スタッフブログ STAFF

中部



春の訪れとともに、
卒業や入学、就職、転勤などで
環境が変わる方も多くなる時期。

そして免許を取得した
初心者ドライバーが
増える時期でもあります。
 
昔私が自動車学校に通っていた時の話です。
仮免許技能試験では
安全確認やS字カーブ、クランクなど
仮免許技能試験の課題はいくつかあります。

いまはAT(オートマチック車)限定の
免許もありますが、
当時はMT(ミッション車)の免許しかなく、
ミッションを動かしながら
クラッチ繋ぎながら、
安全確認もしなくてはいけないと、
初心者にはかなり難易度が高く、
頭と体がなかなか同時に
動いてくれないものです。

コースを覚えていない場合でも、
「信号を右に曲がってください。」
などのように、
検定員から指示が出されると
焦ってしまいます。
 
それは仮免許の試験で起こりました。
仮免許の試験時には
後ろに人を何人か乗せます。

他人の初心者の運転に同乗させることで、
自分の運転との比較を
自身でさせるためだと思います。

その時は女性が運転しており
私は後部座席に同乗していました。
 
女性が車を走らせようとしますが
うまく操作できないようで、
車がノッキングしてガクガクと揺れます。
検定員が
「半クラ!半クラ!」と叫ぶのですが、
なぜかハンドルのホーンボタンを押して、
「ブッ~・・・ブッ~・・・ブッ~・・・」と
不安定な音色のホーンブザーが鳴ります。

女性がホーンを鳴らせば鳴らすほど、
検定員は
「半クラ!半クラ!半クラ!」と
さらに強めに叫びます。
ですが車は進みません。

検定員はギヤをエンジンにつなぐ
クラッチの事を半クラ
(自動車のクラッチを
完全につないでいない状態のこと)
と叫んでいます。
 
女性がホーンを鳴らし、
検定員が「半クラ!半クラ!」と叫ぶ。
何が起こっている?
うーん・・・。
 
状況を理解するのに時間がかかりました。
誰かが
「あっ!もしかして
半分クラクションってこと?」
といった瞬間に大爆笑でした。

女性はどうやら
 “半分クラクションを鳴らす” 
と思っているようです。

半分クラッチ・・・、
半分クラクション・・・。
確かに“半クラ“です。
 
ええっ!?
半分クラクション鳴らすなんて事は
習っていない・・・。
と思いましたが、
女性は仮免許の試験で
後ろに乗っている人に見られているし、
ちょっとでもやらかすと減点されるので
テンパってかなり緊張したのでしょうね。

真剣な顔でクラクションを
半分鳴らそうとした女性を思い出すと、
思わず笑ってしまいます。


この時期は初心者マークをつけたクルマが
街にたくさん出てくる季節です。
 
初心者マークを見つけたら
自分も初心に帰って、
周囲に優しい運転ができる人に
なろうと思います。



名古屋支店 香賀秀和