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設計

階段の掛け方とデザイン


住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。

今回のテーマは
「階段 vol.2:掛け方とデザイン」です。

vol.1 では
法的規制と設計のポイントをまとめました。
>階段の種類と間取りの関係

上記の記事で面積や間取りとの関係、
安全性について考えながら
設計しなければならないとわかりましたが
階段はインテリアのデザインとして
活かすこともよくあります。

そんなときには階段の掛け方(構造)も
見た目に関わってきますから、
よく考えなくてはいけません。

今日は階段の掛け方の種類をご紹介。
当社施工事例を紹介しながら
デザインの考え方をお話しします。




目次


1.掛け方(構造)から見た
  おもな階段の種類

2.側桁階段
3.ささら桁階段
4.その他の階段の掛け方とデザイン事例
5.見せる階段を考えるポイント
6.おまけ


 


 

最もよく見られる
階段の掛け方(構造)は次の2種類です。

■側桁階段
 踏み板を桁で横から挟んで支える階段。
■ささら桁階段
 踏み板を下から桁で支える階段。

画像はLIXIL様サイトより拝借
一部編集



画像を見てもらうとわかる通り、
両側を板(桁)で挟まれているのが
側桁階段、
段々になった板で下から支えているのが
ささら桁階段です。
 
ささら桁階段の桁(段々のやつ)の位置は
両端でなくてもよく、
もう少し内側にあったり
真ん中に1本だけだったりすることもあり
真ん中1本のときには
力桁階段と呼ぶこともあります。
 


力桁にしただけで
ちょっとおしゃれになったと思いませんか?
 
ほかにも片持ち階段、らせん階段、
シースルー階段などがありますが、
それらもデザイン性を目的に
選ばれることが多いものです
(のちほど弊社事例を紹介します)。

階段は掛け方によって
構造がそのまま
インテリアのアクセントになるので、
上手に活かすと
自分好みの“見せる階段”ができます。

構造ごとの特徴と事例を見ていきましょう。


 

 

最も一般的といってもよい階段で、
階段下収納をつくりたい場合にも
よく選ばれます。

デザイン的には2階の巾木が
そのまま階段沿いに下りてくるような
見た目になります。

階段はどうしても汚れやすいものですが、
両方の壁に桁をつけることで
壁の汚れを防ぐ役にも立ちます。

側桁階段




側桁階段





 

ささら桁階段は
踏み板が壁に接していないのが特徴です。

壁と階段のあいだに少し隙間があること、
桁とその向こうが透けて見えることで
デザイン性が増します。

また、壁材の種類によっては
階段が接することで
ひびが入りやすくなる場合もあり、
それを避けるために
ささら桁階段を選ぶこともあります。

ささら桁階段



ささら桁にするときの注意点は、
踏み板と踏み板のあいだが空いているため
ホコリが降ってきやすいこと。

また階段下付近を通るときに
踏み板に頭をぶつけやすいので、
設計の際には周囲の動線にも
配慮が必要です。
 
ささら桁階段
桁が両端にあるデザイン




おもにデザイン的な理由から
階段の片側を側桁、
もう一方をささら桁にすることもあります。

が、すみません、
中島工務店の施工事例の中では
典型的な見た目のものを
見つけられませんでした。

ということで、
さらにアレンジが加わったものを
ご紹介します。
 


上の画像は
ささら桁の桁部分のデザインに
ひと工夫したもの。

桁部分をとても小さな三角形にしています。

桁の斜めのラインが強調されて
シャープな印象です。
 
そして、こちらは
踏み板が桁に刺さったような
デザインですが、
こちらもささら桁です


ちょっとした違いで
階段そのものの印象も
空間デザインも
ずいぶん変わりますよね。

前回ご紹介した
階段のまわり方(直階段、回り階段など)と
今回の掛け方の組み合わせ次第で
いろいろ楽しめることが
おわかりいただけたのではないでしょうか。
 
さらにデザインを重視した掛け方もあります。
当社事例を見ていきましょう。


 

 

①片持ち階段
片方の壁から踏み板が
突き出しているようなデザインです。

片方の壁で踏み板を支えているため、
壁の中に鉄などを入れたり、
壁そのものを分厚くしたり
といった補強が必要です。

片持ち階段
可児LITTLE KASHIMO





②両持ちシースルー階段
両側の壁で踏み板を支え、
踏み板と踏み板のあいだを
シースルーにした階段です。

両持ちの場合、
片持ちと違って補強は必要ありません。

こちらの事例では、
側桁階段にすることが多い
両側が壁の回り階段を
両持ちのシースルーにし、
軽やかな印象に仕上げました。
 


③箱型階段
名前の通り、
箱を積み上げたような姿をした階段です。

こちらも階段の段差のラインを
きれいに見せることができます。
 



上の画像の階段を横(リビング側)から見たところ




④らせん階段
インテリアとしてとても目を惹くのが
らせん階段。
真ん中の支柱で踏み板を支えます。

ほかの階段は
現場で組み立てるのに対して
らせん階段は組み立てたものを
現場に運んできて
クレーンで吊って設置します。
 


中島工務店では階段も設計士がデザインし、
自社工場で部材を加工、
現場で大工がつくりあげるので
かなり自由度が高く
様々なデザインに挑戦できます。
 
当社の場合、側桁とささら桁は
費用的にはほとんど変わりません。

“見せる階段”を配して
空間デザインを考えたいなら、
階段も造作する住宅会社に
相談するのがよいでしょう。



 

 

“見せる階段”をつくりたい場合、
重要なのは階段の位置です。

階段そのものが
目立つインテリアになるので
家の中のどこに配置すると
より見映えがするのか
よく考えなくてはいけません。

デザイン重視なら
シースルーにすることも多いと思いますが、
そのときには階段の向こう側に
何が見えるとよいのかもよく考えましょう。
 
なにより、プランの際に
階段優先で考えることが重要です。

ですが、ここまでにご紹介してきた
事例写真でもわかる通り、
デザイン重視の階段は
シンプルな手摺を採用することが多いため
やや安全性が犠牲になる面があります。

プランに入る前に
ご家族の住まい方とのバランスも
考えておくのがよいでしょう。




 

中島工務店では
階段に使う部材も自社オリジナル。

自画自賛ですがちょっといい感じなので、
紹介しちゃいます。

 
手摺 “D-rail”

すべて木でできていて、
握ったときにどこにも引っ掛かりがない
デザインです。

手摺を壁に固定する部材に
手が引っ掛からないようにするために
試作を重ねました。

桧とけやきのコントラストが階段まわりに
ちょっとアクセントを加えてくれます。
 








すべり止め “komini non-slip”
 
一般的な階段のすべり止めは
踏み板に溝をつくってありますが、
中島工務店では木を埋め込んで
1ミリほど飛び出すようにしています。

この方が足の裏で感じやすく、
すべり止めとしての効果が高いと
考えるからです。

素材はサクラまたはケヤキで
デザイン的にも
杉や桧の踏み板に映えると同時に、
目につきやすいので
より安全性が高くなります。