プロが教える家づくりのヒント HINT

設計

新築時に壁掛けテレビを
きれいに設置する方法



住宅建築のプロが納得できる
家づくりのヒントをお話しするブログ。

今回のテーマは
「壁掛けテレビをきれいに配線する方法」
です。



当社施工事例(以下同じ)



最近人気の壁掛けテレビ。
ネット上には壁掛けテレビの
メリット・デメリットや
おしゃれに見せるポイント、
DIYのコツなど
いろいろな情報が掲載されています。

当社でも壁掛けにしたいという要望を
いただくことが増えていますが、
きれいに仕上げるためには
いくつかポイントがあります。

また、テレビの配線を考えるときに
同時に考えなくてはいけないのが
録画機器やゲーム機など周辺機器の配線。

さらに、テレビは数年~10数年で
かならず買い替えるものなので、
新築のときから
考慮しておきたい点もあるんです。

今日はまず壁掛けテレビをきれいに
配線する基本のポイントを確認し、
当社施工事例を参考に
周辺機器の置き方をご紹介。

さらに買い替えに備えて
あらかじめ考えておきたいことを
まとめます。


この記事でわかること
□ 壁掛けテレビの配線のポイント
□ 録画機器やゲーム類の設置事例
□ 買い替えに備えてできること

 
目次


1.壁掛けテレビをきれいに配線する
  基本のポイント

2.録画機器やゲーム機はどこに置く?
3.テレビの買い替えに備えて

4.まとめ


 



壁掛けテレビをきれいに見せるためには
とにかく配線を見せないこと!
これに限ります。

テレビまわりにはとても配線が多いです。

電源、アンテナケーブルはもちろん、
録画機器やゲーム機など
数台の関連機器につながっているのが
当たり前です。

テレビまわりをすっきり見せるためには
コンセントやアンテナ端子を
すべてテレビの後ろに隠してしまうのが
一番早い方法です。

そう、こんな感じ。

壁掛け用の金具とコンセント・アンテナ端子


壁掛けの金具の後ろ、
ちょうどテレビ本体で隠れるところに
コンセントやアンテナ端子を
配置した例です。

これで前からは配線が見えないので
まずはきれいに見えるようになりました。




次に考えなくてはいけないのが
録画機器やゲーム機など
周辺機器の置き場所です。

テレビをすっきり壁掛けにしても
そこから周辺機器への配線が
たくさん伸びていたのでは
かっこよくありませんから。

中島工務店ではだいたい3つの
パターンがあります。


①テレビを掛ける壁の背面に
 収納を設ける

 

テレビを掛ける壁の背面に収納を設け、
そこに周辺機器をまとめて置きます。
テレビの後ろから出した配線を
すぐ裏にある収納内でつなぐので
ケーブルやコード類の長さも
それほど必要ありませんし、
広めの収納であれば
接続作業もやりやすくておすすめです。
テレビの後ろの収納に関連機器を収納


こちらも背面に
設置場所をつくった事例ですが
①テレビの下から
②テレビの後ろから
の2か所から機器にアクセスできます。


テレビの下に造作で
小さな引き戸をつけていて、
そこを開けると前から
各種操作ができます。

画像がなくて恐縮ですが、
テレビの裏がちょうど
階段下収納になっているので、
配線は階段下収納の中に入って
さわることができます。

機器の入れ替えや配線がやりやすいと
ご入居後のお施主様にも
たいへん喜んでいただいています。

背面に収納がとれる間取りの場合は、
このように2方向からアクセスできると
とても使い勝手がよいですね。


②やや離れた場所に置き場所をつくる
背面に収納を設置するのではなく、
周辺に専用の置き場所をつくる
というケースもあります。

見える場所に棚を設けることもあれば、
見えにくい場所に置くことも。

背面に収納を設ける場合との違いは、
いったんテレビの後ろに出した配線を
周辺機器の置き場所まで引っ張った上で、
改めて表に出してこなくてはいけない点。

特に棚など表に見えるところに置く場合は
設計時と棚の高さを変えると
配線が見えてしまうので、
あらかじめどの位置に棚を設けるか
よく検討しましょう。
 
テレビを掛けた壁の奥、
部屋の隅に周辺機器専用の棚を設置。



階段下に置き場所をつくったケース
(白く囲んだところに周辺機器を置いてます)
③壁掛けテレビでもテレビボードを置く
え?せっかく壁掛けにしたのに
テレビボードを置くの?と
思われたかもしれませんが、
それが一番スッキリ納まる場合もあります。

