のイメージに合い、
しかも周辺の街並みにも
似合うように考えていきます。
ときには設計士が敷地を訪れて、
じっと周辺を眺めながら
考えることもあります。
そして、もちろん間取りです。
お客様の希望が一番多いのがここですから
上手に組み立てなくてはいけません。
上手に組み立てなくてはいけません。
陽射しや風の取り入れ方、
窓から見える風景などもよ~く考えます。
窓から見える風景などもよ~く考えます。
しかも、これらは常に同時に
考える必要があります。
考える必要があります。
「お客様の希望に合った間取りにしたら、
構造が崩れてしまった・・・」
なんてことになっては困りますから。
プランのときに考えることは
ほかにもたくさんあります。
ほかにもたくさんあります。
法的規制や周辺環境などは
プランの前に調査済ですから、
例えば建ぺい率(※注1)や
北側斜線(※注2)などは
当然頭に入っています。
お客様の予算のこともしっかり考慮し、
10年後、20年後のご家族や
周辺環境の変化なども
大事な検討ポイントです。
考えなくてはいけないことは
まだまだありますが、
このようにたくさんの異なる
重要な視点から同時に考えながら
ひとつの建物にまとめていくのが
プランなのです。
※注1 建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合。
※注2 北側斜線:北側隣地の日照を確保するために、
建物の高さや屋根の勾配が制限される。
建物の高さや屋根の勾配が制限される。
複数の条件をまとめあげる
ということは・・・
ということは・・・
そう!
どうしても優先順位を
つけなくてはいけないんです。
すべての条件が同時に満たされる
なんてことはまずありませんから。
そして、お客様がプランを見たときに
「希望がちゃんと伝わっていない」
と思う原因のひとつが、
この優先順位です。
お客様の希望を無視して
プランをしようなんて考える
設計士はいませんが、
その優先順位を間違えてしまったら
まったく違うプランになってしまうんです。
つまり、お客様の要望の優先順位が
設計士にはっきりと伝わっていればいるほど
期待どおりかそれ以上のプランができる
可能性が高くなるというわけです。
じゃあ、実際どうすればいいのでしょうか。
当社の設計士に聞いてみました。
優先順位どーの以前の
アドバイスになりますが
実際にプランを考えてくれる設計士と
直接話すことが大切です。
たいていの住宅会社は
プランの前にお客様の希望を
聞き取る時間を設けます。
ヒアリング、インタビューなどと
呼ばれることが多いようですね。
住宅会社によっては
このヒアリングを営業担当者が行って
後で内容を設計担当者に伝える
という場合もあります。
それが絶対にだめ
というわけではありませんが
どうしても伝言ゲームのように
誤解が生まれるもとになります。
優先順位だけでなく、
希望そのものが誤って
伝わることもありますので、
設計担当者と直接話すのがよいでしょう。
いざ具体的な希望を相談し始めたら、
家族の中で意見が一致しない・・・
よくあることです。
家族の中で意見が一致しない・・・
よくあることです。
家族といっても抱いている夢は
人それぞれですし、
家の中での過ごし方もそれぞれ違うので
すべてが一致するはずがありません。
ヒアリングの最中にご夫婦で
「え?そんなこと考えてたの!?」と
なるのもめずらしくないんです。
そんなときどうするか。
まずはご家族一人ひとりが
本音を言うことが大切です。
本音を言うことが大切です。
家族の中で意見が違うとわかったとき、
あるいはきっと違うだろうなと
予想できるとき、
自分ではない誰かの気持ちを尊重して
自分の意見を控えようとする方が
いらっしゃいます。
それはご家族に対する思いやりなので
とても大切ではありますが、
家づくりのときには敢えて
率直な気持ちを言ってみてください。
家は、一度建てたら
何十年も暮らす場所です。
何十年も暮らす場所です。
自分なりに納得して
言わなかったはずのことが、
のちのち悔やまれてならない
ということもあるんですから。
これから長い年月を
一緒に暮らしていく家です。
一緒に暮らしていく家です。
お互いに納得できることが一番ですから
ヒアリングの前にご家族で
お互いの意見を話し合っておくと
よいでしょう。
でも、それで意見が
まとまらなかったときには
「私はAだと思う。
妻はBがいいと思っている」というように
誰がどう思っているのかを
率直に設計士に伝えてください。
それをうまくまとめるのも
設計士の腕のみせどころです。
模型をつくって検討することもあります。
