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LEGOで考える



設計では意外に早い段階で
屋根をどう架けるかを考えます。

予算に合わせて規模や周辺環境から
どの位置に建物を置くか、どこを見せるか、
どこに庭(空きの空間)を取るかなど、
敷地に立って考えますが、
その際にかなり早い段階から
屋根がどうかかるかを考えています。
 
建物の凹凸が複雑になる場合は
おおよその見当を付けておいてプランを熟考し、
ある程度見えた時点で屋根をどう架けるか、
バリエーションをいくつか検討したくなります。


絵でかいてみる。
模型を作るなどいろいろと方法はありますが、
初期段階で試行するにはLEGOは良い材料です。

組み立てや変形が簡単ですし、
それなりに形になるので雰囲気はわかります。
小さなものをいくつも作って比較することもできます。

立体で作ると絵で書くよりも沢山の情報量があり、
架構や繋がりが破綻しないか、
見た目がおかしくならないか、
検討することができます。

実際のところ、作ることが好きなので、
頭の体操がてら作ってみるというのが本音なのですが。
お施主様にはお見せしないものですし。
 
縮尺に関しては
レゴの1スタッドの大きさは平面的に8㎜×8㎜。
これを3尺に見立てるので、
113.75分の1の模型ということになります。

1/100より10%ほど小さいことになります。
高さは9.6㎜が標準的なブロック高さなので
縮尺寸法で1.092mとなり
一番薄いものが3.2㎜で縮尺寸法364㎜になります。

階高を3m程度として
標準ブロック2段と薄いブロックを2枚とすると
ちょうどよくなります。

窓は標準サイズ2段分で高さ2mの掃き出し・
1段分で高さ1mの腰窓とすることができます。
標準3段でもよいのですが
少し縦方向に間延びする気がします。

屋根は薄いブロックを階段状に
1スタッド飛ばすと4寸勾配となるので
丁度よく、雰囲気はつかめます。

 
LEGOは通常ブロックの単色だけを
買うことができないみたいです。
(LEGOの本体ではなく小売り業者が
単色で1ブロック1つずつ
売っているところもありますが、割高です。)

私はずいぶん昔に
Achitecture Studioというキットを
購入して使っています。

これは白と透明のブロックばかりで
構成されたキットで、
建築家や建築事務所の試行例が載っている
本がついていたりします。

実はブロックが足りなくて、
小売りを買い足していますが。
 
今は3Dプリンターが本体も安く、
精度もよく作れるものが出てきました。
それでもお施主様にお渡しする模型は
まだ手作りの方がきっちりとした雰囲気が出ます。
(専門業者に依頼することより精度の高い
3Dプリンター出力の模型もできますが。)

安価な3Dプリンターは試行という意味では
気軽に造ることが出来そうです。

でも、同じ試行であれば手を動かして作ると
その途中でも気づくことがあり、
バリエーションが増えたり、
止めたりすることが良くあります。
組み立てるワクワク感も捨てがたいです。
 



名古屋支店 香田雅紀