☆中島工務店メールマガジン12月号☆ vol.42 2013年12月10日配信☆

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  • 1 中島工務店からのお知らせ
  • 2 季節の扉  〜代表取締役 中島 紀于〜
  • 3 森の不思議 〜中島工務店 総合研究所 中川護〜
  • 4 住宅豆知識

*⌒*⌒【 中島工務店からのお知らせ 】 ⌒*⌒*


●2 季節の扉

十二月に入りました。朝7時にプレカット工場へ行く頃に東の山の向こうからようやく朝日が雲を照らします。気温は零下。張りつめた空気の中でとてもきれいな朝焼けです。
日本百名山の恵那山と手前の二ツ森山が仲良く並んで茜色に染まります。北の高気圧が張り出して空気は澄み、放射冷却で気温が下り身も心も引き締るとても気持の良い朝となりました。正に師走の朝です。
赤蕪の玉が一気に大きく育ち、白菜の胴が張り、大根の首が青く逞しくなってこれからが漬け込みの頃です。清水の湧く水辺でむしろに膝をついて洗い天日に干してから椹の桶に漬け込む。厚い氷を割って穴を明け手を差しこんで切り漬けを取り出し鉄器で焼いておかずにして食った学校帰りの囲炉裏端がつい昨日の事の様に思い出される。寒かった冬の大自然の生活にはもう戻れないのだろうか。
生きるために飯を食うために働いた貧しくて辛かったあの頃が懐かしい。

 

中島 紀于代表取締役 中島 紀于
ブログ書いてます>>> http://norio.kinoie.in/



●3 森の不思議

森林と家づくり 4  パイロットフォレスト(2)

