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やっぱり設計のはなし



昨年の末ごろに
ボトルアクアリウムを立ち上げました。
界隈では水槽の設置をすることを
立ち上げると呼んでいるようです。
 
水槽環境維持にも様々な方法があり、
水景を作る方法も様々にあります。

私が選んだのはバランスドアクアリウム。

その中でもエアレーションも
濾過機能も水温調節もない、
魚と貝と水草とバクテリアによる
小さな生態系のバランスをとることにより
循環する小さな世界を作る方法。
 
小さな専用ボトルに
丈夫なアカヒレとヒメタニシと
丈夫な水草を植えるという
単純なものにしたのですが、
小さいほど難しいらしく、
バクテリアが安定せず、
水草の成長が鈍り、
アカヒレが死んでしまったり、
苔が生えたりと、
日々観察と試行錯誤が続きます。

できるだけ自然の力で、
電気や人の手があまり入らないものを
目指したいのですが、
実はそれが一番難しいようです。
 
驚くことに
ネットで見かける素敵な水景は
実は製作者が
意図的に綿密に組み立てています。

遠近感を出すために仕掛けがあり、
水質を維持するために
裏で大きなシステムを動かして、
恰好の好い流木や石や繁茂する苔は
接着剤でくっつけながら
自然とはかけ離れた材料で
くみ上げられています。

自然に見えるために
極めて人工的に手をかけているのです。
 
住宅の設計にも通じるものを感じました。
かっこよく見せる、
シンプルに見せるためには
構造や納まりが複雑になったりします。

そう見せるために無理をする。
それをデザインと呼ぶのかもしれません。

でも、できれば
必要な構成物があるべきところにあり、
それがそのまま存在を表す。

できるだけ意匠と呼ばれる
恣意性を抑えながら、
それでもきれいに見えるように整える。

そんな方向性で
設計できないかなと思うのです。

自然は合理性と機能性のみで
美しさをたたえているのですから。
 
ボトルを見ながら、
思うに任せない自然の深淵と、
立ち上げてしまった責任と、
何とか折り合いをつけるため
頭を悩ませ世話をしています。

実は手を入れるのをやめて自然に任せるよう
バランスを取らなくてはいけないのは
私の心のほうかもしれません。
 


名古屋支店 香田雅紀