例えばホームシアターを設置した
こちらのケース。

電動スクリーンを巻き上げると
壁掛けテレビがあるのですが、
たくさんある関連機器を納めるために
敢えてテレビボードを選択しました。

間取りなどの関係で
背面や周辺に置き場所をつくれない場合にも
この方法は有効です。

インテリアに似合うテレビボードを選ぶと
想像以上におしゃれに
まとまることもあります。
(こちらのお宅のテレビボードは
完成内覧会でとても好評でした!)
 
スクリーンの後ろに壁掛けテレビ。
あえてテレビボードを置きました。


なお、①または②にする場合に
気をつけたいのが
リモコンの電波が届くかどうかの
チェックです。

収納の扉や壁が厚いと
届かない場合があるほか、
ふだん座る場所の正面に置かない場合も
ふだんの姿勢でリモコンを操作して
ちゃんと機能するかどうかを
考慮してください。


 

 

テレビの後ろにコンセントや
アンテナ端子を設けて
周辺機器の置き場所を決めて
そこまで配線すれば、
テレビの壁掛け完了です!

が、もう少し先を見て
将来の買い替えまで
考えておきましょう。
 
買い替えのときに
何が問題になってくるかというと。

・従来より大きなテレビを買うかもしれない
・外部機器との接続端子(HDMIなど)が
変わったり、増えたりするかもしれない
・壁掛け用の金具が変わるかもしれない
など、いろんなことが考えられます。
 
テレビの機能はほんの1年でも
ずいぶん進歩するので、
次に買い替えるときには
ここでは考えていなかったようなことが
起こる可能性も高いでしょう。

でも、ひとまず今考えられる範囲で
対策をしておくとすると、

まず、大きなテレビを
掛ける可能性を考えるなら
あらかじめ壁の補強を
しっかりしておくことです。

テレビを掛ける壁には
必ずそのための下地材を入れますが、
その下地材をあらかじめ
より重いテレビにも
耐えられるようにしておけば
少々大型で重量があるテレビに
買い替えても大丈夫です。

※実際に買い替えるときには
新しいテレビの重さに耐えられるか、
施工した建築業者に確認してください。
 
もうひとつやっておくとしたら、
取付金具が変わっても
ケーブルやコード類と干渉しないように
コンセント、アンテナ端子などの接続部分を
壁から引っ込めておくことです。

この記事の最初の方の写真にある通り
壁掛け用金具ってかなり大きめですし、
テレビによって大きさや形状が異なります。

新築のときには
そのときに掛けるテレビに合わせて
コンセント位置を決めると思いますが、
次に買ったテレビの金具がちょうど
そのコンセントに被さって
ちょうどいい位置に取り付けられない
なんて場合があるんです。

それを避けるために、
あらかじめ引っ込ませておこう
というのがこの方法です
(数センチずらせば取り付けられるので、
あまり気にしない人もいます)。

こうしておけば、
比較的いろいろなタイプのテレビに
対応できる可能性が高くなるでしょう。


 

 

リビングだけでなく、
ダイニングや寝室でも壁掛けテレビを
希望する方が増えています。

部屋によって
録画機器が必要な場所とそうでない場所、
ゲーム機などを接続する・しない場所など
テレビの使い方も様々です。
 
角度を変えられるようにしたいかなども、
細かな取付方法に影響してきます。
 
どの部屋で誰が、
どのようにテレビを使いたいのかを
よく考えて設計士に相談してください。

先ほどからご紹介してきた通り、
細かな設計に影響するので
早めに相談するのがおすすめです。