先週、日中緑化の仕事で中国から帰った数日後の11月28日に小川長洞国有林(岐阜県下呂市)に出かけました。この山は、42年前に担当区主任(現在は森林官)として勤務した懐かしい山です。装いは、名古屋営林局計画課に入庁して間もない頃に買った京都の帆布店オリジナルの地質調査用バッグ(現在のものはその3台目)に高度計、クリノメーター、折尺、土壌調査用のハサミと小型のショベルなど七つ道具を入れ、当時と変わりません。一人で出かけました。許可を得て国有林入口のゲートを開けると、私の脳裏は40年前に遡っていました。
真っ先に目に入ってきたのは、スギの品種実験林です。ここは、全国から集められた各地のスギ品種が植えられており、成長量や形質などについて業務研究発表をしたことがあります。その時のスギ造林木は、成長が良かった東北のスギでさえ背丈を僅かに超える程度でしたが、一帯を覆い尽くす大森林になっていて驚きました。また、記憶ではその中腹を通過する林道沿線に桜の苗を植えましたが、広く枝を張った大木が1本だけ残っていました。直径30cm樹高は20mほど、品種は「フゲンゾウ」で花は大輪、八重咲きで淡紅色、雌しべが普賢菩薩の乗る象の鼻に似ていることから命名されたといわれるものでした。はやる気持ちを抑えながら、いよいよ本拠地だった事務所の位置に近づきましたが、今はあのモダンな建物はそこにはなく、撤去されて跡地が広がっていました。
さらに奥へ向かい、当時命名した「チゴユリ峠」に至りました。車を降りて歩道沿いに「中川教室」と呼ばれていた場所へ急ぎました。そこは朽ち果てた丸太の椅子だけが面影を残し、冬空の雲の切れ間からギャップとなったこの場所だけ弱い日差しが、若かった時代の夢の跡を照らしていました。懐かしさが堰を切ったようにこみ上げてきました。傍らには、当時から自生していたコウヤマキの天然木が、一抱えほどに成長していました。「このあたりの山が北限ですよ。」森林教室での当時の自分の声が聞こえるような気がしました。
思えばこの山が私の青春、ロマンそのものでした。ここからすべてが始まったのです。国有林へ入庁して35年、森林とともに歩んできました。その頃、買い集めた書籍はほとんど森林に関わるものでした。小松左京が小説「日本沈没」を世に発表してSFファンになり、多くの友人と夜遅くまで酒を酌み交わし、ニーノ・ロータの曲ゴットファーザー「愛のテーマ」を歌い、帰宅すれば2人の幼い息子らが、身の丈ほどあるマジンガーZの玩具を抱えて2部屋だけの官舎内を走り回り、妻に手伝ってもらって「うぐいす」と呼んだ収穫調査の野帳を短冊に切って本数や材積を計算しました。すべてが山と関わる生活でした。
どうしても見たい山は、さらに奥に進んで道沿いに尾根を2つ曲がった先です。モミなどが自生するこの地域を代表する中間温帯林を抜け、その先は1109、1108、1107林班と続きます。ここでは明治26〜27年植栽の古い人工林の中に小さな苗木を植え、当時では珍しい複層林をつくりました。収穫は皆伐(全て伐採する方法)が主流でしたから、批判や忠告を受けたあの頃の先輩諸氏の顔が浮かんできました。
さあ、思い出の植林地1106林班についてお話しましょう。人の適性や能力に応じて、それにふさわしい地位・仕事に就かせることを「適材適所」と言いますが、木材で住宅を建てる場合もまさに「適材適所」は重要となります。林業では、「適地適木」という似た言葉があります。新しい森林をつくる時、どんな樹種を植えるかが最も重要です。一般的には昔からの経験則で行われてきましたが、当時私は、現地の自然条件などを調べて、科学的な根拠で植付け樹種を決めたのです。
もう少し詳しく説明しましょう。対象となる伐採後の林地に50mの格子状に調査点を設け、標高、方位、傾斜、地質、土壌型、A層(植物が生育する土層)の厚さなどの立地条件を詳しく調べました。この立地因子ごとに多次元解析して作成したスコア表を使って基準林齢の樹高を求め成長量を予測する手法です。調査地点ごとに有意となる樹種を判定して造林樹種を決めました。この林が現在どのように成長しているか。40年前に植えたスギ、ヒノキ林の中に分け入ってみました。植付け本数はha当たり4,500本でした。その後成長とともに間伐が行われたのでしょう、現在は約1,400本でした。そして直径20cm、樹高18m、予測を上回る成長を示していました。全容が見渡せる場所を探しましたが、樹木が周囲を埋め尽くし、うまく写真に収めることができませんでした。それでも限りない喜びと自信、誇りさえ感じました。日本の森林は、確実に成長し続けているのでしょう。老いた体を熱くしたまま下山しました。
翌日、「一人で山は解かりましたか。」第2の職場として15年勤務となった中島工務店の若い後輩から尋ねられました。「山を歩いた記憶は不思議なくらい鮮明なのです。」

中川 護(中島工務店 総合研究所長 中川 護 )



●4 住宅豆知識

先日、(協)東濃地域木材流通センター(いわゆる木KeyPoint)の視察研修で東京大学を訪れ、農学部と工学部を視察させて頂きました。工学部では、前真之先生率いる前研究室の最先端の取組みを拝見しました。前先生は、日本のこれからの建築環境を牽引する若きリーダーです。工学部の屋上にある実験棟では、省エネルギーに関する実験が日夜行われていて、日々講習等で情報を発信していらっしゃいます。

そこで、9月に拝聴した前先生のご講話の内容をダイジェストでお送りします。
・ 日本の改正省エネ基準はそれでもまだ先進国で最低レベル
・ 開放型燃焼のストーブやファンヒーターはNG
・ 特に大きな窓には日射遮蔽が不可欠
・ 24時間動き続ける換気装置は省電力型にするのが大事
・ 住宅の省エネでは給湯が大事
・ エアコンはダントツで省エネ、床暖房は増エネ
・ 電気温水機は絶対に避けるべき
・ 通風への過剰な期待は禁物
・ 熱中症の4割は室内で起きている
・ 高効率給湯機&節湯で大幅省エネ
・ 断熱あっての蓄熱
・ アルミサッシは劇的に良くなっている
・ 全国の"エコハウス"の半数はQ値計算をしていない
・ 太陽熱給湯の省エネ効果は高いが日本ではまだまだ

今後共、前先生のお話をその都度ご紹介したいと思います。


(本社 中島 大地)

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