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関西

FUN(ファン)になりました(笑)

新年おめでとうございます。
今年もお付き合いの程よろしくお願いいたします。

さて昨年末の話しですが、師走の16日17日に妻と岡山に行ってきました。
もともとの目的は住宅雑誌の11月号に載った新築の建物の見学だったのですが、
その用途が牧場に建つチーズ工場の熟成庫だったので妻に観に行くよと言ったとたん
チーズ好きの妻がビビッと反応して私も行く!となりました。(笑)
 
若いころに旅行会社に勤めていた経験のある妻は旅行が大好きで、
いつも私たちの旅行は僕がどこそこに行きたいと伝えて
妻が旅行計画をすべて立ててくれます。
僕はただお金を出して飲んで食べて写真をパチパチ。(^^;)
 
今回もどんなところか楽しみに向かいましたが、大阪から車で約3時間。
山道をくねくね走って途中で展望台を探してたりしたら道に迷ってしまって
車が一台やっと通れるような細い道を崖っぷちに沿って
ヒヤヒヤしながら走ってやっと宿に着きました。(^^;)ホッ
着いたのは山あいの見晴らしのいい所に建つ古民家を改修したすてきな宿。
陶芸家のご主人が登り窯を造るために土地を探してここにたどり着いたとの事。
元全日空の国際線CAだった奥様の心のこもったおもてなしもお料理も最高でした。
なにより素晴らしかったのはリビングの大きな窓から見る山に沈む夕陽で、
夕焼けの壮大な眺めにこころから感動しました。
泊まった部屋も天井が高く清潔で快適でした。
聞くとこの建物はご主人が古材を集め、宮大工にあえて造らせたものとか。
いたるところに置いてあるご主人が創った陶芸作品も見事でしたが、
40㎝角のケヤキの通し柱とかこだわりの建築にも驚きました。
ここにはヘリポートもあって遠くからわざわざ泊まりに来る人もいるとか。
翌日観に行った「FUN」と名付けられた中村好文氏設計の建物は、
風景に溶け込むようにひっそりと建つ姿も美しいものでしたが、
一番驚いたのはその外壁。
建物の名前は楽しいという意味のFUN(ファン)ではなく、「フン」。
文字通りの糞です。(笑)
というのもここは牧場なので牛糞は腐るほどあります。
その牛糞を壁に塗ろうと提案した建築家に家族は「でも匂いが、、、。」(^^;)
 
それを解決したのは地元に住む左官でアメリカ人のカイルさん。
藁を混ぜたり土を混ぜたり試行錯誤の末、
牛糞100%で壁材として使う事に成功しました。
おそるおそる壁に鼻を近づけてクンクン嗅いでみたんですが
藁や土のような匂いしかしませんでした。
 
僕がむかし訪れたネパールの田舎などでは
ふつうに住宅の外壁に使っていて少し匂いました。(^^;)
 
僕が牧場主に建物を案内してもらってる間、
妻はショーケースにあるチーズを一通り買ってましたが、
もちろんそこで育ち熟成されたチーズが美味しかったのは
言うまでもありません。
岡山県の山奥に建つ2つの建物を訪れて、
こだわりを持ってつくればどこであっても人が訪れるものなんだなぁと
感じ入りました。
 
 
大阪支店  筒井克佳