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60分でできる木製テレビ台

住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。

今回のテーマは
「木製テレビ台をつくろう」です。



ナチュラルな木の家に住みたいという人には
DIY好きが多い!ということで始まった
『建築屋さんのDIY講座』。

初回がなかなか人気でしたので
勢いに乗って2回目いってみます!

初回の記事はこちら
IKEAの鏡の取り付け方


今回はDIY入門編としておすすめの
テレビ台づくりです。

板を切る・穴をあける・ビスで留める
といった基本的な技術に加えて
角取り・サンダー掛け・パテ埋めなど
仕上がりにちょっとプロ感を出す技

ご紹介していきます。

タイトルに60分と書きましたが
実演してくれた現場監督は30分足らずで
つくってしまいました。


初心者でも挑戦しやすいですし、
寸法やデザインを変えると
いろんな棚に応用できるので
参考にしてみてください!




目次


1.道具と材料を用意する
2.板材を切って角をきれいに仕上げる
3.キャスターを取り付ける

4.本体を組み立てる

5.細かいところを仕上げる

 



今回つくるのはこちら、
杉の集成材の板でできた
2段のテレビ台です。
 



下の段は本体に固定されておらず、
キャスターがついていて
手前に引き出せるようになっています。

というのも、
今回は長久手Studioスタッフが
実際に「ほしい!」という
テレビ台をつくってみたから。

下の段にはプリンタとパソコンを置くそうで
出し入れできなきゃいけないんです。

実際の使い方に合わせてつくれるのが
DIYのいいところですよね!

では、今回使う道具を確認しましょう。
 


左端:スライド丸鋸
黒い箱:インパクトドライバー
右の青い箱:マルチツール
(サンダー掛けに使用)
※サンドペーパーで代用OK。
その右:丸鋸
その下のオレンジ:延長コード
その左:かなづち、
(腰袋で見えないけど)かんな
※こちらもサンドペーパーで代用OK。
その左:ほうきとちりとり

 
そしてビス。
こんなコレクションでなくていいです、
必要なサイズ・数を用意してください。

今回はキャスターを留めつけるのに
短めのビスを8本、
本体の板材どうしを留めつけるのに
長めのビスを6本使用しました。
 


材料は
板材とキャスター、
ビスキャップ、
クッションフェルト。

全部ホームセンターで揃います。

板材については次の項目で
詳しくご紹介します。




まずは板材の加工から。
今回は杉の集成材を
スライド丸鋸で切りそろえました。
 



スライド丸鋸を使うときの注意事項は
手袋をしないこと

プロでも手袋が巻き込まれて
ケガをすることがあるので、
この作業は素手で
手元をよく見ながらやってください。

とはいっても、
自宅にスライド丸鋸があるという人も
少ないですよね
(DIYがんばるなら買うと便利ですが)。
 
通常は丸鋸で切るか、
ホームセンターで板を購入し
その場でカットしてもらうのが
よいでしょう。
 
板材は切りっぱなしだと角がとがってますし
トゲトゲザラザラしているので
きれいにしていきましょう。

かんなで角を軽く削ってから
マルチツールでサンダーをかけました。
 


ビフォーアフターはこんな感じ



とってもきれいになりました。
 
はい、自宅にかんなありませんよね
(道具のところで紹介したかなづちは
かんなの調整に使ったので
ふつうはいりません・・・)。

マルチツールもあると便利ですが、
あまり持ってないでしょう。

その場合は手で
サンドペーパーをかけてください。
時間はかかりますが、
同じようにきれいになります。
 
板材が揃いました!
 



下の段の板の裏側に
キャスターを取り付けましょう。

取り付け位置に
鉛筆でしるしをつけます。
 


今回は使い方を考慮して
前後にだけ動くキャスターを選びました。

くるくる360度動くキャスターもありますが
前後にだけ動いてほしいときには
適しませんので注意して選びましょう。
 
ビスで留めていきます。
ビスを打つときには
下穴をあけておく
のがポイントです。

下穴とは、ビスを打つところに
インパクトドライバーに
細い木工用のキリをつけて
あけておく細い穴のこと。

いきなりビスを打つより
木が割れにくくなるので、
ぜひひと手間かけてみてください。
 


4つのキャスターを全部取り付けて
鉛筆の線を消したら、下の段は完成です。



先ほどと同じように
横の板(脚になる部分)を
くっつける位置を確認して
鉛筆でしるしをつけたら
こちらも下穴をあけていきます。

小さな穴があいているのわかりますか?
 



ここにビスを打っていくわけですが
ここでひと工夫。

ビスキャップをつけるための
大きい穴
をつくります。

インパクトドライバーに
10mmの木工用のキリをつけて
下穴を中心に深さ5㎜ほどの
穴をつくります。



ここに再びインパクトで
ビスを打っていき・・・



ビスキャップをはめるとこんな感じ。



ビスキャップをするだけで
ビスの頭が見えなくなって
すてきな仕上がりになりました!

今回は木の色に合わせましたが
ビスキャップにはいろんな色があるので
あえて違う色にしても
おしゃれかもしれません。

なお、横の板をつけるときは
2枚の板を垂直に
固定しておかなくてはいけないので
2人での作業となりました。


これで一応使えるかたちにはなりましたが
プロらしく?もう少し細かいところを
仕上げていきましょう。

まずは脚にクッションフェルトを
貼っていきます。

クッションフェルトは四隅をカットすると
プロっぽさが増し、はがれにくくなります。
 


最後にパテ埋めに挑戦しましょう。

木の種類にもよりますが
木工は作業しているあいだに
どうしても木にキズがついてしまいます。

特に今回はやわらかい杉だったので
ちょっと裏返して置いたりしただけで
細かいキズが避けられません。

これを補修するかしないかで
仕上がりが違ってくるので
ぜひ最後にひと手間かけてみてください!

使うのはこちら、
木材補修用のパテです。



ヘラにパテをとって
キズを埋めていきます。

パテが表面で盛り上がってしまわないよう
しっかり平らにならしてください。
(盛り上がっていると仕上げが大変です)

小さなキズを埋めるくらいなら
10分ほどで乾くので
サンダーで仕上げましょう。
もちろんサンドペーパーでもOKです。



できました~!!!



今回のテレビ台は
初心者でも比較的失敗しにくく、
DIYの基本的な技術が身につく作品です。

これからチャレンジしたい!という方は
この辺から始めてみてはいかがでしょうか。