プロが教える家づくりのヒント HINT

現場

【現場の大工からアドバイス】
焦らないこと、現場に足を運ぶこと

 

住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。
 
今回は家づくりの現場を担う
大工さんにインタビュー!

なかなか控えめな大工さんに
一生懸命突っ込んで、
20年現場に携わってきた大工の目から見た
中島工務店の家づくりの変化や
お客様へのアドバイスを聞きました。

インタビューに協力してくれたのは
棟梁・加地健二さん。

現場のお昼休みにお邪魔して、
お弁当を食べながら
ざっくばらんにおしゃべりしました。

興味を持っている人が意外と多い
「大工になるには」「大工の仕事」
といった点からも
参考にしていただけます!

加地 うちのおばあちゃんが
中島工務店の社長と知り合いで、
紹介してもらって
面接に行ったのが最初でした。

社員として入社して親方の下で
5年間修行させてもらいましたが、
面接で「大工になりたい」と言った
覚えはあまりありません(笑)


-特に大工になりたかったわけではない?(笑)

加地 大工になりたいって言ったのかなぁ?
僕は木材産業が盛んな付知町の出身で、
地元産業に貢献したいとは
言ったと思います。

それに子どもの頃から
ものづくりが好きだったので、
建築をやるんなら
大工がいいと思ったのかなぁ。
かんなの刃を研ぐ
-道具の手入れも大工の仕事



-子どもの頃から
大工さんが身近にいたんですね。

加地 周りにいっぱいいたし、
高校のときに実家を新築したときには
ちょこちょこ現場を覗いて
すごいなぁと思っていました。

職人さんってとっつきづらいから
柱の陰からこっそり見てたんですけど。


-修業時代はたいへんでしたか?

加地 そうでもありませんでした。
親方はやさしくて
丁寧に教えてくれましたし、
同年代の兄弟子がいたので助けられました。

それにものをつくってカタチにしていくのが
好きだったから楽しかったですよ。

結局、親方の下に7年いて独立しました。


-独立してから13年、
何棟くらい建てましたか?

加地 30棟くらいだと思います。
手伝いを含めたら
60棟くらいに関わっているかな。

ずっと中島工務店ひとすじです(笑)

 

 


-20年やっていると
中島工務店の家づくりも
変化してきましたか?

加地 見えないところが
だいぶ変わったと思います。

オモテに見えているところは
昔から木をふんだんに使った造りが多くて、
それは今も変わっていません。

でも断熱など
仕上がったら見えないところが
進化したなぁと思います。

 
-断熱や気密など機能面が強化された分、
現場はたいへんになったのでは。

加地 手間は増えました。
昔は躯体ができたら
すぐ外壁・内装だったのが、
今は下地にすごく時間がかかります。
 

-ほかに変わったところはありますか?

加地 デザインも変化しました。
昔は和なら和、洋なら洋
という家が多かったのですが、
最近は和の雰囲気がありながら
モダンで住みやすそうな家が多いと感じます。

二間続きの和室をつくると
「自分がんばったな~」とは思いますが、
実際その部屋で何をするのかというと
普段使いには向いてませんよね。

そこにいるだけで緊張しそうですし(笑)

自分が住むんなら
最近つくっているような家の方が
いいなと思います。


-お客様は変わってきましたか?

加地 そんなに変わっていない気がします。
ただ、最近のお客様の方が
よく勉強されていて
知識があるなぁとは思います。

いろいろ調べて
積極的に質問や相談をされるので、
こちらもたいへんだけど楽しい。

お客様の質問に答えるために
こちらも調べるので
自分のスキルアップにもなるし、
きちんと理解してもらった上で
希望を反映していけます。

-完成内覧会にもよく来てくれますが、
それも勉強のため?

加地 勉強です!
大工に限らず家づくりに関わる職人は
自分の工程が終わったら引き上げるので、
関わった家の仕上がりを見ることが
ほとんどありません。

僕は自分が携わった家も
ほかの大工が建てた家も見たいので、
内覧会には行ける限り行っています。

ほかの大工の現場を見ると
「こういう納め方もあるな」と参考になるし
色の使い方や照明の位置なども見ておくと
自分なりにお施主様に
アドバイスするときに役立ちます。

 

 


-お客様が現場に来るのはいかがですか?

加地 できるだけ来た方がいい。
僕は家を建てる手伝いをしているだけで、
お施主様の家ですから。

お施主様が住んだときにどうかが大事なので、
できるだけ現場に来て
どうなっているか見てほしいです。

僕はいろんなお客様の家を建ててきたから、
「前の現場ではこんな意図でこうした」
という自分の経験を
お客様と共有したいと思います。

たくさんの家を建ててきたからこそ、
こうもできる、ああもできる
という選択肢を示すことができますから。

そんな話をするには
現場で実際に見てもらうのが一番ですよね。

お客様に現場に足を運んでもらって
一緒に家づくりできたらいいなと
いつも思います。


-中島工務店の家づくりと
ほかの工務店の家づくりに
違いはあると思いますか。

加地 わかりません。
ほかの建築屋さんも
みんながんばっていますから。

どこに重きを置いているかが違うだけ。
中島工務店の場合はそれが国産材ですよね。

住宅を建てるにあたって
そこに視点を置いている人なら
中島工務店で建てると納得できる家を
建てられるんじゃないかと思います。

-これから家を建てようと考えている
お客様にアドバイスをお願いします。


加地 焦らないことです。
「どうしても子どもが
入学するまでに入居したい」
といったお客様がいらっしゃいます。

その気持ちはよくわかりますが、
それって人生の中の
ほんのちょっとの時間です。

そのほんのちょっとのために
焦った仕事をしてもらうより、
かけるべき手間をかけてもらった方がいいと
僕は思います。

急かされるとどうしても
それなりの仕事になってしまいますから。

子どものためという気持ちはわかるけれど、
そこをグッと踏みとどまって余裕を持つと
よりいい家ができるのではないでしょうか。


-今日は家づくりの要、
大工さんにお話を聞きました。
ありがとうございました。
お食事中、お邪魔しました!
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