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大工さんの造作工事

投稿日/ 2016年1月17日

「ふるさとと繋がる家」は外壁工事が完了し、内部の造作工事も目途がたってきました。現場では昨年の8月4日の土台伏せから始まった大工工事も年内でほぼ完了しましたが、8月10日の上棟式からここまでの約5ヶ月間は竹本正也棟梁とその師匠であり父の竹本保雄さんの二人体制で進めてきました。大工さんの仕事は多岐にわたります。外装仕上げに伴う下地造りや外部木部の仕上げ等の外仕事、内部仕上げに伴う下地造りやボード張り、そして天井、床、壁等の木部仕上げ。見えるところも見えないところもコツコツと仕上げて行かなければならない、まさに職人の仕事です。

 私たちの住まいづくりでは、外部の仕上げにも板材を多く使用します。これは軒裏の仕上げですが、杉の相决り(しゃくり)板、通称「赤特」にリボス社のタヤエクステリアを塗装してあります。

 実は内部の天井もこの杉の「赤特」を仕上げること多く、塗装していないとこのように薄赤い色をしています。柔らかくてデリケートな板ですので、折れ釘で慎重に打ち付けていきます。

 天井の次は2階の床張りです。中島工務店では2階の床の仕上げを40mmの杉の厚板で仕上げることが多いのですが、ここでは28mmの構造用面材で床剛性を保ち、その上に15mmの桧の節板を仕上げます。柱の際は床板を切り欠いて仕上げていきます。

ここは1階の玄関ホールです。2階の床板と違って節が無く、15mmの桧の上小板を張ります。このように同じ桧の床板でも節があるのと無いのとでは全く見栄えも高級感も違ってきますので、要所で張り分けることはよくあります。

 ここはキッチンの床です。キッチンの床には板材以外の床材を仕上げることが多いのですが、そこは製材屋さんの娘である奥様、迷うことなく桧です!

 ここは主寝室に追加したロフトです。11月のリポートで紹介した打合せの内容に添って手摺やカウンターを設置します。

 こちらは窓枠の加工状況です。私たちの住まいづくりでは建材による既製品の枠材を使うことはありません。縦枠と横枠の取り合いは勿論トメです。トメとはお互いの枠を45度で切断して組んでいくことを言います。

 次は階段材の加工と取り付けです。勿論ここも桧、しかも無垢板のです。多岐にわたる大工さんの仕事の中でも最も難しく高度な技術を必要をするところのひとつです。これは「ササラ桁」と言い、階段の段板と蹴込み板をはめ込んで支える重要な部分です。それぞれ左右の欠き込み寸法が違うと階段になりません。

そんなプロの仕事ぶりを見ていたお施主様に、竹本正也棟梁はその手を止めて丁寧に加工のコツを説明してくれました。極度に高所恐怖症の奥様はこれまで恐る恐る梯子で2階に昇っていましたが、心待ちにしていた階段がもうすぐ取り付けられるのを知ると嬉しそうにその話に聞き入っていました。

 階段の親柱に取り付けられたササラ桁です。加工したばかりの材料からは桧のいい香りが放たれ、家中を包み込んでいきました。

 両側に取り付けられたササラ桁に段板が見事に納まりました。こうして階段は施工され、ようやく1階と2階が繋がりました。

大工さんによる造作工事も最終段階。玄関ホールの正面は弧を描いたカウンター付きのニッチが取り付けられ、その周りの腰壁は上小の桧板張りです。ここは玄関に入って一番最初に目に入る場所です。同じ上小の桧板でも特に美しいものを優先して張ってあります。

 大工工事の最後は外部の濡れ縁です。この現場での保雄さんの最後の仕事で、陽も傾きかけたころに作業は終了しました。木造の住まいづくりは、暑い日も寒い日も、外も中も、高いところも低いところも、大工さんはコツコツと、かつ黙々と仕上げていきます。その職人魂にはいつも尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。

 大工さんによる造作工事が完了したら造作検査を実施します。ここの検査員も防水検査同様、中部住宅部施工課長の小南貴志が実施します。若干の是正事項がありましたのでそれを全て是正して次の工程に取り掛かっていきます。

いよいよ現場は仕上げ工程に突入です。建具業者による内部開口の採寸も済み、只今木製建具を製作中。更に内部左官や内装仕上げの下ごしらえも順調に進んでいます。外部では外構工事の細部の仕様を調整中です。

次回の現場リポートはどれにしようか思案中ですので、楽しみにお待ちください!

設計・監理 小林尚長