プロが教える家づくりのヒント HINT

暮らし

住宅のアフター対応


 
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
 
家づくりといいつつ、
お引き渡し後の暮らしについても
アドバイスしちゃいます。

家は完成して終わりじゃありませんから。

当社もお引き渡し後の定期点検はもちろん
建てさせていただいた家がある限り、
様々なお困りごとに
対応させていただいています。

そう、家には
メンテナンスがつきものなんです。

年月とともに
設備は必ず劣化していきますし、
床も壁も建具も、外壁や屋根だって
どうしたって傷んできます。

だからこそ
定期点検に行かせていただくんですが、
設備の故障などは
いつ起こるかわかりません。

今回は、そんな急な困りごとの際に
素早い解決に役立つ
ちょっとしたアドバイスをお話しします。



目次


1.困ったらとにかく電話しよう
2.症状を記録しておくと原因の特定に
3.修理依頼の7割は1週間以内に完了
 



 


お困りごとの連絡って、
とりあえず電話すればいいんじゃないの?
と思われましたか。

そのとおり!
まずはとにかく電話してください。
 
SUUMOの調査によると
家の中で起こる設備のトラブルは
こんな感じです
SUUMOなんでもランキングより)。

1位や4位は家電の故障ですが、
そのほかは注文住宅であれば
施工した住宅会社にご相談いただくのが
よい内容ばかりですね。
 
特に、
2位 トイレが詰まった
5位 お風呂が壊れた
8位 排水溝が詰まった
9位 水が出なくなった
はすべて水廻りのトラブルで、
すぐに対処しないと
生活に支障があるでしょう。

そんなときには、
まずとにかく施工した住宅会社に
電話してください。

 

 


電話をすれば、
住宅会社の担当スタッフなどが駆けつけて
問題の解決に当たってくれます。

問題を解決するためには、
まず原因を特定しなくてはいません。

ここからは少しでも早く
原因を特定するために
やっておくといいこと
をお話しします。

それは症状を記録しておくことです。

具体的に記録してほしいのは
・症状が起こる頻度
・症状が起こったときの具体的な状況
(どんなときに、何をしたら起こったか)
・規則性の有無
といったところです。

これがあるだけで
業者は原因を推測しやすくなります。

ある症状が起こったとき、
業者はおもに考えられる原因を
いくつか頭に浮かべながらやってきます
(工具や部材を用意してきたりもします)。

仮にA、B、Cの3つを想定してきたとして
症状や起こる頻度や規則性、
具体的な状況がわかれば
「Aはありえない。BかCだな」
というように
原因を絞り込んでいけるんです。

するとAに関する調査は省略して
BとCの調査を行えるので、
より早く原因が特定できるというわけです。

当社のお客様で
実際にあった例をご紹介しましょう。
 
あるお客様から
「ときどき停電が起きる」
という連絡をいただきました。

ときどき停電が起きるけど、
ブレーカーを上げると
また普通に通電するんだそうです。

当社の担当スタッフは、
最初、エアコンの使い過ぎによる
容量オーバーではないかと考えました。

ブレーカーって、
電力会社と契約している電力量を
超える電流が流れたら自動的に落ちる
しくみになってるんですよね。

でも、このときお客様から
「エアコンをつけていなくても
停電が起こるし、
つけていても停電しないこともある」
というお話をお聞きしました。

どんなときに停電が起こるのかを
記録しておられたんです。

その記録を拝見した担当スタッフは
「漏電の可能性が高い」と判断。

結果としては食洗機で漏電が発生して、
漏電ブレーカー
(漏電遮断器。
漏電を感知したら自動的に
ブレーカーを落とす)
が作動していたことがわかりました。

このように、
頻度・具体的な状況・規則性がわかると
原因の特定に役立つので、
修理までの期間を短縮することができます。
 
もちろん、中には
私たち業者もなかなか思いつかないような
原因で起こる故障やトラブルもあるので、
記録があっても原因の特定まで
時間がかかるケースもあります。

それでも、原因を絞り込んでいくためには
必ず役に立ちますので、
可能な範囲で記録して
業者に伝えるとよいでしょう。


 


ところで
「修理依頼ってどのくらいの期間で
対応してもらえるんだろう」
って思っていませんか?

最初に見たように
トラブルが起こりやすいのは
やっぱり水廻りですから、
「すぐに直してほしい」と思いますよね。
 
最後に、参考までに、
当社の場合の修理対応の所要期間の
データをご紹介しておきます。

2015年度のデータです。

当社で新築またはリフォームを
させていただいたお客様からいただいた
修理の依頼に対して、
受付日から何日後に対応を完了したかを
集計したものです。

グラフにある通り、
全体の21.1%が当日に対応完了、
26.3%が翌日には対応完了しています。
約半分は翌日までに
対応が完了
しているというわけです。

期間が長くかかったものもありますが、
全体の68.4%が1週間以内に
対応完了しています。

調査に時間がかかったり、
そこそこの規模の工事になった場合は
どうしても時間がかかってしまいますが、
数日から1週間で完了するケースが多いので
まずは相談していただきたいと思います。

なおこの場合の「完了」は
修繕などの工事が
完全に終了したときを指していますので、
完了まで1週間かかっている場合でも
それ以前に可能な限りの
応急処置はしています
ので
「1週間も水漏れしたまま!?」
なんていうことはありませんので
ご安心ください。