現場リポート REPORT

制震ダンパー



今回は耐震等級と制震ダンパーについて
ご紹介します。

完成後では見ることのできない
壁の内部のしくみをご覧ください。




制震ダンパー



構造用面材が張り終わったら
制震ダンパーを取り付けます。



黒と黄色の筋交いが制震ダンパーです。
 
 
建物を地震から守る方法として
大きく分けて耐震・制震・免震があります。

 
耐震:
地震に対して
柱・梁・構造用面材・筋交いといった
主要な構造部材の強度や
ねばり強さで耐える構造です。

法律では耐震が基準となっています。
地震の際に人が建物から逃げるための時間を
耐えることが目的となっているため、
建物が損傷しないわけではありません。
 
制震:
ダンパーなどの制震部材で
地震の揺れを抑えて、
主要な構造部材の損傷を抑える構造です。
左官などで仕上げている部分は
割れてしまう可能性もありますが、
建物自体の被害を少なくし、
継続使用がしやすくなります。
 
免震:
基礎と建物の間に免震装置を設置することで
揺れを遮断する構造です。
建物自体の被害がかなり少なくなります。
しかし、大掛かりになり易く
コストもかなり上がるため、
一般的にビルや公共施設などに
使用されます。
 
 
今回はミューダムという
制震ダンパーを取り付けました。
 
取り付ける位置と数はメーカーさんと相談し
計算を行い性能を十分発揮できるように
決定しました。
 


柱にビスでしっかりと固定します。




耐震等級



法律で定められている耐震性に
耐震等級というものがあります。
 
耐震等級は極めて稀にある地震
(数百年に一回程度発生する
可能性のある地震)
に対して倒壊しない、
数十年に一度発生する地震に対して
損傷しない程度を基準としています。
 
震度で表すのは難しいですが、
極めて稀にある地震は震度6強~7程度、
数十年に一度発生する地震は
震度5強程度になります。
 
 
耐震等級は3つのランクに分かれていて、
耐震等級1で上記の地震にも倒壊しない。
 
耐震等級2は
耐震等級1の1.25倍の地震でも倒壊しない。
 
耐震等級3は
耐震等級1の1.5倍の地震でも倒壊しない。
 
となっています。
 
南砂のいえでは
許容応力度計算という構造計算を行って、
現状の最高ランクである
耐震等級3を満たしていることを
確認しています。
 
住み始めてからの話になりますが、
保険会社によっては
耐震等級で地震保険が
割引になる場合もあります。
 
 
 
 
 
東京支店 小此木恒