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自分でできる木の家のお手入れ


 
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
 
今日のテーマは
「木の家のお手入れ」です。
 
家づくりを検討中のお客様や
建てて間もないお客様から
よく相談をいただくのが、
木の家のお手入れ方法。

大切な我が家だから
しっかりお手入れしたいものの、
これまで無垢の木の家に住んだことがなくて
わからない・・・という方が多いようです。

また、レンジフードのお掃除など
賃貸暮らしだとほとんどやらないような
設備のお手入れも、
新築を機に挑戦しよう!と思われるようで
いろいろな質問をいただきます。
 
そこで今回はよく質問をいただく
①無垢の床のキズの補修方法
②レンジフードのお掃除のしかた

それに見落としがちな箇所として
③給気口のフィルターのお手入れ方法を
ご紹介します。
 
さらに、中島工務店のような
和の住まいによく使われている
④障子の補修方法
⑤まゆはな(照明)の電球交換
も取り上げます。

実際に長久手Studioでやってみましたので
参考にしてみてください。



この記事でわかること
□ 無垢の床のキズの補修方法
□ 住まいのお手入れ方法
 ・レンジフード
 ・給気口フィルター
 ・障子
□ まゆはな(照明)の電球交換方法

 
目次


1.無垢の床のキズの補修方法
2.レンジフードのお掃除方法
3.給気口フィルターのお手入れ方法

4.障子の補修方法

5.まゆはな(照明)の電球交換
6.自分でできることを分けて考えよう

 


 


とにかくよく質問をいただくのが
無垢の床のキズの補修方法。

確かに杉や桧の床は
建材のフローリングに比べて
やわらかく足触りがよいですが、
その分キズもつきやすく、
お手入れが気になる気持ちは
よくわかります。

キズも味わいとはいえ、
やっぱりできることなら
キレイにしておきたいですもんね。

今回は長久手Studio2階の
杉の床で試してみましたが・・・

びっくりするくらい
キズがついてますね~。

いえ、わかりやすく
キズだらけのところを
選んだんですけどね。

長久手Studioはモデルハウスですし、
またヨガなどの講座に貸し出していて
不特定多数が出入りしているので
キズだらけになってしまいましたが、
一般家庭ではここまでなることは
まずありませんので安心してください。

では早速、このキズを
補修していきましょう。

水を吸うと膨らむという
木の性質を活かして補修します。

要するに木に水を含ませて
へこんだ部分を膨らませよう!
ということなんですが、
今回は2種類のやり方を
試してみました。

まずアイロンを使ったやりかた。

水をたっぷり含ませた布巾を
キズの上に置いてアイロンで温めます。

スチームアイロンだとより効果的。
 
布巾が乾いてきたらもう一度濡らして、
またアイロンで温めます。

温める時間は
床の状態によって異なりますが、
今回は15分ほど温めました。

実際にはキズの膨らみ具合を見ながら
判断してください。

もうひとつの方法、
スチームクリーナーでもやってみましょう。

皆様ご存知、
ケルヒャーのスチームクリーナー
(公式サイトでは2万円台~、
メルカリだと1万円しないものも
ありますね)。

アイロンの場合と同様に
専用のマイクロファイバークロスを
取り付けてスチームを噴射します。

上の画像で白い煙のように
見えているのがスチームです。

スチームの量は
アイロンよりかなり多めですが、
この機種の弱点?は
連続噴射時間が6分しかないこと
(軽量コンパクトが売りなので仕方ない。
大容量タイプもあります)。

さらに冷めるまで本体を開けて
水を足すことができないので、
ちょっと時間がかかってしまいます。

さて、気になる補修の
仕上がり具合ですが・・・。

2カ所やってみましたので、
それぞれビフォーアフターを
比べてみましょう。

1カ所目
キズが薄くなったのがわかりますか?
 
撮影時間が違うので
(床が乾くのを待っていたら
日が暮れました・・・)
やや木の色も違って見えますが、
へこみ具合が随分マシになったのが
わかると思います。

アフターの方が
全体的に白っぽく見えるのは
塗料も一緒に剥がしてしまったから。

もう1カ所見てみましょう。
こちらの方が深いキズがありました。


深いキズは残念ながら
見た目でわかるほどには
補修できていませんが、
触るとかなり木が膨らんだことが
わかります。
 
深いキズの周りにある
細かなキズはかなり薄くなりました。
このあと塗料を塗って完成です。

今回ご紹介した方法で浅いキズなら
かなり薄くできることがわかりました。

上の画像ほどキズだらけになる前に
こまめにお手入れすれば
かなりキレイな状態を保てそうです。

この方法ではどうしようもないくらい
キズがついてしまった場合には、
プロにお願いして一度表面を削るという
方法もあります。
 
詳しくはこちらの記事をご覧ください
(塗料の塗り方も紹介しています)。
無垢の床のメンテナンス


 


次はレンジフードです。
 
今回お掃除したのは
長久手Studioの事務所の
キッチンのレンジフード。

メーカーは富士工業さんです。

レンジフードでお掃除したい箇所は
おもに2つ、
①表面と②内部のシロッコファンです。

表面は市販の油汚れ用洗剤で
拭けばいいので今回は割愛。
シロッコファンを洗っていきましょう。

まずは整流板をはずして、
内部のシロッコファンを取り外します。

このとき、危険なので
必ずレンジフードの電源を
オフにしておいてください。

取り外し方は
レンジフードの機種によって
異なりますので、
取扱説明書などを参照してください。

今回の機種の場合は、
取り外し方が本体に貼ってありました。

機種が違っても基本的に
ファンの中央につまみ状のモノがあって
「ゆるむ」方向にまわせばはずれるので、
難しくはありません。

後は汚れを落とすのみ!

