設計
樹脂サッシをおしゃれに見せる方法
住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
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今回のテーマは
「樹脂サッシをおしゃれに見せる」です。
「樹脂サッシをおしゃれに見せる」です。
住宅の断熱性能が
重視されるようになるにつれ、
樹脂サッシが急速に普及しています。
重視されるようになるにつれ、
樹脂サッシが急速に普及しています。
世界的に脱炭素への機運が高まる中、
断熱性能が高く、
省エネにつながる樹脂サッシは
さらに広がっていきそうです。
でも、樹脂サッシはアルミサッシに比べて
色の選択肢が少なく框の幅が太いなど、
デザイン的には難しい側面もあります。
今回は樹脂サッシの断熱性能を整理した上で
色・框のサイズなど
デザイン的要素をアルミサッシと比較。
少々難しい樹脂サッシを
おしゃれに見せる方法をご紹介します。
選択肢のひとつとして、
サッシなしのFIX窓も取り上げます。
断熱性能とデザインを両立する方法の
ひとつとして参考にしてください。
この記事でわかること
□ 樹脂サッシの断熱性能
□ 樹脂サッシのデザイン的な弱点
□ 樹脂サッシをおしゃれに見せる方法
□ 樹脂サッシのデザイン的な弱点
□ 樹脂サッシをおしゃれに見せる方法
目次
1.樹脂サッシのメリットと窓の選び方
2.樹脂サッシのデザイン的弱点
3.樹脂サッシの弱点
①素材のプラスチック感
4.樹脂サッシの弱典②
カラーバリエーションの少なさ
5.樹脂サッシの弱点
③框が太い
6.樹脂サッシをおしゃれに見せる方法
7.樹脂サッシをおしゃれに見せる方法
①アクセントにする
8.樹脂サッシをおしゃれに見せる方法
②小窓を複数使う
9.樹脂サッシをおしゃれに見せる方法
③サッシなしFIX窓
10.樹脂サッシを上手に使おう
11.網戸も要チェック
樹脂はアルミに比べて熱を伝える量が
1000分の1ととても少ないので、
断熱性が向上します。
窓の断熱性を高くすると
家全体の断熱性向上につながり、
冷暖房も効きやすくなるので
省エネになります。
窓の断熱性は
①サッシ
②ガラス
③ガラスのあいだの層
(ペアガラス以上)
の組み合わせで決まりますが、
それぞれ断熱性の順番は次の通りです。
●サッシ
アルミサッシ<アルミ樹脂複合サッシ<樹脂サッシ
●ガラス
単板ガラス<複層ガラス(ペアガラス)<トリプルガラス
●ガラスのあいだの層
空気層<空気層+Low-E膜<アルゴンガス+Low-E膜
アルミサッシと樹脂サッシは
単純に材料の違いです。
アルミ樹脂複合サッシというのは
室内側が樹脂、室外側がアルミです。
ガラスとガラスのあいだの層というのは
ちょっとわかりにくいですね。
まず、単純にガラスの枚数が増えれば
断熱性は高くなります。
ただ、そのガラスとガラスのあいだに
空気を入れるかアルゴンガスを入れるか、
Low-E膜を入れるかによって
さらに断熱性能に差が出るんです。
空気を入れるかアルゴンガスを入れるか、
Low-E膜を入れるかによって
さらに断熱性能に差が出るんです。
アルゴンガス
空気より重く熱を伝えにくい。
ガラスのあいだに入れると
熱を伝える対流を抑えて
断熱性が高くなる。
Low-E膜
やっぱりちょっと難しいですが、
アルゴンガスが対流を、
Low-E膜が放射による
熱の伝わりを抑えるので
この2つが含まれている方が
断熱性能が高いというわけです。
つまり最も断熱性が低いのが
「アルミサッシ+単層ガラス」で
最も断熱性が高いのが
「樹脂サッシ+アルゴンガス入り
Low-Eトリプルガラス」です。
中島工務店では、
愛知県や岐阜県の山間部を除く地域では
樹脂サッシ+Low-Eペアガラスを
おすすめしています。
断熱性が高いと冷暖房が効きやすいので、
イニシャルコストは高くても
住み始めてからの光熱費は抑えられるため
どの程度の断熱性にするかは
住宅会社とよく相談して決めてください。
ガラスのあいだに入れると
熱を伝える対流を抑えて
断熱性が高くなる。
Low-E膜
