現場
現場で気になることの上手な伝え方
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
家づくりのヒントをお話しするブログ。
工事にまつわる最初のテーマは
「現場で気になることの伝え方」です。
「現場で気になることの伝え方」です。
新しい暮らしへの夢を膨らませて
楽しかった設計が終わると、
いよいよ工事が始まります。
楽しかった設計が終わると、
いよいよ工事が始まります。
工期は建物の大きさや
仕様などによって変わりますが、
当社の場合は延床面積35坪で
約7カ月がめやすです。
春に着工しても
入居できるのは冬前になりますから、
長いなぁと思われるかもしれません。
でも、この期間は
どんどん建物ができていくので、
終わってみると「意外と短かった」と
言われることもよくあります。
我が家ができるプロセスを見るなんて
一生に一度の機会ですから、
時間が許せばできるだけ
現場を見に行くとよいと思います。
一生に一度の機会ですから、
時間が許せばできるだけ
現場を見に行くとよいと思います。
きっとかけがえのない思い出になります。
とはいえ、一生に一度だからこそ、
実際の工事の内容は
よくわからないことも多いと思います。
初めて見るんだから当たり前です。
わからないことがあったら
遠慮せず質問してください。
現場を訪ねたときに
大工さんや職人さんがいれば、
その場で質問していただくと
すぐに説明してもらえるので
わかりやすいでしょう。
出来映えが気になるところはもちろん
確認していただきたいと思いますが、
「これってどうやってつくったのかな」とか
「次は何をするんだろう」といった
単に聞いてみたいことも
遠慮なく聞いちゃいましょう。
我が家がどうやってできているのかを
知ることができるのは
注文住宅ならではの醍醐味ですから!
けれども、誰もが平日の昼間に
現場に行けるわけではありません。
夜や日曜にしか行けなくて、
気になることがあっても
なかなか聞けないこともあるでしょう。
また、仕上がり具合が気になっても
「目の前でがんばっている
大工さんには言えない」
なんてこともありますよね。
でも、それをちゃんと聞くことが
納得できる家づくりにつながります。
納得できる家づくりにつながります。
そこで今回は、
現場監督さんなど目の前にいない人に、
目の前にない現場について
どのように説明すると
言いたいことが伝わるのか。
相談を受ける側の立場から
「こういうふうに伝えるとわかりやすい」
というコツをお話しします。
目次
1.住宅にまつわるトラブルの相談は
年間28,000件以上
2.現場で気になることの伝え方のコツ
①すぐに伝える
3.現場で気になることの伝え方のコツ
②メールを使おう
それは、お客様に納得して
家づくりをしていただくために重要だから。
聞いてみたら
「なんだ、そういうことか」と
あっさり頷けるようなことでも、
聞かずにいると
なんとなくモヤモヤしたまま
工事が進んでしまったり、
場合によっては不信感が募って
トラブルにつながってしまうことも。
公益財団法人住宅リフォーム・
紛争処理支援センターによると、
住宅にまつわるトラブルの相談は
年間28,000件以上あります。
紛争処理支援センターによると、
住宅にまつわるトラブルの相談は
年間28,000件以上あります。
上のグラフは
住宅リフォーム・紛争処理支援センターが
受け付けた新規電話相談件数の推移です。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターが
受け付けた新規電話相談件数の推移です。
2000年に業務開始して以降、
年々増えて2015年度には
28,638件になりました。
うち、新築戸建の持ち家に関する相談は
12,752件。
また、新築にまつわるトラブルに関する
苦情の相手は6割弱が施工業者です。
詳しくは「住宅相談統計年報2016」を
ご覧ください。
住宅会社の立場から
ひとつはっきりと言えるのは、
トラブルを起こそうと思って
やっている業者はないということです。
それでもトラブルが起こってしまうのが
家づくりの難しいところなのですが、
特に注文住宅でトラブルが起こってしまう
原因のひとつに
「コミュニケーションの行き違い」
があります。
家づくりは最初から最後まで
取捨選択の繰り返しで、
細かいことをたくさん
