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設計

アイランドキッチンの使い勝手


 
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
 
今回のテーマは
「みんなで料理できるキッチン Vol.2」です。
 
Vol.1はこちらをご覧ください。
みんなで料理できる
 キッチンづくりのポイント

 
上の記事では
LITTLE KASHIMOのキッチンを例に
栗きんとんをつくりながら
「みんなで料理できるキッチン」の
ポイントをご紹介しました。

LITTLE KASHIMOのキッチンは
ペニンシュラ型。

三方から作業台を囲むことができるので
作業しやすいのが特長でした。

そして今回、長久手Studio
アイランド型のキッチンを使って
再び栗きんとんづくりにチャレンジ!

アイランドキッチンの使い勝手を
レポートします。

ちなみに、
なぜ毎回栗きんとんなのかというと・・・
中島工務店では秋がくると
中津川名物・栗きんとんをつくるのが
恒例だから!

栗きんとんはレシピそのものは難しくなく
栗そのものの味を活かすので
誰がつくってもそれなりにおいしくて、
みんなで楽しみながらつくるのに
ピッタリなんです。
 
昨年とはちょっとだけ
つくりかたを変えてみたので
こちらもあわせてご覧ください。


目次


1.長久手Studioのアイランドキッチン
2.栗きんとんづくり2018
3.実践レポート


 


 


最初に、長久手Studioの
アイランドキッチンの特徴をご紹介します。

長久手Studioにはキッチンが
事務所・モデルハウス・セミナールームに
それぞれ1つ、全部で3つあります。

お客様にいろいろ比較していただけるように
すべて違うタイプでつくってあり、
アイランドキッチンは
セミナールームに採用されました。

というのも、セミナールームは
地域の人に貸し出しているスペースで、
たくさんの人が集まって
利用することを想定しているから
みんなで囲めるアイランド型が
最適なんです。

こちらがそのキッチンです。
アイランドキッチンの中でも、
シンクと作業台だけ
アイランド部分にあるタイプ
です。

このタイプのメリットは、
コンロ(IHクッキングヒーター)が
背面部分にあるため
アイランド部分の頭上に
レンジフードを設置しなくてよくなり、
空間がすっきり広くなる
こと。
 
アイランド部分にコンロがあるタイプでは
どうしても天井からレンジフードを
下ろしてこなくてはいけませんから。
 
汚れが気になるコンロ部分を
背面に配置すれば
来客の目につきにくくなるのも
ちょっと助かるところかもしれません。
アイランド部分にコンロもシンクもあるタイプ
(このくらい空間が広いと
レンジフードも気になりませんね・・・)
アイランド部分のサイズは
幅186cm、奥行97cm。
 
LITTLE KASHIMOのキッチンと
奥行は同じですが、
幅が74cm小さいことになります。

一方でLITTLE KASHIMOのキッチンは
ペニンシュラ部分にコンロもあるので、
火を気にしなくてよい分も含めると
作業スペースとしては
こちらの方が広く
使いやすいかもしれません。

なお、このキッチンは
完全オリジナルではなく
メーカー既製品の面材(扉材)だけ
桧に張り替えたもの。

メーカー品の使い勝手と
空間に合わせた桧のデザイン性を
両立する方法で、
完全オリジナルで製作するより
コストも抑えることができます。

さて!
まずは栗きんとんづくりをひと通り見て、
それからそのプロセスで
アイランドキッチンの使い勝手が
どうだったか確認しましょう。

 

 


栗きんとんづくりは
栗拾いから始まります。

今回使用した栗は
中津川の山で採れたもの。

場所を長久手Studioに移して、
拾ってきた栗を選別しましょう。

水に浸して浮いてきたものは
虫食いなので取り除いたら、
茹でていきます。

今回は栗1キロ(皮をむいた後の重量)で
40分ほど茹でました。

このへんのやり方は前回と同じ。
 
栗を半分に切って
中身をスプーンで取り出します。


皮から取り出した栗に
グラニュー糖を混ぜます。
ここが前回と違うところ。

前回はしっとり仕上げるため
粉砂糖を使いましたが、
今回はグラニュー糖。

グラニュー糖をすりつぶしたのが
粉砂糖なので味は同じですが、
粒の大きさが違うから
食感が違ってくるんです。
 
グラニュー糖は粉砂糖に比べて
溶けにくいので弱火で温めながら
栗となじませていきます。
グラニュー糖は栗の重量の10~15%

このあと一部を裏ごししてみたんですが、
裏ごしするとなめらかになりすぎて
栗の食感がなくなってしまうと判明。
 
ちょっとゴロゴロ感が残っていてこそ
栗きんとんだということで
みんなが一致しました。

グラニュー糖が混ざったら
てぬぐいで包んで茶巾絞り。

ハイ、できました!

では、この作業プロセスの中で
アイランドキッチンの使い勝手が
どうだったか検証してみましょう。


 


実は栗きんとんづくりを始めた頃、
ちょうどモデルハウス見学のお客様が
来場されました。

ということで、
栗を茹でて中身を取り出すところまでは
事務所のキッチンでやったんです。

事務所のキッチンは
一般的なカウンター型です。
長久手Studio事務所のキッチン
3人で作業していたのですが、
ここに3人だと1人はほぼシンクの上で
作業することになってしまい、
やはりやや狭いと言わざるを得ません。

このタイプのキッチンは
2人までが限界だと実感しました。

その後、
グラニュー糖を入れるタイミングから
セミナールームのアイランドキッチンに
移動しました。

が、グラニュー糖を入れて
火にかけるプロセスは1人で担当したので
あまりアイランドキッチンのメリットは
感じられません。

というか、1人で作業するには
やや広すぎるような・・・。

1人で使うのがほとんどなら、
アイランドキッチンでも
シンクとコンロ両方を
アイランド部分に配置するなど
もう少しコンパクトにした方が
使いやすいかもしれません。


一方、栗を絞るところからは
スタッフ4名ほどが参加。

下の写真では
男性3名が作業台を囲んでいますが、
まだまだ余裕があって
あと数人は参加できそうです。

やはりホームパーティー向きですね。

もうひとつ、
ペニンシュラ型との違いは動線です。

ペニンシュラ型は
一辺が壁なので片方からしか
まわりこむことができないのに対し、
アイランド型は周囲を
ぐるぐるまわることができます。

アイランド型なら、
例えばシンク側が混み合っていたら
コンロ側をまわれるので
多人数で作業するときには便利なのですが
その反面動線が交錯しやすく
気をつけないとぶつかる心配もあります。

逆にいえば、
ペニンシュラ型の方がやや不自由だけれど
壁側にいれば比較的
落ち着いて作業できますから、
火を使うのにはより安心できるでしょう。

実際に暮らしている
お客様の声を聞いてみると、
二世帯同居などで
普段から2人以上がキッチンに立つ
というご家庭ではやはり
両側から出入りできるアイランド型が
とても使いやすいとのこと。

私たちも今回複数名で作業してみて
アイランド型の使いやすさを
実感しましたので、
多人数でキッチンを囲むことが
それなりにありそうなら
アイランドキッチンを検討してみても
よいのではないでしょうか。