テレビブースターの置き場所と
弱電盤(情報分電盤)のすすめ
家づくりのヒントをお話しするブログ。
今回のテーマは
「テレビブースター&弱電盤」です。
テレビブースター?弱電盤??
どちらも聞きなれないという方も
多いと思います。
のちほど詳しくお話ししますが
テレビブースターとは
テレビの電波を増幅する機器で
通常のテレビ配線の一部に
含まれています。
昔は家を建てたときに
アンテナからテレビまで
一度配線してしまえば、
ほとんどの人が二度と
テレビブースターの存在を
気にする必要はありませんでした。
ところが近年、
過去に家を建てさせていただいたお客様から
「テレビブースターはどこにありますか」
というお問合せをいただくことが
増えてきました。
それはテレビや電話、ネットの接続会社を
乗り換えるのが当たり前になったから!
光回線やケーブルテレビの回線を使って
テレビ・電話・ネットをつなぐときに
テレビブースター部分での
工事が必要になるんです。
そう考えるとこれから家を建てる時にも
考えておかないといけないことですよね。
というわけで
今回はまず既存住宅の
テレビブースターの探し方をご紹介。
さらにこれから新築するなら
おすすめしたい弱電盤(情報分電盤)の
設置についてお話しします。
1.テレビブースターとは
2.テレビブースターはどこにある?
3.新築なら弱電盤(情報分電盤)が
おすすめ!
まずはテレビブースターとは
何なのかを確認しましょう。
テレビブースターとは
テレビ電波(信号)を増幅する機器。
アンテナで受信したテレビ信号は
混合器や分配器、ケーブルを通るうちに
減衰してしまい、
そのままだとテレビの映りが
悪くなってしまいます。
それを防ぐために信号を強くするのが
ブースターの役割です。
地デジやBS / CSの屋外アンテナから
テレビをつないでいる場合は
下図のような配線になっています。
複数のアンテナの信号を
ひとつにまとめる機器。
分配器(図の③)は
地デジやBS / CSの信号を分ける機器で
ここで分けた信号を
アンテナケーブルを使って
各部屋につなぎます。
テレビ端子(図の④)は
みなさんご存知のテレビをつなぐところ。
一般の人に見えるのはテレビ端子から先で
テレビをつなぐというとここに
アンテナケーブルを挿すという
イメージではないでしょうか。
なお、ブースターは地デジ・BS・CS・
4K・8Kなど接続するテレビ信号の
種類によって対応機器が異なります。
中島工務店では電気工事業者が
建築地の受信環境を確認した上で
適切な機種を選択しています。
ご自身で選ぶ場合はつなぎたい
テレビ信号の種類に注意し、
できればお隣さんなど
建築地周辺にお住まいの人に
受信状況を確認した方がよいでしょう。
では、よくお問合せをいただく
テレビブースターの置き場所を
見ていきましょう。
最初にも申し上げたとおり、
テレビブースターを
探さなければならなくなるのは
だいたいテレビ・電話・ネットの
接続会社を切り替えるとき。
新しい契約先の工事担当者がきて
「どこにありますか?」と
確認されることが多いようです。
少し前~10年以上前の住宅の場合、
天井点検口のそばの屋根裏
または床下点検口そばの床下を
まず確認してください。
昔は一度配線したらやり直すことが
ほとんどなかったため、
屋根裏や床下のジャマにならないところに
設置しているケースがよくあります。
とはいえ設置しやすくなくてはいけないので
点検口の近くというのが
一番可能性がある場所というわけです。
点検口そのものが押し入れや収納の中、
洗面室など比較的目立たない場所に
あることが多いので、
まずは点検口を見つけて
そこを開けて覗いてみましょう。
ユニットバスの屋根裏に
置かれていることもありますので
要チェックです。
比較的最近の住宅ならコンセントの裏側
という可能性もあります。
テレビなどの契約先を変更するのが
めずらしくなくなってきたことから
のちのち工事しやすいように
こうした場所に設置されるように
なってきました。
テレビのそばのコンセントカバーを
開けてみてください。
コンセントプレートの下に
マイナスドライバーなどを挟んで
少し持ち上げ、引っ張ると外れます。
その中にあるコンセント部分を
ドライバーを使って取り外し、
引っ張ると奥にある
ブースターや分配器が出てきます。
参考までにひかりTVや
ケーブルテレビの回線を使って
テレビ・固定電話・ネットをつなぐと
下図のような配線になります。
先のアンテナからつないだ図とくらべると
配線が変わっていることがわかります。
このようにつなぎ直すために
テレビブースターなど各機器の場所を
確認しなくてはいけないということです。
これからの時代、
家庭のネット接続には
ますますよいサービスが
出てくると考えられます。
契約先は変更することがあるという前提で
こうした機器の設置場所も
確認しておくとよいでしょう。
入居後もテレビやネットの工事を
することがあるという前提に立つと
これから新築するなら
弱電盤(情報分電盤)の設置が
おすすめです。
弱電盤とは
テレビ・電話・ネットなどの回線を
一カ所に集めて管理する場所のこと。
似たような名前でみなさんご存知の
分電盤(ブレーカーがいっぱいあるアレ)が
電気回線を一カ所で管理しているのに対して
弱電盤は情報ネットワーク関連を
集めたところです。
一カ所に集めなくても
困るわけではありませんが
情報機器が増える一方の現代の住宅では
設置を検討するとよいと思います。
弱電盤に配置される
おもな機器はこんな感じです。
《弱電盤に置くといいもの》
ホームネットワークの構築に必要で
かつ更新するものをひとまず集めておく
という感じですね。
前半でお話しした通り、
契約先が変われば工事が必要になります。
交換しなくてはいけませんし、
ルーターやHUBもいずれ
新しい機器や規格に合わせて
買い替えることになるでしょう。
これらを一カ所に集めて
しかも取り出しやすくしておくと
工事や入れ替えが簡単です。
NAS(Network Attached Storage)なども
更新するでしょうから、
一緒に入れておくとわかりやすいし
配線もスッキリしておすすめです。
アナログ信号をデジタル信号に変換する装置。
モデムと同じ機能。光回線用の装置。
ひとつのインターネット回線に複数の機器を接続する装置。
有線の場合はLANケーブルで、無線の場合はWi-Fiで接続する。
有線接続時の集線装置。
複数のケーブルを接続して相互に通信できるようにする。
弱電盤をどこにどんなふうに
設置すればいいかについては
特に難しく考える必要はありません。
注意しておきたいこととしては
①頻繁にさわる必要はないので
物置やクローゼットなど
目立たない場所に設置したほうが
じゃまにならない。
②機器類が発する熱を放出するため
扉はなしにするか
扉がある場合はスリットを設けるなど
熱がこもらないようにする。
といったところです。
扉なしの場合、
ほこりがたまりやすくなるので
注意が必要です。
たくさんの機器が集まっている
=電源もたくさんあるので
ほこりがたまると
火事(トラッキング現象)の危険が
あるのでこまめに掃除しましょう。
※トラッキング現象
コンセントとプラグの間に
たまったほこりが湿気を帯びて漏電し
火災が起こること
これらに注意しつつ
「ここに弱電盤がほしい」と
設計士に伝えれば
適切な配線を提案してくれるはずです。
大きな場所をとるものではないですが
配線に関わるので、
できるだけ早めに伝えましょう。