Low Emissivityの略。
低放射という意味で、
ガラスのあいだの層の放射による
熱の伝わりを抑える。
低放射という意味で、
ガラスのあいだの層の放射による
熱の伝わりを抑える。
やっぱりちょっと難しいですが、
アルゴンガスが対流を、
Low-E膜が放射による
熱の伝わりを抑えるので
この2つが含まれている方が
断熱性能が高いというわけです。
つまり最も断熱性が低いのが
「アルミサッシ+単層ガラス」で
最も断熱性が高いのが
「樹脂サッシ+アルゴンガス入り
Low-Eトリプルガラス」です。
実際に窓を選ぶときには
その範囲で地域の気候やコストを
考慮して決めていきます。
その範囲で地域の気候やコストを
考慮して決めていきます。
中島工務店では、
愛知県や岐阜県の山間部を除く地域では
樹脂サッシ+Low-Eペアガラスを
おすすめしています。
もちろん建物の性能にもよりますし、
予算が許すならトリプルガラスにした方が
必ず断熱性は高くなります。
予算が許すならトリプルガラスにした方が
必ず断熱性は高くなります。
断熱性が高いと冷暖房が効きやすいので、
イニシャルコストは高くても
住み始めてからの光熱費は抑えられるため
どの程度の断熱性にするかは
住宅会社とよく相談して決めてください。
選ぶお客様がいます。
なぜなら樹脂サッシは
デザイン的な弱点があるから。
具体的には次の3つです。
樹脂サッシのデザイン的弱点
①素材のプラスチック感に
好き嫌いがある。
②特に室内側の
カラーバリエーションが少ない。
カラーバリエーションが少ない。
③框(かまち)部分が太く、
ごっつい印象になる。
ごっつい印象になる。
アルミサッシがシャープな印象、
木製サッシがぬくもりある印象で、
それぞれ素材感を大切にした
家に似合いやすいのに対して、
樹脂サッシはどうしても
なじまないケースがあります。
周囲の空間との組み合わせにもよるので
一概には言えませんが、
インダストリアル系の無機質な印象や
自然素材系のあたたかい印象を大切にする
デザインには合わせにくいという
弱点があります。
特に室内側の選択肢が少なく、
これが理由でやむを得ず
アルミ樹脂複合サッシを選ぶ
お客様もいるほどです。
例えばYKKapの場合。
この5色の中で
室内インテリアに似合う色がない場合
ダウングレードして
アルミ樹脂複合サッシを選ぶ
結果になっています。
これがアルミサッシに比べて太いんです。
比較して見せられればいいのですが、
ちょっと並べて見せられる例を
見つけられませんでした。
ちょっと並べて見せられる例を
見つけられませんでした。
なので感覚的な説明になってしまいますが
長年住宅建築に携わっている
スタッフによると
「框の太さがアルミサッシの3割増」
だといいます。
框が太くなると
インテリアにおける
サッシの存在感が増します。
インテリアにおける
サッシの存在感が増します。
さらに、
カラーバリエーションが少ないとなると
それなりに目立つことを
前提にしなければならず、
設計デザイン的に
悩ましい点のひとつになっています。
とはいえ、断熱性を考えると
できるだけ樹脂サッシを
採用したいですよね。
今回は樹脂サッシを
おしゃれに見せる方法を
3つご紹介します。
①アクセントにする
②小さな窓を複数使う
③サッシを使わずFIX窓にする
この3つの組み合わせで
かなりデザイン的弱点を
カバーできると思いますので、
ご覧ください。
この3つの組み合わせで
かなりデザイン的弱点を
カバーできると思いますので、
ご覧ください。
樹脂サッシの色や質感を
そのまま活かして
インテリアのアクセントにする方法です。
そのまま活かして
インテリアのアクセントにする方法です。
残念ながら当社施工事例では
よい例が見つけられませんでしたが、
白い壁に黒いサッシなど、
どうせ目立つなら
意図的に目立たせようという発想です。
家全体のイメージにもよりますが、
あえて目立つ色などを使って
アクセントにしてみるのも
ひとつの方法です。
大きな窓で目立ちやすい
樹脂サッシを使った場合と、
小窓を複数使った場合では
印象がかなり違います。
