現場リポート REPORT

建て方1



南砂のいえの建て方が始まりました。

建て方は木造建築において
最も見ごたえのある工事になります。

建物の主要な構造体となる
土台・柱・梁・桁・母屋・垂木など
建物の骨格ができていきます。




現場搬入



南砂のいえは
東京の中でも狭小地にあるため、
4トン以上のトラックやレッカーが
現場に入ることができません。

そのため、小運搬が必要になります。

小運搬(こうんぱん)とは
工事現場の前面道路が狭い場合などで
大型トラックでの搬入ができない場合に、
小型トラックに材料や機材などの
荷物を積みかえて現場まで運ぶことです。



現場近くの運送会社で場所を借りて、
積み替えを行いました。

加子母から来た土台や柱などの
構造材を載せた7トントラックから
2トントラックに積み替え、
数回に分けて現場へ。



現場ではレッカーが入らないため、
トラックから材料を降ろすのも人力です。
 
南砂のいえは、ほとんどの部分を
スギ・ヒノキを使用していますが
一部にベイマツも使用。
 
断面が300mm×120mm、
長さが6mのベイマツは約114.48kgと
100㎏を超えるため、とても重いです。
 
1人で持つことは不可能なので、
3名でトラックから降ろし
何とか現場内に入れました。
 
小運搬や人力で建てる場合、
運搬できる長さなどに制限があるため、
1本の木材が長くなり過ぎないよう
設計時から注意が必要です。
 
それでも構造的にどうしても
長くなってしまう箇所もあり、
その場合は現場で工夫して
運搬・搬入します。
 


搬入した材料にはシートをかけ、
シートが飛ばされないように
ビニール紐で縛り、足場を載せて重しに。
 
雨が降る予報ではありませんでしたが、
木材が濡れることのないよう
作業を進めます。



 

防水シート



材料が現場に入ると
岐阜から大工衆が集まり
土台敷が始まりました。
 
土台敷に先立ち、
アリダンテープの上に
防水シートを敷きます。
 


白い紙のような部分が防水シートです。
 
このシートは工事が進み、
外壁に貼った防水シートを貼る際に
重ねることで、
土台まで覆われ防水されます。
 
壁の中に水が入ってしまっても
土台が濡れないための工夫です。



 

天端リスト



防水シートの上に天端リストとよばれる
パッキンを敷きます。



ビニールのシートが付いた
黒いゴムが天端リストになります。



アンカーボルトやホールダウンの部分は
ビニールに穴を開けて貫通させ、
黒いゴムは上に土台が乗ることで
15mmの厚さが3mm程度まで潰され、
土台と基礎の間にできる隙間を埋めます。




土台敷



天端リストを敷き終えたら
いよいよ土台を載せます。

まず土台にアンカーボルトと
ホールダウンの位置を墨付け。



墨をつけた部分に穴を開けます。



ここで穴をあける位置がずれてしまうと
土台が入りません。

穴をあけたら
外周部(建物の外に面した部分)の
土台の下側のみに防蟻座を塗布。



土台の四面全てに塗布しないのは
2つ理由があります。
 
 
一つは基礎断熱にすることで、
床下空間が室内と繋がり、
薬剤などの香りが
室内に入らないようにするためです。
 
今回使用した防蟻剤は
「エコボロン」というホウ酸系の薬剤なので
人体には影響がありませんが
念のため一面のみ塗布しました。
 
 
もう一つは基礎の外周部は
防蟻用の断熱材を使用し、
基礎の天端には
アリダンテープを使用しているため、
防蟻剤を塗布しなくても
既に防蟻処理がされているからです。
 
防蟻対策にはかなり注力しています。
 


土台がちゃんと敷かれた状態。
 
土台を突き抜けている金属が
ホールダウンで、
その隣の金属の蓋のようなものが
アンカーボルトになります。
 
 
 
次回は柱建てからスタートします。



東京支店 小此木恒