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おしゃれで使いやすい洗面脱衣室

住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。

今回のテーマは「洗面脱衣室」です。


たいていのお宅で
洗面脱衣室は2帖(1坪)程度の
限られた空間です。

でも小さなスペースだからこそ、
少しお金をかけるだけで
住む人の個性を出しやすいところでも
あるんです。

詳しくは後で述べますが、
家具もキッチンもお風呂も造作できる
中島工務店が特におすすめしたいのが
洗面脱衣室の造作なんです。

※造作、ハーフユニットの浴室については
こちらの記事をご覧ください
ユニットバス・ハーフユニット・在来浴室


今日は洗面台の造作がオススメの理由から、
おしゃれで使いやすい洗面脱衣室のポイント
洗面ボウル・手洗い鉢や水栓の選び方を
プロの視点からお話しします。

掲載写真はすべて
当社のお客様のお住まいです。

お施主様と設計士が考え抜いた
個性豊かな洗面脱衣室も
ぜひ参考にしてください。


 
 
目次


1.洗面台の造作がおすすめの理由
2.洗面脱衣室を考えるポイント
3.造作の洗面台を考えるポイント

4.おまけ トイレの手洗い鉢


 

 

洗面台の造作をおすすめする理由は
費用と狭さです。

タイトルにもある通り、
洗面台の造作は20万円くらいからできます。

既製品だと8万円くらいからあるので
高いといえば高いんですけど、
オリジナルキッチンをつくるのに比べれば
全然かかりません。

もちろん安い金額ではありませんが、
洗面ボウルから水栓や収納まで
すべて自分たちの使い方に
合わせてつくれるので
見た目も使い勝手も文句なし!
と考えると
アリなんじゃないでしょうか。
そして狭さ、
というか限られた面積で
独立した空間であるところも
ポイントです。

リビングなど大きな空間を
自分らしく仕上げるには
お金もセンスも必要ですし、
将来好みが変わったときにも
いろいろたいへんです。

でも、洗面脱衣室なら
周囲から独立した2~3帖くらいの
空間なのでコーディネイトもしやすいし、
派手な壁紙を貼ってみたり、
めずらしい形の水栓を使ってみたり・・・

リビングではちょっと勇気が必要な
挑戦をするのにもってこいというわけです。


それほど値が張らず、
仕上がったときの見栄えがよくて
オリジナリティを出しやすい。

こだわってみたくなってきましたか?

それでは洗面脱衣室を考えるときの
ポイントを見ていきましょう。


 

 