樹脂サッシを使った場合と、
小窓を複数使った場合では
印象がかなり違います。
小窓にしても樹脂サッシの
カラーバリエーションの少なさや
框の太さは変わりませんが、
小窓を並べることによって
全体的な印象を変えることができます。
小窓を使うときの注意点は、
明るさや換気量の基準を満たすこと。
住宅の居室の窓には
採光・換気・防火に関する
規定があります。
これらを満たすのはもちろん、
その部屋の用途によって
必要な明るさが確保できるように
注意してください。
窓の規制については
こちらの記事をご覧ください。
>新築住宅の窓の付け方
窓の開け閉めのしかたにも
注意しましょう。
注意しましょう。
一般的な引き違い窓と違って、
小窓は開け方が特殊です。
「すべり出し窓」といって
上や左右に押し出すものが多く、
このタイプでは網戸を
窓の室内側に設置するので、
上や左右に押し出すものが多く、
このタイプでは網戸を
窓の室内側に設置するので、
開閉時に虫が入りやすいといった
デメリットもあります。
デメリットもあります。
手動と電動もあり、
設置する場所によって
よく考えて選びましょう。
コスト的には、
大きな窓を1枚いれる方が
小さな窓を複数つくる場合より
費用が抑えられます。
とはいえ、小さな窓の枚数が
特別多いのでなければ、
それほど大きな
コストアップにはなりません。
目につきやすいところでは
デザインを重視して
小窓を複数にするなど、
コストとデザインのバランスを考えて
決めましょう。
FIX窓を上手に使うと、
窓まわりの印象がアップします。
窓まわりの印象がアップします。
FIX窓とは、つまり開閉できない窓。
はめ込み、はめ殺しなどともいわれます。
構造材に直接ガラスを設置しますが、
サッシがなくてもガラスの性能が同じなら
サッシありの窓と断熱性能は同じです。
同じ大きさなら、サッシがない分、
費用を抑えられます。
壁の中にガラスで抜けた空間ができるので、
見た目はカッコイイですよね。
左端がFIX窓
真ん中は木製サッシ引違い窓
真ん中は木製サッシ引違い窓
FIX窓は窓まわりの構造材が
木材の場合、
サッシに比べて傷みやすいので
注意しましょう。
とはいえ、
樹脂に比べて傷みやすいだけで
外部木部と同程度の傷み方なので、
外部木部のメンテナンスの際に
一緒に塗り直しなどを行えば
大丈夫です
(※外部木部は立地条件により
10~20年で塗り替えが必要です)。
樹脂に比べて傷みやすいだけで
外部木部と同程度の傷み方なので、
外部木部のメンテナンスの際に
一緒に塗り直しなどを行えば
大丈夫です
(※外部木部は立地条件により
10~20年で塗り替えが必要です)。
採用する際には、
カラーバリエーションが少ない、
框が太いといった
デザイン的な弱点を
あらかじめ理解しておきましょう。
カラーバリエーションが少ない、
框が太いといった
デザイン的な弱点を
あらかじめ理解しておきましょう。
一般的にサッシの色決めは
間取りなどの設計が決まった後ですが、
設計段階で限られた色を
織り込んでおくと色決めになって
「思っていた色にできない!」
という心配がなくなります。
窓は面積的にも
床・壁・天井に次いで大きく、
外の風景を室内に取り込む重要な要素です。
Instagram・Pinterestなどで
たくさんの住宅写真を見て、
目を肥やしてみてください。
窓をおしゃれに見せると、
建物全体の印象が変わります!
窓につきものの網戸も、
ちょっとした違いで
見た目の印象が変わる
大事なポイントです。
網戸はサッシと
セットになった商品もあれば、
別で選べる商品もあります。
開閉方法も様々で、
ロール網戸といって
使わないときは
窓の上部や左右どちらかに
収納しておけるものもあります。
網戸の真ん中の桟の有無も
印象を決める大事なポイント。
小さめの網戸なら、
真ん中の横桟がないものを選ぶと
スッキリきれいに見えます。
戸袋をつくれば、
大きな網戸でも使わないときには
収納できるので
見た目がずいぶん違います。
長久手Studioの主要な窓は
戸袋に窓も網戸も
収納できるようになっていますので、
ぜひ見に来てください。