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階段のきざみとkominiノンスリップ。

投稿日/ 2011年1月20日

2010年1月19日(水)

(協)東濃ひのきの家造作工場の一角で、現在「愛宕Ark」の階段をきざみ中です。木の加工を「きざみ」と言います。加工担当は「コマちゃん」こと、造作工場の若きリーダー駒田くんです。

階段材は桧の集成材を採用します。(協)東濃ひのきの家で集成しています。集成材は無垢材に比べ性能が明確で反りや曲りの少ない材料です。又、「集成」することで無垢材にはない長さや太さを造ることが出来ます。

さて、作業の始まりは墨出しです。加工をする現物に加工用の印を記すことを「墨出し」と言い、その印を「墨」と言います。良い仕事は良い墨出しから。階段の踏み板を支える「側桁」(がわげた)なる部材に「踏み板」と「蹴込み板」を差し込む溝を丁寧に描き込みます。

そしていざきざみへ。専用の定規を造って、溝加工用の丸ノコで溝を加工して行きます。

写真一枚で終わらせてしまいましたが、実際は一日以上掛かる根気勝負の作業です。

そしてここからが私達(ひょっとして私だけ?)の拘り、通称「kominiノンスリップ」の加工です。階段の踏み板の先端には通常「ノンスリップ溝」なる溝があります。これは階段の踏み板の先端がその先にあることを足の裏に感じさせる細工です。

komini」こと小南貴志さん(現名古屋支店長)が、自邸の階段で「溝」ではないノンスリップの細工を採用し、それをLITTLE KASHIMOでも採用したことからお客さんからの引き合いが増えました。そこでこの通称が付きました。体操の世界で言うところの「モリスエ」のようなものです。ま、kominiさんもどこかでアイデアを頂戴して来たんだと思いますが。その「kominiノンスリップ」を加工の過程と共にご紹介します。

まずは、ルーターで9mm幅×7.5mm深の溝を削ります。その切り口が毛羽立たないよう美しく加工するために、1本の溝を3回に分けて加工します。これはコマちゃんの拘り。

そしてその溝を途中で止めます。側桁まで抜けている溝は私が嫌いなんです。と言うことで端部はノミで加工。

そしてその溝に目地棒を埋め込みます。今回はLITTLE KASHIMOと同様にケヤキを採用します。堅木(かなぎ)の堅さと桧とは違う色の木で視覚効果を狙っています。

ケヤキの目地棒の表面にカンナを掛け、サンドペーパーで面を取り、

  

先ほど掘った溝に木工用ボンドを注ぎ、 

ケヤキの目地棒を叩き込み接着します。 

踏み板の上面から約1.5mm出っ張った目地棒を足の裏が感じ、ノンスリップの役割を果たします。

説明すればこれだけのものですが、一般的に溝を加工するだけに比べ、ざっと5倍以上の手間が掛かります。それでも私はこれが好きなんです。できれば住まい手さんにも好きになって頂けたらな、と思う今日この頃です。

中島 大地