個性を出すといっても、
まずは生活する上で
使いやすくなくてはいけません。

最初に洗面脱衣室全体の広さや
配置を考える上で
押さえておきたいポイントを
見ていきましょう。
 
 
①洗面脱衣室で何をするか考えよう
→広さ・動線/照明・コンセントが決まる

洗面脱衣室でやることにも
ご家庭によって違いがあり、
特に次のようなケースでは
広めのスペースが必要です。
 
□洗濯物を干す
→室内干し派で洗面脱衣室に干したいなら
そのスペースと物干し機能が必要です。

□衣類を収納する
→洗面脱衣室にパジャマや部屋着を
置いておくご家庭もあります。
置いておく量に合わせて収納が必要です。
 
□メイク(化粧)をする
→洗面脱衣室でメイクする人がいる場合、
メイク用品の収納場所や
適切な鏡・照明の位置を
考えなくてはいけません。

□バスタオルを干す
→1回使って洗濯するなら必要ありませんが
そうでないなら意外とスペースを取るのが
バスタオルを干すところ。

既製品のタオルかけでいいので、
家族全員分を干すスペースを
考えておきたいところです。
 

このような使い方をする場合、
少なくとも+1帖して
3帖くらいの広さが必要になってきます。

また、生活スタイルに合わせて
洗濯室や収納室を
洗面脱衣室につながった空間として
設けることもあります。

どんな使い方をするかは
照明やコンセントの数や位置にも
大きく影響してくるので、
プランの際にしっかり考えて
設計士に伝えていただきたいポイントです。
 
メイクスペースを設けた事例。
既製品の洗面台と市販のカゴを
うまく活用しています。



②置くものをすべて拾い出そう
→収納の量や配置が決まる

洗面脱衣室には
細かいモノがいろいろあります。

洗濯かご、家族の人数分の歯ブラシ、
シャンプーなどのストック、タオル類、
ドライヤーやヘアーアイロン、
ゴミ箱、掃除道具・・・。

バケツやバスブーツなど
使うと濡れるものは、
使った後に干しておく場所も
考えておきたいところ。

どこにどう置いてあるのが
使いやすいかによって、
収納に扉をつけるかつけないか、
鏡の裏に収納をつくるかつくらないか
といったところにまで差が出てきます。

住み始めてからの
使い勝手に関わるところなので
よく考えておきたいですね。
 
ほかに気をつけたいところとしては
洗濯機を置くスペースがあります。

ドラム式洗濯機は大きなものが多いですし、
ドアが手前に開くのでそのスペースも
考えておかなくてはいけません。

将来的にドラム式洗濯機や
今使っているものより
大きな洗濯機にすることも考えて、
少し余裕をつくっておくのがオススメです。
 
白いタイルと大きな鏡、照明の位置にもこだわり。
こちらも市販のカゴをうまく活かしています。




 

空間全体の広さや機能、
雰囲気も重要ですが、
おしゃれで使いやすい
洗面脱衣室をつくるなら
やっぱり洗面台がポイントです!

次の項目をきちんと押さえた上なら、
だいたいどんなデザインを選んでも
大丈夫です。
 
①洗面ボウル・手洗い鉢の大きさ
おしゃれな洗面ボウル・手洗い鉢を探すなら
ネット検索が手っ取り早いですが、
ネットだと大きさがわかりにくいのが
難点です。

実際に届いて
「大きすぎる!」「小さすぎる!」
とならないように、
設計士とよく相談しながら決めてください。

洗面ボウル・手洗い鉢は
台の上に置くことも埋めることもできます。

造作ならどの程度埋めるかも自由自在。
見た目から考えるだけでなく、
高さがありすぎる洗面ボウル・手洗い鉢を
あえて台に埋めて
高さを調節することもあります。
その場合、台の高さまで変わってくるので
早めに相談してください。

忙しい朝にも渋滞しない洗面ボウル2つタイプ。
洗濯室は奥に設けました。



②水の使い方
具体的には、
水を貯めるか貯めないか、
お湯を使うか使わないか、
シャワーを使うか使わないかを
考えてください。

水を貯めるなら
その機能がある排水栓が付いた
洗面ボウルを選ばなくてはいけません。

いわゆる手洗い鉢といわれるタイプの
ほとんどに水を貯められる(開閉できる)
排水栓はついていませんから、
注意が必要です。

また、お湯を使う場合は
水栓を混合栓にしなくてはいけませんし、
シャワーを使うなら
シャワータイプに限定されます。

 
③洗面ボウル・手洗い鉢と水栓の組み合わせ
特に高さと位置関係に気をつけてください。
まず、水栓の高さが
洗面ボウル・手洗い鉢の縁を
充分超えられるだけないといけません。

超えられたとしても、
水が落ちる場所があまりに手前だと
水はねがひどくなってしまいます。

できるだけ洗面ボウル・手洗い鉢の真ん中に
水が落ちるような水栓を選びましょう。

水がまっすぐ落ちるタイプと
斜めに出るタイプがあるので
よく確認してください。
 
ポストフォームを使った事例。
奥様こだわりのメイクコーナー。
洗面ボウルは台の上に置きました。



以上を押さえておけば
機能的には問題ない洗面台ができるはず。

あとは洗面ボウル・手洗い鉢も水栓も、
台もタオル掛けも鏡も、
お好みのものを選んでください
(サイズの制約はありますよ!)。
 
台の材質としては、
だいたい木・タイル・ポストフォームの
いずれかから選ばれます。

木の場合も表面をウレタン塗装しておけば
水が染みこんでたいへん!
なんてことにはなりません
(フツーに水がこぼれたら拭いてください)
 
ちなみに中島工務店では
手洗い鉢には真山窯を、
水栓には水生活製作所
おすすめしています。

ちょっと違う感じにしたければ、
水栓はカクダイさんなんかも
おもしろいかも(←当社施工課長談)。

中島工務店では
お客様が自分でつくった
手洗い鉢を採用した例もありますから、
積極的に設計士に相談してみてください。
 
お施主様手づくりの手洗い鉢



 

洗面脱衣室で冒険するのが怖い・・・
という方は、
もっと小さな空間「トイレ」で
遊んでみませんか?
 
台と手洗い鉢、水栓の組み合わせが
ポイントなのは洗面台と同じですが、
使い方が限られる分、
収納だの動線だのコンセントだの
考えなくていいので
挑戦しやすいところです。



トイレだと
ペーパーホルダーも個性の出しどころ。
杉山製作所なんかおすすめです。