現場リポート REPORT

建て方4



南砂のいえは屋根仕舞いを終えて
外壁の取付と屋根の仕上げに
進んでいます。

完成後では見ることのできない
壁の内部の仕組みを
ぜひご覧ください。




屋根板金



屋根の仕上げ材を取り付けます。
 
屋根の仕上げ材には
瓦やスレート・金属などがあり、
コストや質感・性能・屋根の勾配・
構造などを考えて決定します。
 
今回はガルバリウム鋼板という
金属の屋根になっています。
 


金属屋根は薄くて軽いのが特徴です。
その分、雨などの際に
音が室内に響き易くなっています。
 
この音は屋根や天井に入れる断熱材で
ある程度小さくすることができますが、
人によっては気になる場合があります。
 
どの程度の音になるか知りたい方は、
雨の日にモデルハウスを
見学してみるのがオススメです。
 
ガルバリウム鋼板の色は
住まい手さんと打合せて、
ホワイトになりました。
 


黒い色は日射反射率が低く、
日差しの熱を吸収してしまいます。

夏の日差しを吸収して
屋根が熱くなるのを防ぐために
ホワイトにしました。

下屋も同じくホワイトの
ガルバリウム鋼板にしています。






熱橋部分の処理



熱橋(ねっきょう)とは住宅の場合、
断熱材で囲われた外壁に
柱と梁を固定する
金物などが露出していると
その金物を通して熱が室内に入り、
室内の温度が変化してしまうことを
指します。
 
ちゃんと断熱材を入れても
部屋が寒かったりするのは、
これが原因の事があります。
 
また、熱橋部は温度の違いから
結露が発生してしまうことがあります。
この結露によって金属が錆びてしまい、
金物の強度低下に繋がることもあるので
注意が必要です。
 
熱橋の対策は外部に露出している金物を
断熱材で覆ってしまうことです。

この作業は壁を張ってしまうと
できないため、建方の途中で行います。
 


外周部に面した金物の内、
柱や梁を貫通して内部に出てくる金物に
気密テープを被せ、
中に発砲ウレタンを吹き込みます。



気密テープを被せることで
隙間なく発砲ウレタンを吹き込め
表面から発泡ウレタンが溢れるのを
防止できます。



溢れた発砲ウレタンは
最後にそぎ落とします。




構造用面材



熱橋部の処理が完了したら、
いよいよ外壁の構造用面材を
張っていきます。
 
構造用面材とは
家の構造耐力を確保するために
梁・柱・間柱に取り付ける板です。
 
構造用面材には
ハイベストウッドを使用しました。
 


ハイベストウッドとは高耐水MDF
(ミディアムデンシティファイバーボード)
で木材繊維を熱で圧縮して作られる
板になります。
 
他にも構造用合板などが
構造用面材としてあり、
設計の段階で壁の強度などを考えながら
使用する材料を決めます。
 


構造用面材は構造計算によって
指定された釘の太さ・長さの物を、
定められたピッチ(間隔)で
打つ必要があります。
 
赤いマーキングの位置が釘を打つ間隔です。
 


釘のピッチを確認しました。
問題なく施工できていました。
 
この他にも、
釘が構造用面材にめり込みすぎていると
逆に耐力が落ちるため、
めり込みすぎていないかの確認もしました。
 
 
 
設計段階の住宅の性能や
様々な検討も大事ですが、
実際に工事が始まってからの
きちんとした施工と
それを確認していくことも
同じくらい重要です。



東京支店 小此木恒