シロッコファンはその形状ゆえ、
どうしても羽根の部分に油が付着して
その上にさらにホコリが
付着しやすくなっています。

その油とホコリを落とせばいいわけですが
今回はそれほど汚れがひどくなかったので
洗剤付きのスチールウールのたわしで
磨いてみました。

あまり力を入れて磨くと
塗料まで剥げてしまうので
注意してください。

ブラシがあると
隅々まで磨きやすいでしょう。

また、もっと汚れがひどい場合は
強めの洗剤にしばらく漬け込んでおくと
汚れがとれやすくなります。

ただし、こちらも長時間漬け過ぎると
塗料が剥げてしまうので
よく観察しながら行ってください。

整流板やオイルパック(油受け)などの
部材も拭き上げましょう。

レンジフード本体の内部も
油汚れ用洗剤で拭き上げます。

取扱説明に従って
再度組み立てたら終了です。

使用頻度や油を使う料理をするか
などによりますが、
年に1回くらいはお掃除したいところです。

 

 


レンジフードやお風呂や
トイレの換気扇は
ちゃんとお掃除する方でも、
忘れがちなのが給気口のフィルターです。
 
現在は24時間換気が義務付けられているので
2003年以降に建てられた住まいなら
必ずあるはずです。

例えばこんなやつです。
(換気方式やメーカーによって異なります)

表面のフタを引っ張ると
パカっとはずれるので、
あとはフィルターを取り出して洗うだけ。

難しくはありませんが忘れがちなので、
2~3カ月に1回は
お掃除するとよいでしょう。
取り外したフィルター
汚れがわかります


 

中島工務店のような和の住まいでは
障子を設えることがよくあります。

障子は汚れたり傷んでくると
張替えができるという
メリットがありますが、
一方で張替えないといけないほどの
状態になることはそれほどありません。

多いのは部分的に穴があいたり
破れたりするケースでしょう。

というわけで、今回は
障子の部分的な補修をやってみましょう。

補修するのはココ。

長久手Studioのセミナールームの
天井照明を覆っている障子、
赤い丸で囲んだところが
破れているところです。

ホームセンターなどで売っている
障子紙を用意して、
切りたい形に切っていきます。

切り方は「障子 補修 切り方」などで
検索してみてください。

折り方とか意外と難しいけど
面白かったりします。

複雑な折り方・・・。

これを切って開くと・・・
できました!桜の花びらです。

では貼っていきましょう。

用意するものはのりと霧吹き。

今回は水のりを用意しましたが、
小さな補修なら
スティックのりでも大丈夫です。

先ほどつくった桜の花びらに
のりをつけて貼って・・・。

貼りつけた桜の花びらのまわりに
霧吹きで2~3回水を吹き付けたら
完了です。

霧吹きの水が乾くと
障子紙がピンと張って、
キレイに仕上がります。

 


最後にMAYUHANA(まゆはな)の
電球交換をご紹介します。

まゆはなは繭のような繊細な見た目が
印象的なペンダントライトで、
中島工務店ではモデルハウス2カ所で
使っているほか、
お客様の住まいでも
よく選んでいただいています。
可児モデルハウスLITTLE KASHIMO
ギャラリーのまゆはな
ただ、外から電球が見えないため
「どうやって電球を変えるんだろう?」
と思ってしまいます。

長久手Studioでは
リビングに使用していますが、
オープンから5年、
ちょうど切れたので交換してみました。

まゆはなは上部がビスで留められているので
ドライバーを使ってはずします。

赤い丸で囲んだところがビスのあるところ。

ビスを外すと
カバーはカンタンに外れます。

中はこんな感じ。

あとはフツーに電球を換えて、
はずしたときと逆の手順で
カバーを戻してビスで留めるだけ。

やや高所での作業になるので
脚立などを用意して、
安全に配慮して作業してください。

 

 


こうやって見ると、
意外と自分でもできそう!
って思いませんか?

自分でできることは自分で
定期的にお手入れすると
住まいへの愛着も増しますし、
よい状態が長持ちします。

とはいえ、
プロに頼んだ方がいいこともあります。

例えば、
ときどき相談をいただく雨樋の掃除。

落ち葉などが溜まったままにしておくと
詰まってしまうのでときどき確認して、
状態によっては掃除が必要になります。

作業としては
溜まった落ち葉などを取り除くだけですが、
屋根に上がらなくてはいけないので
お客様ご自身での作業はおすすめしません。

当社では定期点検の際に確認し、
必要に応じて作業も請け負っています
(有料)。

住まいのプロである住宅会社に相談しながら
自分でできることと
プロに依頼した方がよいことを分けて
計画的にお手入れをしていくのが
よいでしょう。