プロが教える家づくりのヒント HINT

設計

ユニットバス・ハーフユニット・在来浴室



住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。

今回のテーマは「浴室」です。



現代では、浴室というと
ほとんどの人がまず
ユニットバスを思い浮かべるでしょう。

別名システムバスとも言われ、
工場で生産された
壁・床・天井・浴槽・水栓などの部材を
現場で組み立てるものです。

キッチン・バス工業会によると
戸建住宅の60%以上がユニットバスで、
今後も増え続けると予測されています。

住宅会社のモデルハウスで見るのも
ほとんどがユニットバスですよね。

主要メーカーのユニットバスなら
たいていどこの住宅会社でも
採用できますから、
モデルハウス見学のときに
浴室に注目することは
少ないかもしれません。
 
ですが、浴室のつくり方は
ほかに2種類あります。
ハーフユニットバスと在来浴室です。

これらを選択肢に加えると、
ユニットバスとはひと味違った
浴室空間を考えることができるんです。

今日はユニットバス・
ハーフユニットバス・
在来浴室の違いを
費用やメンテナンスを含めてご紹介。

モデルハウス見学や
プランの参考にしてください。


 



まずはユニットバス。
中島工務店のお客様にも圧倒的に
たくさん採用されています。

こんな感じ。



当社では、いわゆる1坪サイズ
(1616サイズ / 内寸が160cm × 160cm)
が一番よく採用されています。

素材はFRPや人造大理石で、
壁などが大きめのパネルで
できていることが多いので
カビが生える目地が少なく、
中性洗剤とスポンジで
汚れを落としやすいという特長があります。
 
ユニットバス一式+取付費で
安いものなら40万円台後半からありますが
当社で一番よく採用されているのは
60万円台クラスのものです。

お手入れのしやすさや
浴槽・浴室の保温性、
様々な美容系機能などによって異なるので
ショールームでよく確認して選びましょう。


 


 

ハーフユニットバスは、
ユニットバスと造作を組み合わせた
お風呂です。

防水性能が特に重要な
浴槽・床・壁の下の方には
ユニットバスの部材を使い、
壁・天井・水栓・ドアなどは
好きな素材・デザインで造作します。

ユニットバスに比べて
好みの空間に仕上げることができるので
お風呂にこだわりがある人に人気です。
 


壁・天井にはタイルや木がよく使われます。
 
中島工務店では、木の中では
耐水性があって香りがよい
高野槇をおすすめしています。

でも、浴室に木を使うと
お手入れが気になりますよね。

浴室の仕上げに使う板には
カビが生えにくいように
表面塗装がしてあるので、
基本的に木部の掃除は必要ありません。

というか、
ゴシゴシすると塗装が剥がれて
防カビ効果がなくなってしまうので
何もしなくてかまいません。

クロスで拭くくらいなら問題ないので、
よりカビが生えにくいように
お風呂を使った後に
水滴を拭き取るとよりいいですね
(十分な換気も必要です!)。

塗装の効果は通常5年程度ですが、
5年間まったくカビが生えない
というわけではありません。

5年経ったらカビ取りと
再塗装をしましょう。

ハーフユニットバスを選ぶときには、
できれば慣れている会社に
お願いした方が安心です。

というのも、
浴室の上半分(造作部分)の防水は
施工する会社の技術力次第
だからです。

例えば、ユニットバスなら
あらかじめドアから脱衣室に
水が流れ出さないような
仕様になっていますが、
ハーフユニットではそうはいきません。

「水仕舞(みずしまい)」といって
漏水や水が浴室から流れ出すのを
防ぐための工夫が必要で、
それを考えるのは施工会社の役目なんです。

漏水が起こらないように
壁の裏側でユニット部分と
一体となるような防水工事をしたり、
水切れがいいように
天井や壁にわずかに勾配をつけたり・・・
大きなことからちょっとした配慮まで、
やり慣れているかどうかの差が
住み始めてからの維持管理に影響します。

家づくりを考えているときに
「ハーフユニットバスもいいな」と思ったら
候補にしている住宅会社のモデルハウスに
ハーフユニットバスが採用されているか
見てみたり、
施工実績を確認してみるとよいでしょう。

長久手Studio浴室(ハーフユニットバス)


ハーフユニットの場合、
どんな仕上げにするかによって
お値段に違いが出ますが、
だいたいユニットバスの
1.2~1.5倍程度の費用
になります。

やや割高ですが
自分好みのお風呂で過ごすひとときは
格別ですから、
お風呂にこだわりがあるなら
ぜひ一度検討してみてください。


 


 

在来浴室とは、在来工法、
つまりすべて造作でつくった浴室です。

仕上げやデザインを
自由に選べるのはもちろん、
ユニットバスもハーフユニットバスも
規格サイズでしかつくれないのに対し、
在来工法なら広さも自由に
決めることができます。

もちろん、ジェットバスや床暖房など
設備もお好みで取付OK。

そう、お風呂好きな方にはたまらないのが
在来浴室なんです。



浴槽は桧や石、
壁や天井は桧・石・タイルなどで
つくることが多いです。

お手入れ方法としては、
桧は乾拭き、
石はデッキブラシなどでゴシゴシ、
タイルは中性洗剤で磨きます。

タイルや石の目地は
適宜カビ取りも必要です。
 
在来浴室はハーフユニットバスより
さらに防水が難しいので、
施工実績のある会社に依頼するのが
安心です。

お値段的にはどんな仕様にするかによって
かなり幅がありますが、
およそ100万円くらい~といったところ。

ただし、浴槽だけ既製品を使う
という方法もあり、
その場合はもう少し
費用を抑えることができます。


 


 

ユニットバス・
ハーフユニットバス・
在来浴室、
それぞれの特徴をご紹介してきました。
 
ユニットバスなら
どこの住宅会社でも問題ありませんが、
ハーフユニットバスや
在来浴室も考えたいなら
住宅会社選びのときから
施工実績を確認しておくといいですね。

ハーフユニットバスや
在来浴室の施工に
自信がある会社なら
モデルハウスにも採用していることが
多いので、
注意して見てみてください。
 
ふだんあまり目にする機会がない
ハーフユニットバスや在来浴室は
見るだけでも楽しく、参考になります。

モデルハウスでは
浴室にも注目してみましょう!
 
あわせて考えたい洗面脱衣室については
こちらの記事を参考にしてください。
おしゃれで使いやすい洗面脱衣室