それでも一度は本音を伝えてみてください。
思わぬよいプランを
提案してもらえるかもしれません。
もちろん、すべての希望を
叶えられるわけではありませんから、
結果的に家族の誰かの希望を
あきらめなくてはいけないこともあります。
叶えられるわけではありませんから、
結果的に家族の誰かの希望を
あきらめなくてはいけないこともあります。
それでも一度は本音を伝えてみてください。
思わぬよいプランを
提案してもらえるかもしれません。
では、設計士がご家族一人ひとりの
希望をお聞きした末に、
たくさんある希望の中で
優先順位をつけなくてはいけないとき
どうするか。
希望をお聞きした末に、
たくさんある希望の中で
優先順位をつけなくてはいけないとき
どうするか。
法的規制や構造上の条件は
どうしても最優先になります。
どうしても最優先になります。
ここだけはできないものはできない
という話になってしまいますが、
法律的に問題がなく、
お施主様にも近隣の方にも
安心・安全に暮らしていただくために
ご理解いただきたいと思います。
次に、上記には当てはまらないけど、
たくさんある希望を
取捨選択するときにどうするか。
たくさんある希望を
取捨選択するときにどうするか。
最終的に、最初のプランを出すときには
設計士が構造・外観・間取り・動線・
予算・その他諸々を考え合わせて
優先順位を判断します。
そのプランを見ながら
改めて希望を聞いて修正・・・
ということになるんですが。
どうしても譲れないことは
ぜひ最初にはっきりと言っておきましょう。
すると設計士にとって
優先順位がはっきりするので、
お客様の希望と様々な条件を
しっかりと考え合わせたプランを
つくれる可能性が高くなります。
何度も言いますが、
プランを考えるときには
構造・外観・間取り・動線・予算など、
すごくたくさんのことを
同時に考慮しなくてはいけません。
このときに何を優先するかは
全体の方向性を導く羅針盤のようなもの。
羅針盤が間違っていたら、
正しい方向に進むはずがありませんよね。
家づくりに寄せるたくさんの想いを
できるだけよいカタチにまとめるために、
言いたいことは全部言いながらも、
羅針盤になる“どうしても譲れないこと”
だけはご家族の間で共有し、
設計士にもはっきりと伝えましょう。
4つ目に希望を表現する方法について
ご紹介します。
頭の中にあるイメージを言葉で
伝えるのってすごく難しいですよね。
もしドリームノートを描いていたなら
それを見せていただくのが一番です。
※ドリームノートについては
こちらの記事をご覧ください。
>注文住宅の業者選びのコツ
また、よく言われることですが
雑誌の切り抜きや
インターネットで見つけた画像を
見せるのはやはり有効です。
間取り図を描いてみるのもいいですね。
お客様が描かれた間取り図を
そのまま参考にすることはありませんが
(しつこいですが、構造など
いろんな観点から考えないといけないので
そのままは使えないんです)、
お客様がどんなことを思っているのかを
知る手がかりにはなります。
そのまま参考にすることはありませんが
(しつこいですが、構造など
いろんな観点から考えないといけないので
そのままは使えないんです)、
お客様がどんなことを思っているのかを
知る手がかりにはなります。
例えば、お客様が描かれた間取り図で
洗面所やトイレが
リビングから遠いところにあったら
「家族がくつろぐ場所と水廻りは
適度に離しておきたいんだな」
という具合に、
なんとなく思っていることが
絵を通して伝わります。
一生に一度の家づくりですから、
いろんな希望を叶えたいと思うのは
当たり前。
いろんな希望を叶えたいと思うのは
当たり前。
その気持ちをできるだけ誤解なく
伝えるためのアドバイスを
ご紹介してきました。
最後に、もうひとつだけ
とても大切なことをお伝えします。
とても大切なことをお伝えします。
プロの提案に耳を傾けましょう。
家づくりを始めると
叶えたい希望は
とめどなく溢れてくるものですし、
「絶対これがいい」といった強い想いを
持つようになることもあります。
それでもプロが
「やめた方がいい」「こうした方がいい」
と言ったときには、
ぜひしっかりと耳を傾けてください。
プロの意見は、
それまでに建ててきた何百棟もの
家で培ってきた経験と知識に
裏打ちされています。
言われたときには「え?」と
思うようなことでも、
実際に暮らしてみると
「言われたとおりにしてよかった!」
ということがたくさんあります。
自分たちの希望に加えて
家づくりのプロの知識や経験を
上手に活かして、
よりよい家づくりを
していただきたいと思います。