プロが教える家づくりのヒント HINT

設計

おしゃれな外構デザインと
お手入れを楽にするコツ

住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。

今回のテーマは「外構」です。


外構はエクステリアともいわれますが
庭のほか、門柱やフェンス、アプローチなど
家の外まわりの空間のこと。

外構の仕上がりしだいで
家の見た目の印象は
ずいぶん変わってきます。

その中でも今回は植栽、門柱など
小さな工夫で外観をおしゃれに見せるコツを
事例写真を交えてご紹介します。

結論としては

①シンボルツリーなど
 見せ場では地面に高低差をつける
②複数の要素を組み合わせて奥行を出す
③カーポートの配置とデザインに配慮する


のがおしゃれな外構をつくるポイントです。

合わせて気になる草取りなど
入居後のお手入れを楽にするコツも
まとめました。




この記事でわかること
□ 外構を構成するおもなもの
□ おしゃれな外構のつくり方
□ 草取りなどお手入れを楽にするコツ

 
目次


1.外構を構成するもの
2.地面に高低差をつけよう
3.複数の要素を組み合わせて奥行を出そう

4.カーポートの配置とデザインに配慮する

5.草取りなどお手入れを楽にするコツ
6.外構も含めて住宅会社を選ぼう

 


住宅の工事で「外構」といったときには
おもに次のようなものが含まれています。

<外構に含まれるもの>
□ガレージ
□門柱、門扉
□玄関アプローチ
□フェンス、生垣
□庭


これらが外構を構成する要素ですが
最近ではブロック塀などで周囲を囲って
植栽をたくさん植えた庭を
つくることは少なくなり、
隣地とのあいだにはフェンスを、
前面道路とのあいだには
門柱を設ける程度のオープンな外構にする
ケースが増えています。

オープン外構では
シンボルツリーや門柱など
小さな部分が外構デザインの
ポイントになってきます。

シンボルツリーや門柱周辺を
うまく活用しておしゃれに見せるコツを
見ていきましょう。

 

最初のポイントは高低差です。

植栽などポイントになるところは
地面に高低差をつける

キレイに見えます。

敷地に勾配があればそれを活かし、
平らな敷地でも植栽や門柱など
見せ場になる箇所に土を盛って
多少の高低差をつけましょう。

①自然な見た目になる
②見える面積が増えて見映えがよくなる

という2つの効果が生まれます。


①自然な見た目になる

シンボルツリーや
ちょっとした緑を配する場合、
つくり込んだ庭ではなく
自然な印象に仕上げたいことが
多いのではないでしょうか。

自然の野山に完全に平坦なところは
ほとんどありません。

木や下草、花などを植えるところに
少しだけ高低差をつけると
自然に近い印象になり、
特にナチュラルな庭を表現したい場合に
有効です。


②見える面積が増えて見映えがよくなる

目の前にノートを1冊用意してください。
そのノートを床に平行に持っているときと
少し手前に傾けて持っているときでは、
少し手前に傾けているときの方が
ノートの表面がたくさん見えますよね。

それと同じで、
地面も傾けた方が
広い面積が目に入ります。

見える面積が広い方が
たくさんの下草や花、石が見えるので
全体の見映えがよくなります。
敷地の高低差を活用した事例
施工事例はこちら





ナチュラルな庭では木、石、芝生が
よく使われます。

これらは木だけ、芝生だけにするより
複数の要素を組み合わせて奥行を出すと
デザイン性がアップ
します。

これは単純に複数を組み合わせることで
立体感が出るからです。

テーブルの上のケーキの写真を撮るときも
ケーキだけじゃなく
奥にコーヒーカップを置いたり
手を添えてみたりしますよね。

そうすると奥行が出て
ケーキがよりよく見えるのと同じように
複数のものが並んでいるだけで
私たちは奥行を感じます。
木・石・芝生を組み合わせた事例
施工事例はこちら



