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新築住宅の定期点検

 

住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
 
今回のテーマは
「新築住宅の定期点検」です。

「家は完成してからが
本当のおつきあいの始まり」
という住宅会社がたくさんありますが、
これは本当で、
建築業者を選ぶときには
ぜひ重視していただきたいポイントの
ひとつです。

なぜなら、
家に経年変化は付きものですから。

当社の住宅部メンテナンス課によると、
だいたいこんな時期に
こんなメンテナンスが必要になります。

■2年目~
ウッドデッキなど外部木部の塗装
■5年目~
水廻りのコーキングの補修
■7~10年前後
外壁サイディングの塗装
目地コーキングの補修
■10年前後
熱源機交換
■15年目~
屋根の板金塗装・瓦漆喰補修など
 
ほかにも水栓やパッキンなどの消耗品は
いずれ必ず交換しなければいけませんし、
建具の調整や襖・障子の張替えなどは
適宜必要です。

住まいを快適な状態に保つためには
適切な時期に適切なメンテナンスを
行うことが大切
で、
そのためのアドバイスをするのが
住宅会社の役割です。

定期点検はそんな
住まいのメンテナンスの第一歩。

今日は定期点検で
どんなところをチェックするのか、
実際の点検の様子を密着レポートします。


※住まい手様のご厚意で点検の様子を
取材&レポートさせていただきました。
ありがとうございました。



目次


1.定期点検のしくみと流れ
2.外部チェック
3.内部チェック
4.報告書に印鑑をいただき完了


 


 


最初に、定期点検がどのように進むのか
しくみと流れを確認しておきましょう。

当社では1年・2年・5年に点検に伺い、
5年点検以降は
10年・15年・・・と5年ごとに伺います。
 
定期点検の流れはというと。

①点検予定月の前月になったら、
当社からお客様に
ご案内(返信用はがき入り)を郵送。

②お客様から当社へ返信用はがきで
希望日程の候補を送付。

③担当者からお客様に連絡、
点検日時を調整。

④点検当日
★今日はココのレポートです!

⑤担当者からメンテナンス課に
点検報告書を提出。

点検の結果、メーカーや協力業者に
対応を依頼する必要がある場合や
各種工事のご相談をいただいた場合は
別途対応いたします。

では早速、
定期点検に行ってみましょう!!

 

 


点検内容には大きく分けて
建物の外部と内部があります。

まずは外部からチェック開始です。

今回の担当は現場監督の香賀秀和。

住まい手様ご夫妻と一緒に
建物を見ていきます。

この日はあいにくの雨だったので、
傘をさしての点検になりました。

塗装やコーキングの状態などを
確認していくのですが、
今回のお住まいはお引き渡しから
まだ1年しか経っていませんから、
特に気になるところはありませんでした。

唯一アドバイスをさせていただいたのが
ウッドデッキの塗装です。

日当たりがよく雨にも濡れるので
一番塗装が劣化しやすい部分です。

現時点ではまだ大丈夫でしたが、
おそらく2年点検よりは前に
塗装し直した方がいい状態だったので
「自分で塗れますよ」と簡単にご説明。

ご主人が「暖かくなったらやってみます!」
とのことだったので、
改めて塗料のメーカーと品番を
お知らせするお約束をしました。

引き続き、外部を一周。
基礎の状態などもしっかり確かめて、
外部のチェックは完了です。

 


次は建物内部の点検です。
 
お客様に気になるところがないか
尋ねたところ、
玄関ドアの開閉時に
擦れるような音がするというお話が。
 
さっそく確認してみると、
確かに音がしています。

ドアの滑りがよくないためと判断し、
ドアレールにシリコンスプレーをひと吹き。
音がしなくなりました。

次にトイレの換気扇。
 
換気扇を動かすときに少しですが
異音がするのが気になるとのこと。

こちらも換気扇を開閉するバネの部分に
シリコンスプレーを吹き付けました。

このときに
換気扇のお手入れのしかたもご説明。

周辺の交通量などにもよりますが、
トイレの換気扇って結構汚れるんです。

住まい手様に実際に羽根のつけはずしを
やってみてもらいました。
取り外したトイレの換気扇の羽根
においが気になるところがないか
リモコンやスイッチ類の動作に問題はないか
シロアリ等を見かけたことはないかなど
規定の項目に従ってお客様に確認します。

床下点検口から床下の状態も確認しました。

すべて問題ありません!

ここで、奥様からリビングの
バーチカルブラインドの開閉方向を
変えたいというご相談が。

左から右に開くように
取り付けていましたが、
家具を置いてみると逆の方が使いやすい
ということに気づいたそうです。
 
ご主人にも協力いただいて
逆向きに取り付けし直しました。

定期点検の際には不具合だけでなく、
生活する上でのちょっとした
お困りごとや要望なども
相談いただくことがよくあります。
 
この日も
「棚板の位置って変えられるの?
増やすこともできるの?」
というご相談があったので、
位置の変え方・増やし方を
お伝えしました。

内容によっては部材が必要だったり
別途業者を手配しなければいけない
ということもあり、
有料となる場合もあります。

ですが、その場でできることは
できるだけ対応するようにしていますので
気軽に相談してほしいと思います。

 

 


すべてチェックし終わったら、
点検完了のしるしである
書類の記入を行います。

まずは住まい手様が保管している
「定期点検スケジュール」に
点検を実施した香賀がサインします。

「定期点検スケジュール」は
お引き渡しの際にお渡しする
様々な書類のひとつで、
その名の通り点検予定が書かれています。
 
今回の点検で「半年点検」に続いて
「1年点検」の欄が埋まりました。

続いて、点検報告書に
お客様の印鑑をいただきます。

こちらは点検担当者が
メンテナンス課に提出するもので、
これによって会社は
点検が確実に実施されたことを
確認します。

点検実績は
顧客管理システムにも登録され、
住宅部のスタッフ全員が
点検が完了したことを
確認できるようになっています。

これで定期点検完了です!

この日の点検の所要時間は
約1時間15分でした。

このように定期的にプロの目で
住まいの状態をチェックすることにより、
問題が起こる前に早めに
適切な対処をしていくことができます。

もちろん、
定期点検のタイミングでなくても
機器の故障などなにかあったときには
随時対応しますが、
やはり定期点検をしっかり行うことが
住まいをよい状態に保つ大前提です。

建築業者を選ぶ際には
定期点検などアフター対応の体制を
確認していただくとともに、
ご入居後は忙しくても
点検を欠かさないことが大切です。