家づくり
潰れない住宅会社の見つけ方
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
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今回のテーマは
「潰れない住宅会社の見つけ方」です。
「潰れない住宅会社の見つけ方」です。
といっても、結論から言ってしまえば
絶対に潰れない住宅会社はありません。
絶対に潰れない住宅会社はありません。
倒産の危険性がある程度見通せるのは
せいぜい2~3年先まで。
いま建築を考えている会社、
建築中の会社が
この先ずっとあり続けるという
保証はありません。
でも、できるだけ倒産しない会社で
建てたいですよね。
少なくとも建築中には
潰れないでほしい・・・。
潰れないでほしい・・・。
というわけで、
今回は倒産しそうな会社と
契約してしまわないように、
契約前に注意しておきたいことを
まとめます。
次回、建築途中に倒産した場合の対処法、
お引渡し後に倒産した場合の対処法も
ご紹介していきます。
絶対に倒産しない会社はありませんから、
どんな会社と契約するにせよ、
万が一に備えて
知っておいてほしいと思います。
この記事でわかること
□ 倒産しそうな住宅会社を避けるために
契約前に注意したいこと
□ 万が一に備えて確認しておきたいこと
□ 完成保証とは?その注意点
契約前に注意したいこと
□ 万が一に備えて確認しておきたいこと
□ 完成保証とは?その注意点
目次
1.潰れそうな会社を回避する
①支払いが前半に偏っていないか
2.潰れそうな会社を回避する
②契約を急ぐ会社に注意
3.万が一に備えてチェック
①完成保証に加入しているか
黒字だとか赤字だとかは関係なく、
支払うべきときに支払うべきお金が
払えなくなったときに倒産します。
支払うべきときに支払うべきお金が
払えなくなったときに倒産します。
つまり、倒産しそうな住宅会社は
現金に困っている!!
現金が不足しそうになった会社は、
お客様からできるだけ
現金を集めようとします。
するとどうなるか。
支払い額の配分が
前半に偏るケースがあります。
数千万円という
大きな買い物である住宅建築では、
着手金・中間金・完了金のように
3~4分割で支払うのが慣例です
(4分割の場合はここに契約金が
追加されるケースが多いです。
住宅会社によります)。
一般的には3回払いなら、
だいたい3分の1ずつ。
3,000万円の家なら
着手金1,000万円・中間金1,000万円、
完了金1,000万円がめやすです。
着手金1,000万円・中間金1,000万円、
完了金1,000万円がめやすです。
支払いの回数・割合は
会社によって多少違いますが、
着手金50%など極端に
前半に支払いが偏っている場合は
資金繰りに困っている恐れがあるので
注意しましょう。
注意しましょう。
2009年、富士ハウスという
大手ビルダーが倒産しました。
そのときには
建築途中(着工済で未完成)の住宅728棟
契約済で未着工の住宅も806棟もあり
大きな問題になりましたが、
当時、富士ハウスは着手金として
70%もの金額を受け取っていたそうです。
早く契約金や着手金が
ほしい場合があるからです。
工事請負契約のタイミングは
住宅会社によって違います。
ある程度プランが決まったら
工事請負契約まで済ませてから
詳細設計を始める会社もあれば、
当社・中島工務店のように
建築確認申請まで済んで
着工のメドが立った時点で
工事請負契約という会社もあります
(当社の場合、設計については
別途設計契約を締結します)。
ただ、いずれにしても
お客様がまだその気になっていないのに
契約を強く勧めてくる場合は
注意した方がいいでしょう。
とはいえ、
これは営業の手法だったり、
担当営業さんの事情
という場合もあります。
これは営業の手法だったり、
担当営業さんの事情
という場合もあります。
迷っているお客様の背中を押すのも
営業の仕事ですから、
時には思い切って
強く勧めることもあります。
住宅会社の営業スタッフは契約実績で
お給料やボーナスが決まることも多いので、
担当営業さんが自分の成績のために
強く契約を勧めてくることもあります
(当社はコレを避けるために
営業スタッフも固定給制としています)。
会社の「契約強化キャンペーン」の
ようなケースもあるでしょう。
ようなケースもあるでしょう。
契約を急ぐ理由のみきわめは
なかなか難しいですが、
可能性のひとつとして
資金繰りに問題があるケースもあることを
踏まえておいてください。
完成保証とは、
建築中に住宅会社が倒産した場合に
施主の損害を保証し、
少ない負担で建物を完成させられるように
サポートする制度です。
住宅瑕疵担保責任保険法人の商品で、
保証内容は商品によって違います。
