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設計

外壁の種類と選び方

住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。

今回のテーマは
「外壁の仕上げ方」です。

外壁には躯体(骨組み)を
雨水などから守るという
大きな役割がありますが、
家づくりを考えるにあたっては
デザインもとても重要です。

どんなふうに仕上げるかによって
建物の印象はずいぶん違ってきますよね。
最近では窯業系サイディングが
8割を占めています。
 
このグラフは材料別の構成比ですが、
実際にはその材料を
どのように仕上げるかによっても
見た目やお値段が違ってきます。

サイディングやモルタルを
そのまま仕上げに使うこともありますが
中島工務店の施工事例で紹介しているように
「窯業系無塗装サイディング
+弾性リシン吹付け」
「モルタル下地+弾性リシン吹付け」
「モルタル下地+左官仕上げ」といった
サイディングやモルタルを下地にして
さらに仕上げていく方法もあるからです。
 
外壁材を選ぶなら、
最後の仕上げ方まで考えて
選びたいですよね。

今日は最近の木造住宅でよく使われる
次の7つの仕上げ方を取り上げて、
特徴・費用の違い・メンテナンスについて
比較していきます。

<今回取り上げる外壁仕上げ>
■化粧サイディング
■無塗装サイディング+吹付
■板金
■モルタル+吹付
■高耐久サイディング
■塗り壁
■タイル




目次


1.化粧サイディング
2.板金
3.無塗装サイディング+吹付

4.モルタル+吹付

5.高耐久サイディング
6.塗り壁
7.タイル
8.おまけ:板張り
9.まとめ:外壁仕上げの選び方

 



サイディングは板状になった外壁材で
住宅の骨組みにサイディングボードを
貼り付けていき、
つなぎ目をコーキングなどの
シーリング材でつないでいくものです。

最初にご紹介したグラフの
窯業系サイディング・
金属系サイディング・
アルミサイディングというのは
このサイディングボードの材料の違いで
最も多く使われている窯業系サイディングは
セメント質と繊維質が材料です。

そして、サイディングのうち
そのまま仕上げ材になるものを
化粧サイディングといいます。

そのまま仕上げにならない、
つまり中島工務店でよく採用されている
「無塗装サイディング+弾性リシン吹付」
といったときのサイディングは
化粧サイディングではないこと。



街の中で見かけるサイディングの壁
=化粧サイディング
だと思ってOKです。

化粧サイディングの特徴はなんといっても
デザインが豊富なところ。


いろいろな色や柄の中から
好きなものを選べます。
でも、だからこそ
どんなデザインを選ぶかで
建物の印象がガラリと変わってしまうのが
難しいところ。

一般的には薄い色合いで柄が細かい方が
きれいに見えやすいでしょう。
 
ニチハ様より拝借


化粧サイディングは
紫外線や雨の影響で色落ちしやすい
というデメリットがあります。

環境にもよりますが、
およそ10年で塗り替えを考えましょう。

また、色落ちより先に問題になるのが
コーキングです。

コーキングが切れると
そこから雨水が侵入して
家そのものが傷む恐れがあるので、
早めに補修しなくてはいけません。

コーキングは7年くらいで
切れてくるのでよく点検して、
早めに対処しましょう。
 
費用は、今回取り上げる7つの中で
最も抑えられるケースが多いでしょう。
(後で紹介する高耐久サイディングを除く)

 


ガルバリウム鋼板などの
金属板を張るものです。

耐久性が高く、
ほぼメンテナンスフリー
なのが特徴です。

壁を板金にした場合、
10年以上経っても
色落ちはほとんどありません(壁の場合)。
(屋根の板金はやや色落ちします)

コーキングは
サイディング同様に劣化しますが、
サイディングに比べて
コーキング箇所が圧倒的に少ないため
メンテナンス費用は抑えられます。

デメリットは色・形状
(どんな形に加工されているか)が
少ないこととキズつきやすいこと。

また、板金の壁材そのものが
サビることは通常ありませんが、
もらい錆には注意が必要です。

万が一、キズを発見したら
建築業者に連絡して
タッチアップしてもらいましょう。
 
費用は形状によって幅がありますが
化粧サイディングと同等~と
いったところです。

 