決めていかなくてはいけません。
その中でコミュニケーションの
行き違いをなくすために、
例えば当社では打ち合わせ後には
毎回「打ち合わせ記録」を作成して
お客様の承認印をいただくなど、
施工業者も様々な努力をしています。
また、実際のところ
トラブルにまでなることは
ほとんどありませんが、
「できたのを見たら、
思っていたのと違っていた」
ということはあります。
見慣れない建築図面や
小さなサンプルから完成した建物を
イメージするのはとても難しいので、
図面通りにつくっていても
お客様が抱いていたイメージと
違ってしまうことがあるのです。
もちろん住宅会社側は
そうならないように
精一杯努力しなくてはいけません。
が、それでも、
どうしても行き違いや勘違いを
ゼロにするのは簡単ではありません。
お客様も住宅会社も
よい家を建てたいと思っているのは
同じなのに、
ちょっとした行き違いや勘違いから
気持ちがすれ違ってしまったり、
トラブルになってしまうのは
すごく残念なことですよね。
そうならないためには
やっぱりコミュニケーションが大切。
だから気になることは
まず伝えてみてほしいと思います。
それでは、本題の
「伝え方のコツ」いってみましょう!
なぜって、
工事はどんどん進んでいるから。
「あの件も聞きたいから、
週末にまとめて相談しよう」とか
「今度、現場監督さんに会ったときに
聞いてみよう」なんて
思うこともありますよね。
でも、その数日のあいだにも
工事は進んでしまいます。
気がついたときに
相談していただいたら
変更や手直しができたことも、
数日経ったらどうしようもない・・・
なんてことは結構あります。
工程は川の流れと同じで、
ひとつの方向にしか流れていきません。
行き過ぎてしまったらもう戻れなくなるか、
戻るのにすごくパワーが必要になります。
相談いただいたら
なんでもできるわけではありませんが、
早めに相談していただくことで
対処できることもありますので
すぐ伝えるがひとつめのポイントです。
気になったそのときに
現場監督に電話で相談するといいでしょう。
でも2つの理由から、
メールを使うと
よりいいんじゃないかと思います。
ひとつめの理由は、
時間を気にしなくていいこと。
出勤前の早朝や帰宅後の夜、
あるいは日曜日に現場を見に行く
という方もたくさんいらっしゃいます。
すると、気になることがあったから
といってすぐ電話しよう!
とはなりませんよね。
また、そういう時間だと
電話をもらった現場監督も
出られないことが多くなってしまいます。
平日の昼間でも
業務の状況によっては
電話に出るのが難しかったり、
じっくり話を聞く
余裕がないこともあります。
電話って相手が何をしているか
わからないから
どうしても気を遣ってしまいますし、
気を遣っているうちに
かけられなくなったり・・・
なんてこともありますよね。
わからないから
どうしても気を遣ってしまいますし、
気を遣っているうちに
かけられなくなったり・・・
なんてこともありますよね。
メールだとそういう気遣いが
必要ありません。
ふたつめの理由は、
写真と本文のボリュームです。
最近は、
メールってあんまり使わない、
LINEの方が・・・という方も
増えていますね。
わかります。
でも、やっぱり現場について
質問するときにはメールをおすすめします。
建築の話って、
なんだかんだ専門的で難しいんです。
写真に撮ってもごちゃごちゃして
わかりにくいこともありますし、
説明も長くなりがちです。
LINEの長文って・・・
ちょっとつらいですよね。
住宅会社が返信する場合にも、
いただいた質問より
ずっとずっと長文になったり、
図面などの資料を
添付したりすることもあります。
そういう意味でも、
メールを使える環境にある方は
メールを使っていただくと
お互いやりやすいと思います。
LINEがダメというわけではありませんし、
例えば打ち合わせ時間の確認など
簡単なメッセージなら
LINEの方が適していますから、
上手に使い分けたいですね。
ところでLINEは、
フツーに画像を送信すると
小さなサイズに自動変換されてしまいます。
建築関連の写真の場合、
画質が粗くなると細かい点が
わからなくなってしまうことがあります。
LINEで現場の写真を送るときには、
一覧から写真を選択するときに
「オリジナル画質」に
チェックを入れて送ると
高画質のまま送れるのでおすすめです!