前払い済の費用を保証するもの、
別の建築業者に引き継ぐ際に発生する
追加費用を保証するもの、
工事を継続してくれる
建築業者を紹介してくれるもの、
あるいは
これらを組み合わせたものなどがあります。
詳しくは住宅瑕疵担保責任保険法人の
サイトをご覧ください。
いずれの場合も注意したいのは、
①保証料は施主負担、
②保証には限度額がある という点。
①保証料は施主負担、
②保証には限度額がある という点。
完成保証に加入している
=倒産しても安心
ではありません。
完成保証制度に加入している会社は
契約に際して
内容を説明してくれるはずです。
なかなか複雑な制度なのでよく理解して、
利用するかどうか判断してください。
なお、住宅会社が
完成保証制度に加入するには
厳正な審査があります。
財務状況がよくないと加入できないため、
完成保証制度に加入している
=財務が安定
=倒産しにくい
という傾向はあります。
ただ、完成保証には
「財務状況に問題があって
倒産の不安がある会社ほど加入できない」
「加入できるような財務状況のよい会社は
完成保証を必要としていない」
という矛盾があります。
そのため財務状況がよいからこそ
加入していない住宅会社も
たくさんありますが、
ひとつの目安にはなるので、
建築予定の住宅会社が加入しているかどうか
質問してみましょう。
質問してみましょう。
住宅会社は同業者が集まった団体に
加盟しているケースがよくあります。
それらの団体の中には、
会員会社が倒産した場合に
団体のメンバー内で
工事を継続してくれる会社を
紹介してくれる場合があります。
次回「建築中に倒産した場合の対処法」で
お話ししますが、
建築途中で住宅会社が倒産してしまったら
施主は自力で残りの建築をしてくれる会社を
見つけなくてはいけません
(完成保証で工事業者を
紹介してくれる場合を除く)。
他社が建築途中の工事を引き継ぐのは、
建築業者にとってもリスクが大きく
簡単に引き受けられるものではありません。
そこまでにどんな施工がされているか
わかりませんし、
自社の設計・施工の考え方と
一致しなかったり
コストが合わない点があって当然ですから。
わかりませんし、
自社の設計・施工の考え方と
一致しなかったり
コストが合わない点があって当然ですから。
つまり、万が一のときに
お客様が自力で建築を継続してくれる
業者を見つけるのは非常に難しいと
言わざるを得ません。
お客様が自力で建築を継続してくれる
業者を見つけるのは非常に難しいと
言わざるを得ません。
そんなときに
協力してくれる可能性があるのが、
加盟団体です。
協力してくれる可能性があるのが、
加盟団体です。
多くの団体はそこまでの制度はありませんが
その団体に加盟している
=家づくりの考え方が似通っているので、
まったく無関係の建築業者に比べれば
引き継いでもらえる可能性が
高くなるといえます。
万が一に備えて、
どんな団体に加盟しているのか
確認しておきましょう。
①決算書を確認する
建築予定の住宅会社が上場企業の場合、
決算書が公開されています。
決算書が公開されています。
各会社のHPにも掲載されていますし、
EDINETでも検索できます。
決算書の分析方法は
ここでは割愛します
(それだけで専門記事が
たくさん書けてしまいますから・・・)。
分析できるなら
決算書から判断するのが一番です。
②職人さんの話を聞く
その会社の仕事を請け負っている
協力業者や職人さんの話が聞けると
参考になります。
協力業者や職人さんの話が聞けると
参考になります。
特に「支払いが遅れている」などの
話があったときには注意が必要です。
が、現実的にその住宅会社の
スタッフさん抜きで
職人さんと話せる機会は
まずないですよね・・・。
現場見学などの際にチャンスがあれば
聞いてみるのもオススメです。
③手形払いか聞いてみる
手形とは
「取り決めた金額を
一定の期日に支払うという証書」です。
「取り決めた金額を
一定の期日に支払うという証書」です。
手形払いが悪いわけではありませんが、
手元資金に不安がある会社が
支払期日を先延ばしにするために
使うことがあります。
かつては手形払いが多かった建設業界も、
今は現金払いが主流です。
もし建築予定の会社が
手形払いを多用している場合、
資金繰りに不安がある可能性があるので
注意しましょう。
※手形払いそのものが悪いわけではありません。
事業の性質上、
入金(客先からの支払い)と
出金(仕入れ先への支払い)の
タイミングがずれる場合、
手形は有効な資金繰りの手法のひとつです。
1日あたり4件弱が倒産している計算です。
大きな会社でも小さな会社でも、
倒産はあり得ます。
もちろんそんなことが起こらないよう
努めていますが、
“絶対”はあり得ません。
建築業者を決める際には、
今回ご紹介したような視点からも
会社を検討しましょう。