無塗装サイディングという
現場塗装を前提とした
サイディングボードに
リシン、スタッコなどの塗料を
吹き付ける仕上げ方です。

塗料によって仕上がりも費用も
変わってきますが
化粧サイディングほど
一般的ではない見た目に
オリジナリティが感じられます。

また、化粧サイディングは
デザインが豊富とはいえ洋風が多く、
和風や和モダンの家には
いまいち似合うものが
少ないかもしれません。

その点、当社でよく採用している
無塗装サイディング+弾性リシン吹付なら
落ち着いた色と風合いで
和風や和モダンの家に似合います。

塗料はリシンに限られているわけではなく
塗料と仕上げ方によって
バリエーションは無数にあります。

好きな色を選べますし、
吹付の後に
さらにローラーやコテを使って
表面に変化をつけることも可能です。

ただ、どんな塗料を選んでも
色落ちは避けられず、
10年ほどで再度吹付が必要です。

コーキングも7年頃から切れ始めます。

費用は選ぶ塗料によって幅がありますが
安いものであれば
化粧サイディングの1.2倍程度でしょう。

なお、耐久性を高める方法として
サイディングの目地を
パテで埋める方法があります。

こうすると耐久性が向上するほか、
目地が見えなくなるので
見た目もよくなりますが
費用的には次に紹介する
モルタル+吹付より高くなるでしょう。



モルタルはセメントと砂でできた材料で
土間の仕上げなどにも
幅広く使われています。

そのモルタルを下地として塗った上に
リシンなどの塗料を吹き付ける仕上げ方で
無塗装サイディング+吹付との違いは
下地だけです。

なので、こちらも
塗料と仕上げ方の選択次第で
幅広いバリエーションが楽しめます。

サイディングとの違いは
目地がないこと。

目地がない=コーキングがないので
サイディングに比べてコーキング部分の
メンテナンスの必要がないこと、
見た目がよいことが特徴です。

ただし、
モルタルはひび割れる恐れがあり、
素材としての耐久性は
サイディング+吹付の方が
優れているでしょう。

費用はこちらも塗料しだいですが
化粧サイディングの約1.5倍~です。





サイディングの中でも
表面加工などによって
耐久性を高めたものです。

超高耐候塗料を使用して
紫外線や雨の影響を抑えたり
サイディングの弱点である
ボードの接合方法を工夫したり
超高耐久シーリング材を用いているのが
特徴で、仕様にもよりますが
30年程塗り替え不要なものもあります。
 

こちらもサイディングなので
デザインは豊富です。
また、一般的なサイディングボードが
厚さ14mmなのに対して
高耐久サイディングは厚さ16mmです。

わずか2mmの違いですが、
これによって表面加工の凹凸が増すほか
施工方法も変わってくるため
(14mmは表面から釘で打つ、
16mmは裏から金具で留める)
高級感が醸し出されます。
 
費用は化粧サイディングの約1.7倍~ですが
塗り替えがほぼ不要なので
ライフサイクルコストは
抑えられるでしょう。




塗り壁とは土などの自然素材を
塗り重ねて仕上げた壁のこと。

古くは土壁などがありますが
最近では消石灰を原料とする漆喰や
シラス(火山灰)を原料とする
そとん壁がよく使われています。

自然素材ならではの風合いが感じられ
色落ちすることがなく
コーキング部分もないため
メンテナンスフリー
なのが特徴です。

ただし、自然素材であるがゆえに
色と仕上げ方のバリエーションは
少なめです。

費用は化粧サイディングの約2倍~。
イニシャルコストとしては高く感じますが
ランニングコストがほぼかからないことも
あわせてしっかり考えたいですね。
よごれたら水洗いしましょう。



タイルは皆さんご存知の
陶磁器製の薄い板です。

外壁用のタイルは約1300℃という高温で
焼き固めているため非常に硬く、
傷つきにくく紫外線や雨による
色落ちもほとんどありません。


ただし目地のコーキングは
やはり劣化してきますので
そこだけは補修が必要です。

タイル張りの外観には
高級感を感じる人も
多いのではありませんか?

お値段も相応で
そとん壁の約2倍~、
化粧サイディングの約4倍~
となっています。

 


中島工務店は木の家づくり専門。
ということで、
ときどき依頼されるのが板張りの外観です。

木が好きな人にとっては
たまらない仕上がりですが
ほかの外壁材に比べて
メンテナンスの大変さは
とびぬけています。

方角や周辺環境にもよりますが
約2年で塗り直しが必要になります。

なのでおすすめは部分使い。

手の届く範囲
=足場を組まなくても
塗り直しできる範囲
に使うとアクセントにもなり
メンテナンスもしやすいでしょう。


7つ+おまけの仕上げ方を
紹介してきましたが
実際にはどれかひとつにすることもあれば
複数を組み合わせることもあります。

とにかくイニシャルコストを抑えたいなら
化粧サイディング一択
です。

けれども建物全体で表現したいイメージや
長期的なメンテナンスコストを考えると
おのずとほかの選択肢も出てきます。

外壁・外装の塗り直しは
当社が依頼を受ける
リフォームの中でも最も多く、
新築のときによく考えておいてほしい
ことのひとつです。
 

家づくり全体の予算の中で
どのくらい外壁に掛けられるか、
住み始めてからのメンテナンスを
こまめにできるか、
それに叶えたい暮らしのイメージを
実現できるかどうかなど
多方面から検討しましょう。
 
ところで、外観を考えるなら
外壁と一緒に考えたいのが
屋根材ですよね。

屋根材の比較はこちらの記事
まとめていますので併せてご覧ください。
屋根材の比較