家を1軒建てるまでには
ものすごくたくさんの部材を使います。
例えば、
「リビングの柱が・・・」と言われても
リビングだけで柱は10本以上ありますから
どの柱なのか特定することから
始めなくてはいけません。
さらによくあるのが、
お客様が言われる部材の名前と
私たちが呼ぶ名前が違っていて
混乱するケースです。
例えばこの写真をご覧ください。
伝えたいのは赤い丸印の部分についてです。
ここは「梁(はり)」というんですが、
お客様の中には「柱」と言われる方が
たくさんいらっしゃいます。
お客様の中には「柱」と言われる方が
たくさんいらっしゃいます。
梁なんて日常生活で
使う言葉ではありませんから、
仕方がありません。
ただ、私たちは「柱」と言われると
どうしても柱を探してしまいます。
で、ずいぶん悩んで
お客様にもう一度
確認の連絡をするなどしてから
「あ~、梁のことだったんだ!」
と気づくわけなんですが。
それってお互い
とてももどかしいですよね。
でも写真に印をつけて送れば、
見ての通り、簡単にわかります!
上の画像は
長久手Studio建築中のものなんですが、
もし赤い丸印のところを
写真なし・言葉だけで伝えるとしたら。
2階の
↑まず階を特定
↑まず階を特定
畳スペースの
↑どの部屋か特定
↑どの部屋か特定
南側の
↑わかれば方位を特定
↑わかれば方位を特定
梁の
↑部位を特定
名前がわからなければ
「床と平行の長い木で
高さ2mくらいのところを
東西に通っている・・・」とか。
↑部位を特定
名前がわからなければ
「床と平行の長い木で
高さ2mくらいのところを
東西に通っている・・・」とか。
西から2本目の柱の上
↑具体的な箇所を特定
でも、ここでも
ちょっと難しいポイントがあります。
○をつけている柱の右の方に
細い柱っぽいものが2本ありますよね。
柱みたいだけれど、
緑色の養生材を巻いていないものです。
コレ、間柱というんですが、
私たちはこれを「柱」とは数えません。
だから
「西から数えて2本目の柱の上」
になるんですが、
間柱を柱として数えたら
「4本目の柱の上」に
なってしまいます。
そんなのわかんないからっ!
でも。
今は画像加工アプリで
簡単に印を書き込めますし、
誤解なく言いたいことを伝えるためには
写真に印がおすすめです。
↑具体的な箇所を特定
といったところでしょうか。
でも、ここでも
ちょっと難しいポイントがあります。
○をつけている柱の右の方に
細い柱っぽいものが2本ありますよね。
柱みたいだけれど、
緑色の養生材を巻いていないものです。
コレ、間柱というんですが、
私たちはこれを「柱」とは数えません。
だから
「西から数えて2本目の柱の上」
になるんですが、
間柱を柱として数えたら
「4本目の柱の上」に
なってしまいます。
そんなのわかんないからっ!
って思いますよね。
その通り、わかるはずがありません。
でも。
そんなときにも、
写真に印をつけておけば一発でわかります!
写真に印をつけておけば一発でわかります!
今は画像加工アプリで
簡単に印を書き込めますし、
誤解なく言いたいことを伝えるためには
写真に印がおすすめです。
写真を撮って、
画像加工アプリで
気になるところに印をつけて、
メールに添付して送信!
これだけです。
目の前にない現場について
目の前にいない監督さんとお話しするなら、
この方法が一番です。
メールの後に電話で相談する場合も、
同じ写真を見ながらだと
わかりやすいですしね。
ぜひ試してみてください。