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床下点検口の有効活用


 
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
 
今回のテーマは
「床下点検口の有効活用」です。
 
建築後の点検やメンテナンスのために
必要な床下点検口。

洗面脱衣室など比較的目立たず、
上に家具等を置かない場所に
設置されていることと思います。

床下って室内に比べて低温で
気温の変動も少ないので
食品などの保存庫にピッタリ!

ということで、今回は
この床下点検口を収納として
活用する方法をご紹介します。

そのままモノを入れてもいいんですが
今回はちょっとした台車をつくって
もっと使いやすくしてみましょう。

せっかくなので
梅酒と梅干しをつくって
実際に保存してみたので、
あわせてご覧ください。



目次


1.断熱床下点検口
2.台車を使って広々収納にしよう
3.梅を収穫しよう
4.梅酒をつくろう
5.梅干をつくろう
6.梅干に赤しそを追加

 

 


中島工務店では
YPCの断熱床下点検口を
標準採用しています。

単体で見るとこういう感じです。

建物の地面に接する部分の断熱には
①床断熱
②基礎断熱
の2種類があります。

①床断熱
大引や根太のあいだに断熱材を入れる方法。
床組みのすぐ下に断熱材が入っていると
イメージしてください。
 
②基礎断熱
基礎の外周部に断熱材を張る方法。
基礎の外側に張る場合と
内側に張る場合があります。

それぞれに
メリット・デメリットがありますが、
それはまた別の機会に取り上げるとして、
中島工務店の標準仕様は床断熱です。
 
つまり床部分で
きちんと断熱することが大切なので、
床の一部である床下点検口にも
断熱性能が必要というわけです。
※基礎断熱については社内で検証中です
(2018年6月現在)。
床断熱施工状況(当社施工事例)
また、基礎断熱の場合は基礎の中、
つまり床下も
室内と同様の環境(気温)になり、
床断熱の場合の床下のように
ひんやりとした場所にはなりません。

基礎断熱の場合の床下は
食品保存庫には適さないので
注意が必要です。

長久手Studioの床下点検口がこちら。
 
長久手Studioでは収納スペースの奥に
床下点検口を設けています。

はずした後の写真になっていますが、
開いている蓋の内側に
断熱蓋が付いています。

ここにカゴのようなものを設置して
床下収納庫にすることもできますが、
敢えてこのままにした方が広く使える
というのが今回のご提案です。

実際にやってみましょう。

 

 


収納カゴを入れない方が
床下を広く使えるとはいっても、
手が届かないところまで
モノを入れても不便なだけ。

ということで、台車の登場です。

カンタンにつくってみました。

まずはテキトーな大きさの板に
キャスターを取り付けます。

キャスター取り付けの方法は
こちらの記事をご覧ください。
60分でつくれる木製テレビ台

このままでもいいんですが、
上に置くモノの落下防止のため
周囲に角材を取り付けます。

板の外周にサイズを合わせて切って、
ビスで留めるだけ。

最後に穴をあけて紐を通して完成!

紐をつけたことにより、
床下の見えないところまで押し込んでも
引っ張り出せるようになりました。

では、実際に梅酒と梅干しをつくって
収納してみましょう!

 

 


今回使う梅は
スタッフが所有する山に生えているもの。

え、収穫から!?って感じですが、
中島工務店の本社がある
岐阜県中津川市加子母では
住民の多くが山を所有しています
(今回の山は加子母の隣の付知町ですが)。

ですから、加子母のあたりでは
6月に梅を収穫して
梅酒や梅干しをつくる人はたくさんいて、
初夏の風物詩になっています。

今年、付知では
梅の花が咲く時期が遅かったそうで
ほぼ桜と同じ頃に咲いたとか。

(ハイ、その頃からこの記事のために
写真撮影始めてました・・・
ご協力いただいたスタッフさん、
ありがとうございます^ ^;)

実がついたのも遅く、
なかなか熟さなかったので
「ちょっと早いかな~」
というくらいの時期に
収穫せざるを得なくなりました。

梅の収穫グッズはこちら。
腰にカゴをつけて収穫していきます。

いっぱい採れました!!

それでは場所を長久手Studioに移して、
梅酒からつくっていきましょう。


 


梅のほかに用意するものはこれだけ。
瓶、ホワイトリカー、氷砂糖です。

まずはつまようじなどを使って
梅のヘタを取り除きます。

今回、梅の熟し方が足りなくて
やや固めだったので、
実際にはフォークでがんばりました
(つまようじ折れた・・・)。

きれいに洗って乾燥させましょう
(拭いてもOK)。
 
縁側ってこういうとき便利ですよね。
さっき台車をつくったのもここです。

あとは材料を瓶に入れるだけ。
 
梅と氷砂糖を少しずつ
交互に入れていくのがポイントです。

できました!
床下点検口の中へ保存します。

台車に載せず、
ポンと置くとこんな感じ。

このサイズの瓶だとだいたい
10本くらいは置けそうですね。

梅酒は年単位で保存するので、
フタに日付を貼っておきました。

 

 


続いて梅干しです。
 
ヘタを取り除いて
乾燥するところまでは同じです。

梅が乾いたら塩をまぶします。

塩の量は梅の重量の
10~20%といわれますが、
今回は10%でやってみました。
梅1kg、塩100gです。

甕の中は、
あらかじめ焼酎で拭いて
消毒しておきましょう。
 
そして梅と塩を入れるだけ。

梅の上にフタになるもの
(今回は小皿2枚)を載せて、
おもりとして石を載せて完了!

こちらは台車に載せて
床下点検口に入れてみました。

紐が届く限り、
奥まで入れても大丈夫です。

紐の長さしだいでかなり奥まで
広々と使えるようになりました。

コレ、実際やると思っている以上に
便利なのでぜひやってみてください。

梅酒が飲めるようになるのは
少なくとも半年先、実際のところ1年先。

梅干しももうしばらくしたら赤しそを入れて
さらに漬かるのをじっと待ちます。

出来上がってきたらまた追記します!

 


梅干しに赤しそを追加してみました。
 
といっても、実は諸事情により
入手できるはずだった赤しそが手に入らず
もみしそを使用しました。

これでもうしばらく待ちます。
 
ちなみに赤しそを入れる前に
試食してみたんですが・・・
塩辛い!!!!

分量通り、梅の重量の10%の塩しか
入れてないのになんで???