加子母地区内および近隣市町村で伐採された木材を委託で預かり、径級や品質に応じて仕分けをして販売するのが、木材共販所の主な仕事。木材市では、製材業者をはじめとした建築に携わる人々が、入札によって木材を売買しています。品質の良い加子母の木材を住まいとしてもっと多くの人たちのもとへ…それが私たちの一番の願いです。

世界に誇れる東濃桧で、世界一の木造住宅を

私たちが暮らす加子母には、夏は非常に多くの雨が降り、冬には非常に厳しい寒さが訪れます。この四季に応じて変化に富んだ自然環境が、日本の優れた国産材の中でも古くからさまざまな建築物に使われ続ける、東濃桧を生み出しているのです。木には色とつや、そして香りがあります。同じ自然素材でも、石には色・つやがあっても香りがなく、人工的な鉄に至っては、そのどれもが感じられないような気がします。だからこそ木には人を癒す力があり、日々を過ごす住まいに最も適した素材なのかもしれません。香り高く、艶のあるピンクの色合いを持ち、ほぼ真円で均一な年輪幅とごく小さな節が特徴の東濃桧。その色・つや・香り、どれを取っても世界一の木だと私は常々思っています。その東濃桧を使って建てる加子母の住まいは、当然世界一の木造住宅。そんな思いで、毎日この加子母から木材を全国に送り出しています。




木を使うことが、森を守り、業界を変える力になる

近年、木材の価格は20年前に比べると3分の1程度まで落ち込んでいます。特に住宅の室内に現れる役物柱をとるような良質な桧柱材は、全盛期の5分の1ほど。私たち加子母森林組合の共販所においても、取扱量こそ2倍になったものの売上は約半分となっているのが現状です。そんな中、山林所有者も山への関心がなくなりつつあり、日本各地で荒れた山林が目立ってきています。現在下がる一方の木材価格では、伐採しても採算がとれないからです。しかし今、戦後に植林した桧や杉がようやく資源となり、日本中で使われる日をいまかいまかと待っているのです。この豊かな自然資源をもっともっと利用して家を建てれば、木材需要が高まり、価格も上昇して山林所有者がまた山に関心を持つことでしょう。そしてそれは、森林の整備へとつながっていきます。まず何より大切なのは、日本の木を使う機会を増やすこと。そのために、国産材を使った住まいづくりの取り組みを、山元であるこの加子母から地域ぐるみで発信していく必要があると考えています。ぜひ多くの方に、住まいづくりを通した日本の山の保全に興味・関心をもっていただきたいです。