例えば、
細い門柱を1本立てるのも
悪くありませんが、
ちょっとずらして2本立てると
グッと印象がよくなります。

門柱だけでなく
少し幅がある門塀(門袖)なら、
建物そのものとの奥行も感じられます。
門塀と玄関の板壁が奥行を表現
施工事例はこちら




シンボルツリーや門柱で
おしゃれな印象をつくったときに
注意したいのが
カーポートの配置とデザインです。

カーポートはほかの外構の要素に比べて
ずいぶん大きく、
建物より道路側にあるので
どうしても目立ちます。

そのため、
配置やデザインに気をつけないと
せっかくのシンボルツリーや門柱ばかりか
建物の見た目も損なうケースがあります。

例えば下の画像、
シンプルでデザイン性もある
カーポートですが、
これがなければ建物が
もっとキレイに見えると思いませんか?
画像はLIXILより


とはいえ、
やはり「雨に濡れたくない」
「車を守りたい」となると
カーポートは必要です。

できれば、建物の正面を避けて
カーポートを設置するとよいでしょう。
 
ですが、前面道路や敷地との関係で
そうもいかないのが現実ですね。
 
建物の正面に配置する場合は、
できるだけ建物とイメージが合う
カーポートを選びましょう。
 
最近はデザイン性の高い
カーポートも増えているので、
プランの段階で
カーポートのイメージも固めておくと
建物と一体感のあるデザインに
仕上げられます。
 
外構より建物に予算をかけたいのは
よくわかりますが、
見た目を大事にするなら、
あらかじめ外構予算もしっかりとって
プランを進めていくのが大切です。
カーポートが建物前面にある例
施工事例はこちら




シンボルツリーや芝生があると
おしゃれなのはわかるけれど
草取りやお手入れが心配・・・

そんなお客様もたくさんいらっしゃいます。
わかります、その気持ち。

というわけで、
できるだけお手入れに手間がかからない
コツをご紹介します!


①シンボルツリー1本+下草or石にする

シンボルツリーは1本でOK。
 
1本の根っこから
いくつかの株が立ち上がるタイプなら、
1本でも十分なボリュームが感じられます。

その木の周辺だけ土を残して
あとはコンクリートかなにかで
固めてしまえば、
草が生えるのはそこだけです。

さらに土の部分に防草シートを敷いて
石を並べておけば、
草はほとんど生えません。

生えてきても気になる部分だけ抜けば
キレイな見た目を維持できます。

あるいは自然な印象の下草を
植えるのもいいでしょう。

下草の中に雑草が混ざっていても、
実はそれほど目立ちません。

こちらも気になるほど
大きくなったものだけ抜けば
大丈夫です!
シンボルツリー1本+石
施工事例はこちら



②門柱・門塀でデザイン性を出そう

それでも草がいやな場合、
木や芝生はあきらめて
門柱や門塀のデザインにこだわるのも
よいでしょう。

既製品でもおしゃれなものが
たくさんありますし、
造作することもできます。

こちらはコンクリートで造作した事例です。

コンクリートの門柱に
南天とプランターの緑で
彩りを添えています。

施工時につくったのは門柱だけで、
あとはお施主様が自ら飾られたもの。

これなら草の心配がほとんどない上、
ほかでは見られないオリジナリティある
おしゃれな外構に仕上がっています。

ちなみに、樹種によりますが
シンボルツリーは
1本数万円~10万円くらい
です。

木はよほどの日照りが続いた場合を除いて
水やりの必要はありません。

大きくなる木はたいへんなので、
成長が遅い木を選ぶとよいでしょう。

多少大きくなる木でも
自分で伐ることもできますし、
樹形が心配なら庭師さんに頼んでも
樹木数本なら2~3万円
といったところ。

新築時に施工した業者に
年に2回くらいお願いすれば、
きれいな樹形が保てます。
 
 

ところで
おしゃれな外観にしたいなら
建物と外構をトータルで
デザインしたほうがよいのは
言うまでもありません。

外構だけ別の会社に依頼するケースも
あるようですが、
できるだけ住宅会社に建物と同時に
設計してもらうのがおすすめです。

とはいえ、
外構デザインが苦手な住宅会社もあれば
素晴らしい外構を提案してくれる
エクステリア会社もあります。

住宅会社選びの段階から
外構を含めて
好みに合うかどうか

じっくり検討するのがよいでしょう。

住宅展示場・長久手Studioには
「自然」をテーマにした庭があります。

たくさん木が植えられていますが、
まるで本当の野山のように
いろいろな植物が自由に広がっています。

ちょっと野性味あふれすぎるくらいですが
「庭=手入れがたいへん」ではないことが
わかっていただけると思いますので、
ぜひ一度ご来場ください。